枚方市立地域活性化支援センター主催、お茶しながら起業についてのリアルな話が聞ける
ひらかたビジネスカフェ
が11月20日(金)に鍵屋別館の3階で開催されました。
ひらかたビジネスカフェと言えば、今年の7月にも「五六市出店者が語る!手づくり市の魅力」をテーマに開催。昨年も鍵屋別館で「女性の起業」や「ARTの世界で起業」をテーマに開催しました。
今回は枚方市内でカフェを経営している3人の女性オーナーをお迎えしてお話をうかがいました。
司会はわたくし、カトゥー@ひらつー。
※ゲストスピーカーと参加者の皆さんの集中力と熱意で、わたくし半袖の写真が多くなっております。
参加者の皆さんにはお茶とお菓子をご用意させていただきました。まさにビジネス『カフェ』!
それでは、当日のようすを抜粋してご紹介してまいりましょう。
最初にお話いただいたのはCafe Camyu(カフェ カミュゥ)の折小野(おりこの) 美奈子さん。
大阪府職業訓練校、開業支援科にて開業の勉強をされた折小野さん。
その後1年間、大阪府商店街活性化プロジェクトのシャッター商店街の中に店舗を立ち上げる仕事に携わり、並行して開業準備を始め、2014年3月に『Cafe Camyu(カフェ カミュゥ)』を開店されました。
御殿山のワークショップ虹とのつながりや、お店に関わってもらっている作家さんとの関わり、また地産地消を考え、枚方で収穫された野菜を使ったりもされているそうです。
1番大変だったのが物件探しだったそう。1階をカフェ、2階をヨガ教室にする2階建店舗を探していたので、3月オープンだったのに前年の11月までかかったとのことです。
「お店もできるところは自分でやりました。壁も自分たちで塗って、看板も手書きで書きました」
「いろんな事を知っているのと知らないのは違うと思うので、創業支援のセミナーや起業家セミナーなどや創業塾はお金もかからなくて勉強できることができるので、そういうものを活用するのもひとつかと思います」
人や街との「つながり」を大切に今後も活動していきたいとお話を締めくくられました。
続いてお話いただいたのはcafe・hinode(カフェ・ヒノデ)の田中エミさん。
美大卒業後、雑貨店勤務を経て、「マリメッコ」のオープニングスタッフとして入社された田中さん。
出産・子育てを経験し「地元に赤ちゃんを気軽に連れて行けるカフェを作りたい」と思い、2013年こだわり珈琲と和菓子のカフェを夫婦でオープンされました。
和菓子屋さんを営むご両親のもとで『生まれた時から商売が近くにある』環境で育った田中さん。商売の大変さを感じながらもいつかはお店をやってみたいと思っておられたそうです。
ご両親の想いも引き継ぎ、伝統的な和菓子を伝えていきたいと考え、それに合う独自のブレンドコーヒーを作り、新しいカフェスタイルで職人の和菓子の提供も実現されました。
美大卒業後は京都の雑貨店で仕入れなども担当、さらに北欧ブランドのオープニングスタッフとしても働かれ、産休中にはインテリアコーディネーターの資格も取得されました。
住宅街の中にあるcafe・hinode(カフェ・ヒノデ)。最初は宣伝にも苦労されたようですが、物件を見つけたことがお店をしてみるキッカケになったそうです。
赤ちゃん、子供連れの方が集まれる場所になれるんじゃないかな…というイメージが湧いたそうです。
ご自身の子育ての経験から『お母さんが赤ちゃんと訪れやすいお店』を追求されている田中さん。オムツ替えシートや小さなお子さんのためのお子さまランチなども考案されました。
おいしいご飯を食べてもらえるように、顔の見える生産者から仕入れたお米や、自家菜園のとれたて野菜などを使用したオーナーシェフのランチにも力を入れられています。
3番目にお話いただいたのはcafe zakka gallerry FLAGの辻内志乃さん。
美大卒業後、グラフィックを専門に学び、ネット販売会社の店長を務め販売を学ばれた辻内さんは、力をつける為にカフェや雑貨店で働き経験を積まれました。
一つの場所で色々楽しめるお店を…とアートやカフェや雑貨が揃うお店cafe zakka gallerry FLAGをオープンされました。
「物件探しは大事だと思います」と辻内さん。26歳の頃に「カフェをやりたい」と思ってオープンしたのが32〜33歳の頃だったそうです。
その間、物件を常にチェックしたそうで、香里ヶ丘にある今のお店も1年半くらい見ていたとのこと。
「カフェでは商品をお出しした時に『わぁ!』とお客様が写真を撮りたくなるようなものを提供するように年3〜4回はフルメニュー変えています。大変な作業だけれど、そこを面倒くさがるといけないと思います」
