枚方市社会福祉協議会が基金の運用に失敗。9300万円の損失

LINK:福祉基金、株下落で損失9千万 大阪・枚方市社協 47NEWS

枚方市社会福祉協議会が市民や企業から集めた「社会福祉基金」(3億8000万円)の運用に失敗し、9300万円の損失を出したそうです。 株式連動型債券を購入していたが額面割れしてしまったとのこと。
ニュース記事だけじゃよくわからなかったので少し調べたにわか知識で解説します。

・社会福祉協議会って何じゃい?

社会福祉協議会とは地域の福祉サービス向上を目的に運営されている民間組織。じゃあ民間だから何やってもいいのかというとそうでもありません。社会福祉法に基づいて設立されているぐらいなのでいわゆる普通の会社とはちがいます。

公式サイトに載っている収支計算書(PDF)を見たところ、枚方市からの補助金が平成20年度で1億5600万円、市からの受託金(市から請け負う事業による収入)が2億4200万円ほどあります。 
経常収入合計7億9000万円のうち半分ぐらいが市からで、そのほかにも市民からの寄付などもありますから、かなり公的な要素の強い組織といえますね。

・株価連動債って何じゃい?

まず債権を買うってのは要はお金を貸すってことです。
お金を貸すとき、何の見返りもなく貸したらアホらしいので金利を決めます。この金利を決めるとき、銀行の預金金利よりも低かったら「銀行に預けた方がましやん!」って話になるので銀行預金より高くします。返してもらえないかもしれないというリスクはあるものの、いちおう期日に全額返してもらう約束なのでさほど高い金利は付けれません。

でももうちょっと金利を高くしたい・・・というときの選択肢の一つが株価連動債。

たとえば日経平均株価に連動させるとします。お金を貸すときに株価が15000円だったとして、10000円という基準を決めます。そしてお金を返してもらう期日に日経平均株価が10000円を割ってなかったら貸したお金はすべて返ってきて、金利も高めにもらえます。要するに普通にお金を貸すよりはもうかります。
ただ10000円を割っちゃうと、貸したお金がそのままは戻らず、損失が出ます。
上の基準価格は僕が適当に考えた額ですが、要は買うときは「よっぽどのことがないと1万円以下にはならんだろー」と思って株価連動債を買うわけです。

でも今回は「よっぽどのこと」=リーマン・ショックが起こっちゃいました。

というわけで、枚方市社会福祉協議会は大損しちゃいまいた。という話のようです。

担当者は安全な運用をしたつもりだったと語ってるそうですし、たしかに100年に1度あるかないかと言われるような暴落を予見しろというのも無理な話です。
ただ基金の性格(社協自身も「浄財」と表現してる)から考えると、やはり元本割れリスクのある金融商品は買うべきではなかったでしょうね。

担当者は減給処分とのこと。

今回の件があって、今後は元本保証のものしか買えないように規定を変えたそうです。

■関連リンク
株価連動債 weblio
枚方市社会福祉協議会 公式サイト 

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