イベントなどに実際に行ってご紹介する【ひらつーレポ】
今回はだいぶ時間が経ちましたが、11月17日に摂南大学枚方キャンパスにて開催された「子ども大学探検隊〜キミはいくつ知ってる?植物の不思議〜」に、僕すどんとお枚の方で参加してきましたので、その様子をお届けします!
の6つに加え、ついでに植物園の中の薬草の話も聞いちゃったりしたのが、今回の記事です。
今回のイベントで色々と教えてくださったのは摂南大学の伊藤優特任助教↓
(ミャンマーで水草ハンティングしている時の伊藤特任助教)
ここの薬用植物園を管理している方で、当たり前なんですが薬草にめっちゃ詳しく、話が面白い先生です。
それでは上から順に紹介していきます。
子ども大学探検隊ということで、一般の子ども達と一緒にイベントを楽しむかたち。
コレは「葉書の木(→Wikipedia)」と呼ばれるタラヨウの葉に爪楊枝で文字を書いているところ。
葉書の木は別名『郵便局の木』とも呼ばれていて、郵便局のそばに植えられていることも多いんだとか。そんなわけでコレは葉っぱに住所を書いています。
仕組みは葉に含まれるタンニンという成分が黒く変色するため、葉に字がかけるんですが、身近なモノでいうとバナナの黒ずみとかもタンニンなんだそうです。
郵便局によってはこれに切手を貼れば実際に郵送してもらえるところもあるんだそう。(→解説してるサイト)
文字が書ける葉っぱ。紙のない時代は重用していたんじゃないでしょうか。
こちらは温州みかん。これも薬草ということで育てられていて、看板には「芳香健胃 / 鎮咳 / 去痰」と記載されていました。
今回のイベントではミカンのヘタのところのシワ的な部分を数え、その後ミカンの皮を剥くと、実の数とシワの数が一緒という紹介が。
つまりはミカンを剥かなくても実の数を当てられるということだそうです。
どういう原理かと言いますと、ニュートンのFacebookページに答えがありました↓
維管束だそう。確かにそろそろコタツミカンな季節ですし、正月に実家で驚かせてみては。
こちらの青いハーブティー。青いというのも珍しいですが、レモン汁を入れると……
このように鮮やかな赤紫色に変化。
これはなぜ色が変わるかというと、ハーブティーの青さの元になっているアントシアニン(ブルーベリーアイとかでおなじみのやつ)はpHによって色が変わる性質があるため、酸性のレモン汁を入れることによりpHが変化し色が変わるという理由です。ペーハーって懐かしい。
ここで冒頭の写真に戻るんですが、伊藤先生が指しているヒマワリの螺旋の部分。
ここはフィボナッチ数列(→Wikipedia)に基づいて分布しているそうです。(たしか55)
フィボナッチ数列はめっちゃ簡単に言いますと、「0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144……」がフィボナッチ数で、隣り合う数字を足すとその右となりの数字になる、みたいな感じです。2+3は5、55+89は144、みたいな。黄金比。
どの葉も太陽に当たるようにいろんな角度に葉が出ていて、それが1周するのがこれまたフィボナッチ数列である13あたりで、植物にはいろんなところにフィボナッチ数列が隠されているという、大人的にはめっちゃ面白い数学の話でしたが、子どもたちにはあんまりウケてなかったです(笑)
参加者にこのミラクルフルーツというモノが配られまして、しばらく舐めておくように指示が。
酸っぱいはずのレモンが甘い!!
という現象が起こりました。
コレはミラクルフルーツに含まれるミラクリンという成分(→Wikipedia)が舌の甘味受容体と結合し、酸味を甘味と感じるようになるからだそうです。おもしろ体験。
チョコがなぜか甘くない!
自分の舌が信じられなくなるこの体験。
子どもの頃に体験できるなんて、ちょっと子ども達が羨ましい気持ちになりました。
ムクロジという木の木の実を使ってシャボン玉を作ろうという企画。
ここはあんまり写真を撮っていなくて申し訳ないんですが、ムクロジに含まれるサポニン(→Wikipedia)が界面活性剤となって泡立つんだそう。
実際にムクロジは昔、洗剤として使用されていたそうです。
サポニンには他にもお茶にも含まれていまして、お茶を振ると泡立つのはサポニンのため。
また1つ豆知識が増えました!
イベントは以上になりまして、最後にはお土産として
摂南大学で育てられたドクダミ茶とローリエ、唐辛子に加えてアップルミントの苗をいただきました。
お枚の方の感想↓
子ども達にとってもめっちゃおもしろ体験になったと思いますので、来年もやる場合はぜひ!