休日もカフェ探しや作家さん探しをしているという辻内さんは「趣味も仕事も一緒」とおっしゃいました。「好きじゃないと続けられない」という言葉も重みがあります。
「私は数字に弱いので、大事な部分はプロに頼もうと税理士さんにお願いしています。あっちこっちのお店を見ている税理士さんへ支払うお金は、優秀な人を雇ったと思えば決して高いものではないと思います。プロの力を借りるのもひとつの手だと思います」
「最後に何が一番大切かと考えた時にお金も物件も大切ですが『人とのご縁』が一番大切だとこの2年半カフェをやってきて思いました」と辻内さんはおっしゃいました。
『飽きられることのないよう変化をつけることに妥協しない』
『続けられる体力・精神力・家族の支えが必要』
『普段からアイデアを書き留めるネタ帳をつけて、困ったときに自分を助けてくれるものを自分で作っておく』
『人とのつながりをもって困ったときに助けてくれる人のストックを作っておく』
ご自身の体験・経験から、カフェ経営に興味がある参加者の皆さんへ熱いメッセージを届けていただきました。
続いて第2部はフリートーク。
質問に答える形でお話していただきました。
― 休みは取れていますか?
cafe zakka gallery FLAG 辻内
「自分がいなくてもまわるようにスタッフを配置しているので、休みは取れるようにしています。普段は情報収集や、スタッフが手が回らない掃除などを手伝ったりしています」
cafe Camyu 折小野
「火曜と日曜はお店の休みにしているんですが、日曜はヨガをしたりしていますので実際の休みは週に1度くらいです」
cafe・hinode 田中
「定休日は毎週日曜なのですが、第二日曜日は五六市にも出させていただいたりもしています。休みの日も仕入れに家族付き合ってもらったり…自分たちの休みも取りたいんですが、なかなか難しいです」
「チラシは自分のお店と、他のお店にちょっと置いてもらったりしているくらいで…。SNSを入れることも最初はホンマに嫌で、1週間に1回入れるだけで『ドヤ!』って思っていたくらいだったんですが、最近はもう少し増やすようにしています。HPもあるんですが、今はとりあえずFacebook、口コミです」
cafe・hinode 田中
「オープン後から最近まで、チラシをワンシーズンに1回2500部くらいを旦那と手作りで作って、ちょっとした割引チケットをつけてポスティングしていました。
枚方ウォーカーに載せてもらったり、あまから手帖に載せてもらったりしたのは大きかったと思います」
cafe zakka gallery FLAG 辻内
「オープンしてもお客さんも全然来なくて、その時に何も宣伝してないことに気づいてスタッフ全員で固まりました(笑)。
今はInstagramですが、オープン当初に一番お客さん来てくれたのがポスティングでした。はじめて行くお店は敷居が高いので、お店の写真もHPやInstagramなどにしっかり載せるようにしています」
― SNSが発展して誰もが情報の発信者となってきていますが、情報の発信者でもあるお客さんに対する接し方はどうされていますか?
cafe zakka gallery FLAG 辻内
「だいたい業界関係者の方はわかるようになるんです(笑)。もちろんそうわかると気をつけるんですが、普通にいらっしゃったお客様も、口コミで良いも悪いも広めてくださるんで…手厚く常に笑顔で接するように心がけています」
cafe Camyu 折小野
「うちのお店はお話を楽しみにして来てくださる方も多いんで、家に帰ってくるような感覚で接しています。はじめての方も最後にはお声がけするようにしています。取材が来るときも普段のままで出るようにしているので、家族にはもう少し着飾って欲しいと言われるんですが(笑)」
cafe・hinode 田中
「先ほどもおっしゃったんですが、SNSツールをFacebookからInstagramへ移行されている方も増えてきていると思うんです。ですので、お客様が思わず写真を撮ってInstagramなどに載せたくなるように、マリメッコの好きなマグカップも選んでもらえるようにしたり、一ヶ月に一回大きなパネルも代えています。
接客もすごく好きで、人としゃべることが好きなんですが、お話したいお客様とそうでないお客様がいらっしゃると思うので、ご来店されてイヤな気持ちにさせないようには心がけています」
― 開業資金はどれくらいかかったんでしょうか?
