枚方市役所 × 枚方つーしんで、枚方市内の知られざる文化財の魅力をお届けするコラボ企画の第4弾…まず最初に登場していただくのはこの方!
よっ、デンチュウ!鋳物師の「田中」だ!俺の家は、枚方の地で江戸時代から代々伝統的な鋳物(いもの)をつくってきたんやで!
に、人形が喋った!!…いや、そんなわけない。疲れてるんやわ。
疲れてるんやったら、たまには休みや。
デンチュウ、このお方はな…枚方の地で大昔から鋳物づくりという伝統的な産業で活躍された家のとっても偉〜いお方なんやで!
いやいや、川嶋さんそれは褒めすぎやで!大昔いうても、1300年くらい前のことやし。まあ、鋳物っていうのは…
さっすが、田中さん!いいかデンチュウ。今から田中さんの凄さを例をあげて説明するから、よ〜く聞くんやで。
例えば、ひらつー事務所の近くに昔から立っているこの大きなムクノキ。これも…
俺の家のシンボルじゃ。600年前から立っとる。
ええ!?
田中さんの凄さはこんなもんちゃうで!渚元町にあるこの梵鐘(ぼんしょう)も…
つくったで。220年くらい前のもんやな。
どうや、デンチュウ。ちょっとは枚方の鋳物師魂、感じてきたんとちゃうか?
ポクポクポク…チーンッ!
その通りや。じゃあ、さっそく行くで!
京阪枚方公園駅〜JR藤阪駅間の
① 枚方田中邸のむく(大阪府指定天然記念物)
② 旧田中家鋳物民俗資料館 〜主屋編〜
③ 旧田中家鋳物民俗資料館 〜鋳物工場編〜
④ 渚の院跡
今回は前編で、枚方田中邸のむくと旧田中家鋳物民俗資料館〜主屋編〜をご紹介します。
それでは、まずはじめに今回の登場人物をご紹介します!
市役所コラボ文化財企画のレギュラー!話し上手で盛り上げ上手。
枚方つーしん デンチュウ@ひらつー
枚方つーしんのライター。名字が田中(音読み:デンチュウ)という理由で今回の街ブラメンバーに選ばれた。
最初の田中家ポイントは、枚方上之町の坂に立つ樹齢600年のムクノキ!まずはそこから行くで!
600年前って日本はまだ室町時代じゃないですか!
一休さんとかの時代やな〜。歴史を感じるわ。
しばらく歩いていると枚方カトリック教会の前に案内板を発見。
矢印の方向に進むと…
あ!もしかして、あれですか!
昔は、この木のそばに田中家のお家と工場が立っていた。…ですよね、田中さん!
おうよ、川嶋さん!鋳物師とムクノキは深〜い絆で結ばれてるってもんよ!
むくの木の葉っぱはザラザラしているから、その葉を使って鋳物を磨いたと言われているんですよね!
「鋳物師あるところにムクノキあり」ってな!ハッハッハッハッ!あいつの磨き心地ときたら、最高よ!
「鋳物師あるところにムクノキあり」
ただ、さすがの鋳物師田中家も1300年の歴史に幕を閉じちまったのよ。
じゃあ、田中さんのお家も工場もなくなっちゃったのか…
あるで!
え?
俺が枚方市に寄付した。
え!そうなんですか!?
江戸時代の鋳物工場は、もう日本には俺のとこ以外残ってへん言うさかい。
田中さんからいただいた貴重な文化財は…
藤阪にあるって聞いたけど?
は、はい!王仁公園の近くに「旧田中家鋳物民俗資料館」として活用しております!
川嶋さん…1300年続いた田中家の鋳物づくりの灯火を守ってくれよ!
ハッ!枚方市にお任せを!
川嶋さん、さっそく「旧田中家鋳物民俗資料館」に行きましょう!!
…鋳物の歴史、その目に灼きつけな!それじゃあおいらはこの辺で!あばよ!
所在地:枚方市枚方上之町123-4
アクセス:京阪電車・枚方市駅から南西に約600m、徒歩15分。
指定:大阪府指定天然記念物(昭和45年2月20日指定)
地図ではここ↓
枚方公園にある天然酵母のパン屋さんで作戦会議。
「旧田中家鋳物民俗資料館」へ向かう途中…
お腹すいたし、ちょっと寄り道しようや。
腹が減っては戦はできぬって言いますしね〜!
よし、ここにしよ!
やってきたのは、鍵屋別館の中にある天然酵母と国産小麦を使ったパンとランチが楽しめる「ひねもすぱん」(→メニューはこちら)
・たまごサンド たまごなし(サラダ・スープ付き)800円税別
え?たまごサンドやのにたまごなしってどういうこと!!