摂南大学の薬用植物園にはビニール温室などいろいろとありまして、伊藤先生に特別に解説してもらえるとのことで、植物好きとしてお話を伺ってまいりました!
そんなわけでここからは植物好き向け、薬草についてのお話です!
まずはこちら、イランイランの木。
花が咲くと香りがすごい出るらしく、香水のシャネルの5番(→Wikipedia)にも使用されていると言われています。
バニラアイスクリームなどでおなじみのバニラ。
バニラビーンズやバニラエッセンスの元となる植物です。
バニラは蘭の仲間で、虫と共進化という仕組み(→Wikipedia)で育ち、虫を利用して花を咲かすそうなんですが、原産地にいる虫が日本にはいません。
ですので日本では爪楊枝なり使って花粉をつけないと実がならないんだとか。
実がなった後も、香りを出すには発酵させるなりしないといけないので、バニラを利用するのは大変なんだそうです。
こちらのスイートハーブメキシカンは葉をちぎって食べさせてもらったんですが、ハーブテイストかつ甘みがありました。マテ茶における甘味料などに使われるそうです。
全景が写っていないダメな写真で申し訳ないんですがアカキナノキ。
伊藤先生いわく有名な木で、キニーネという成分(→Wikipedia)が入っています。
キニーネが何に効くかといいますと、マラリアの特効薬になるそうで、昔はかけがえのない薬だったんだとか。
アラビアゴムノキは懐かしいアラビア糊(→画像検索)からの語源とも言われている木で、分泌物はアイスクリームなんかにも食品添加物として入っているそうです。
化粧品の乳化剤なんかにも使われているそうなので、知らぬ間にお世話になっている可能性が高そう。
こちらはゴレンシ。
断面が星型になっているためスターフルーツとも呼ばれています。
お枚の方がオクラみたいな?と聞くとオクラよりもう少し尖っているんだそう。(→画像検索するとぼしひこくんっぽい丸みのある星型フォルムでした)
スターフルーツはカタバミ科の植物。
カタバミ科はほぼ草ですが、その中でもスターフルーツは木になるということで、植物好きがよく驚かれるんだそうです。
タマリンドはあのウスターソースにも使われている果実を実らせる木で、果実は酸味が特徴的。(→Wikipedia)
マツリカはジャスミンティーなどにお馴染みの植物。目の病気にもいいそうです。(→Wikipedia)
こちらはシナジンコウ。ジンコウという木は香りを出すことで有名な木で、傷をつけると樹脂的なモノが香りを発するんだそうです。鎮静薬なんかにも使われているそう。
こちらはニクズクという木。奥に写り込んでいる木はバナナの木です。
植物にくくりつけられたQRコードを読み取ってみると……
こんな感じの実がなり、中には発色のいい種が入っていることがわかりました。
ニクズクの別名はナツメグ。香辛料としてハンバーグなんかにもよく使われている実です。赤いところはメースというそうです。(→Wikipedia)
ナツメグは食べ過ぎたら中毒になるので注意。(→ナツメグ中毒で話題になってたブログ記事)
ヤエヤマアオキは今ブームがきていると伊藤先生。
理由を聞いてみると「ノニ」というスーパーフルーツとして人気なんだそうです。(→Wikipedia)
ノニジュースについては僕以外みんな知っていたので、メジャーなんじゃないでしょうか。
「毒と薬は表裏一体」と伊藤先生が語るこちらの植物はマチン。(→Wikipedia)
ストリキニーネという成分があるそうで、量によっては薬にも毒にもなりうるそう。
八つ墓村の毒もこれを原料にした硝酸ストリキニーネなんだとか。
あと前述のQRコードが写真に写り込んでいますが、植物にはほとんどQRコードがついていて、その植物についていろいろとわかる仕組みになっています。初心者にも優しい仕様。
外にもいろいろとありまして、こちらはサフラン。
サフランライスでもお馴染みの植物です。(→Wikipedia)
赤色のめしべを乾燥させたものが香辛料として使われます。見た目は赤色ですが出る色は黄色なんですね。
1つの花から少ししか取れないので高級品だそうです。
以上です!
薬草やらいろんな植物に詳しくなれるこちらの植物園。
育てている植物については摂南大学のこちらのページに詳細が載っていまして、そちらにも面白い情報がたくさん。
摂南大学植物園は毎年春と秋に見学会を行なっているそうですし、興味がわいたという方はぜひ。
今回の記事では紹介しきれなかった、いろんな薬草がありますよー!
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