cafe zakka gallery FLAG 辻内
「業者さん入れたら1,000万円かかると言われて『出せません!』となり貯金の300万円で借りずにやろうということで…何でも自分たちでやりました。お金を借りずに運営していくと決めていたので、その月の売上が翌月の回転資金…という風にやっていました」
cafe Camyu 折小野
「金額はお答えできないんですが、本屋さんで売っているカフェ開業のハウツー本などには、だいたい『1,000万円くらいかかる』と書かれています。ですが、頑張れば半値以下ではできると思います。自分たちで出来るところはやって抑える努力をしました」
cafe・hinode 田中
「うちは貯めた分と同じくらいの金額を日本政策金融公庫で借りました。居抜き物件だったんですが厨房は触らず内装工事を150万円くらいで考えていたんですが、良心的な業者さんで、さらに抑えてくださって助かりました。
運転資金は100万円ないかな…という感じでした。先ほども1,000万円という数字が出てきましたが、それだけあると何年か先までのことを考えるといいと思います。
私の場合は借りて返していくのもいいと思っています。キチンと返済することで信頼も得られ、次に借りる時の関係性もできるので」
― 枚方でカフェをするメリット・デメリットは?
cafe zakka gallery FLAG 辻内
「実家があり、サポートしてくれる両親が居たので枚方でオープンしました。家を構えてしまっていたのもありますし、仕事は毎日のことなので家から通える距離で考えました。あとは家賃は市内に比べると安いと思います」
cafe Camyu 折小野
「出身が阪神間なので枚方の地理はわからなかったんですが、枚方に住んでみて、人の温かさやごちゃごちゃ感が好きになって。自宅でやれれば一番良かったんですが、そういうわけにはいかず通える範囲で物件を探し、牧野でオープンすることになりました。
というわけで、メリットは『人が温かい、町がごちゃごちゃしていないところ』、デメリットは『店舗を構えた牧野に一人も知っている人がいなかった。』です。」
「メリットは枚方に住んでいて徒歩で通えるのと、姑さんも枚方に住んでいるので宣伝がしやすいことです。
はじめは京都で開業したいと思っていたんで、物件も京都で探していたんです。もちろん京都に比べると枚方のお客さんの全体数は少ないと思います。
なので『こだわり』や『売り』がないと難しい場所だと思います。
枚方の人は『京都のいいところ』も『大阪のいいところ』も両方知っているので、『ここで出来るんやったらどこでも出来る!』というのが旦那の考え方なんです。
あと枚方のお客さんは、ストレートに親目線でお客さんがお店の改善点を指摘してくださる所も、すごくいいと思います」
― 将来カフェをやってみたいが個人店で働かせてもらうのがいいのか、大手のカフェで働かせてもらうのがいいのか?資金を貯めたり、社会保障の面も含めて迷っています。
cafe zakka gallery FLAG 辻内
「私は個人店で人気のお店を回って『将来カフェを開きたいんで勉強させてください』とお願いしてルポ・デ・ミディさんで働かせてもらいました。
やはり個人店さんは力になるし勉強になります。FLAGのスタッフにはスタバで働いていた子がいて、動線や衛生面やスピーディーに仕事をこなすことですごく勉強になったと言ってましたので大手は大手のいいところがあるとは思いますが、生活に余裕があればカフェと雑貨が一緒になっているお店で働かれた方がいいと思います」
cafe Camyu 折小野
「私も個人店さんの方がいいかと思います。のちの関係性もあるし一から学べるので。
大手も勉強になると思うので、どちらでも働けたらいいかもしれませんが、お客さんとの関係や料理を直に学べるのは個人店だと思います」
cafe・hinode 田中
「個人店さんで働くのはすごく勉強になるとは思うのですが、勉強になりお給料も安定して保険なども手厚いのは大手さんだと思うので、まずは大手のカフェで働いて学びながら資金を貯められるのがいいかと思います」
(アンケートより一部抜粋)
枚方市立地域活性化支援センターでは様々なイベントや講演会を開催されています。創業支援などのサポートも充実しているので、興味のある方は是非お尋ねくださいね!
最後に今回のゲストスピーカーの皆さまを改めてご紹介して記事を締めくくりたいと思います。
3名のゲスト・スピーカーの皆さま、ありがとうございました!
折小野 美奈子さん
〜くわしくはこちら〜
▶︎公式サイト
▶︎ひらつー関連記事はこちら
cafe・hinode (カフェ・ヒノデ)
cafe zakka gallery FLAG
辻内 志乃さん
〜くわしくはこちら〜
▶︎公式サイト
▶︎ひらつー関連記事はこちら