ここのメニューは、卵・乳製品・動物性食品不使用なんです。
流行りのベジメニューか!でもしっかりたまごの味するから不思議やわ。
よし!お腹も満たされたし、藤阪に向かうで!
はい!
着きましたね!
ここが藤阪天神町にある枚方市立旧田中家鋳物民俗資料館や!
ここは昭和59年に、田中家から枚方市に寄贈された国内でただ一つ、江戸時代の姿のまま残された鋳物工場なんです。長く続いた田中家の歴史を紡ぐように、現在は日本の鋳物技術と枚方の昔の暮らしが展示する資料館として生まれ変わりました。(※入館料無料)
ん!?あなたは??
あ、すみません(笑)旧田中家鋳物民俗資料館の学芸員をやっている武知です。
学芸員さん!よろしくお願いします!
それじゃあ、資料館について説明しますね。資料館の展示構成は大きく分けて3つあって、まず、竪穴住居へ行きましょうか。
② 旧田中家住宅 主屋(府指定有形文化財)
③ 旧田中家住宅 鋳物工場(府指定有形文化財)
※前編では竪穴住居と主屋を紹介します。
こちらが、枚方の田口山遺跡で発掘された弥生時代中期の竪穴住居跡をモデルに復元したものです。
おっきいですね!!
茅葺屋根は直径8.5m、高さ5mですからね!ぜひ中へ入ってみてください!(→詳しい説明はこちら)
おじゃまします!
結構暗いですね!…あ、目が慣れてきました!
竪穴住居の特徴は、地面を数十センチ掘り下げ、床部分を地表より低くしている半地下構造です。
デンチュウ、竪穴住居ってなんで掘り下げてるか知ってる?
ん〜、なんでですか?
この建物って屋根しかないやろ。そうすると家の中の端が狭くなるから、壁をつくる代わりに穴を掘ったんや。屋根を持ち上げる柱やな。こうすることで、家の内部空間が広くなると言われてるねん。
よし、この場所をズバリ一言で表したろ!
さすが川嶋さん、頼もしい!
ズバリココは…「わらでできた昔の家」や!( …ふぅ、今回はキマったで)
えー!そのまんまじゃないですか(笑)よし、ここは資料館のプロに任せましょう。
う〜ん川嶋さん、惜しいです!これはわらではなく「かや(ちがや・すすき)」でできているんですよ。一昨年に葺きなおしてピカピカになりました。
ズバリ…「かや葺きの美しすぎる竪穴住居」でどうでしょう!
さ、さすが学芸員さん!わかりやすい…。(次は負けへんで!)
次は、旧田中家住宅の主屋!鋳物師の田中家が生活を営んでいた住宅を移築して、昔の枚方市内で使われていた農業や民具など伝統的な民俗資料が多数展示されてるで!
おじゃましまーす!
まるで映画「ALWAYS3丁目の夕日」みたいな、レトロでどこか懐かしい雰囲気ですね!
なんか、映画のセットみたいやな。デンチュウ、これ体験してみ!
なんですかこれ?
これは「枚方のわたづくり」の工程のひとつに使う、実くり(さねくり)という道具ですね。中河内・南河内は有名なわたの産地でしたが、枚方市内でも多くの家庭で、わたを糸にして、ハタで織って家族が着る着物を作っていたそうです。
わたで糸を作って着物に!?
綺麗にわたと種が分かれてる!
そして、手でわたをつまみながら少しずつ縒りをかけると…
少しずつ糸ができてる!
3kgの綿を糸にして、やっと1着着物が出来上がるんですよ。距離で表すと、10kmは超えるそう。
え!枚方の端から端までの距離の糸が必要なんて途方にくれてしまいそうです(笑)
う〜ん、昔の人はすごいわ…
次はいよいよ、鋳物工場をご案内します!さあ、行きましょう!
はい!!
住所:枚方市藤阪天神町5番1号
アクセス:
JR学研都市線「藤阪」下車、徒歩7分
京阪電車枚方市駅南口ターミナル1番乗場から、京阪バス「長尾駅」行き乗車、「藤阪」下車、徒歩5分
開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分)
地図ではここ↓
旧田中家住宅の主屋にて、枚方の昔の暮らしを学んだデンチュウ@ひらつー。前編では、枚方田中邸のむくと旧田中家鋳物民俗資料館〜主屋編〜をご紹介しました。
後編では、旧田中家鋳物民俗資料館 〜鋳物工場編〜と渚の院跡をお届けします!
次回、日本でただ一つ江戸時代の姿のまま残された鋳物工場が登場!
お楽しみに!