ぶっちゃけ、マンション一択！？注文住宅専門工務店が『注文住宅推し』をグッと堪えてお届けする「家づくり迷辞典」ー Vol.2【ひらつー不動産】

家づくりの迷える子羊さんたちが知っておいて損はないキーワード（用語）をセレクトして解説する『家づくり迷辞典（めいじてん）』

2回目となる今回は、見晴らしが良かったりぃー、便利だったりぃー、コンシェルジュがいるところもあったりぃーの魅惑的なアレです。

◆メンバー紹介◆

新人スタッフ H
縁 創建工房に入社したての新人スタッフ。
近々結婚を控えており、家づくりに興味津々。
でも、不動産や家づくりの知識はゼロなので、ぶっちゃけ発言が多い。
この「家づくり迷辞典」を活用して、しっかり学ぶつもり。

縁 創建工房 代表取締役
松藤さん
大工としてたくさんの現場に携わった知識とノウハウを礎に『縁 創建工房』を設立。
これまで手掛けた注文住宅数は100 軒超。
自然素材の家づくりが評判を呼び、住宅専門雑誌でも多数紹介されている。

スタッフ 榊田さん
（さかきださん）
いつも元気が空回りしている、ちょっとおっちょこちょいな入社3年目の中堅スタッフ。
大学では、日本語を学んでいたが、心機一転住宅業界に。
『家づくり寺子屋』の講師も担当。
特技は食べることと寝ること。

「この間、友だちのマンションに遊びに行ってきたんですけど。
マンション暮らし、いいですねっ！
ラグジュアリーなエントランス、フロントにはコンシェルジュなんかもいて、ゴージャスな暮らしができそう…（うっとり）」

ラグジュアリーなエントランス！

「へえ！お友だち、いいマンションに住んでるねぇ。
確かに、マンションって戸建てに代えがたい魅力があるよね〜。
物件によるけど、駅近で便利！
オートロックで安心！24時間ゴミ出しOK！羨ましい〜♪」

防犯の代名詞、オートローック！

（あれ…珍しく榊田さんが私の意見にノッてきたな…）
「そうなんですよ！だって、戸建ての駅近物件なんてないに等しいじゃないですかっっ。
夫婦二人で働くなら、交通至便な場所のほうが絶対いい！ってなったら、マンションしかもうないんじゃないかと」

「正解！そのとおり！
立地条件だけを考えたら、もうマンション一択！」

「え…社長まで！？いやいや、ここはなんかないんですか？
話おわっちゃうじゃないですか（汗）」

「だって、マンションじゃなきゃだめな人っているねん。
だから、否定はしない！（きっぱり）」

「そ、そんな…日頃『注文住宅がええ！』って言いまくってる社長が、マンションバンザイって…」

「だって『仕事の都合で駅チカじゃないとダメ』が第一条件ならマンションしかない！
また予算が限られている人は、マンションなら手が届く価格帯を選べるし。
無理しないことも幸せな家づくりに必要なことだよ」

「そうですよね。その他、マンションは将来売れるから投資にも向いてるよ」

「あ、そういえば私の友だちは一人っ子なんで、将来は実家に住むことを前提に買ったって！
将来売ったお金でリフォームや建て替えできますね！」

「最近ではその逆もあって、ご年配の方が2階建ての一戸建て暮らしからバリアフリーの暮らしを求めて、一戸建てを売って駅近マンションを買うっていうのも増えてる。
スーパーとかも近くにある事が多いから、便利だし。

さらに、マンションはRC（鉄筋コンクリート）構造やS造（鉄骨）がほとんどだから、戸建てより圧倒的に頑丈。

新築マンションなら、耐震性能はバッチリだと思うよ」

「新築マンションっていうワードで気がついたんですけど、最近では中古マンションも人気ですよね？
中古マンションについてはどうですか？」

「築20〜30年なら耐震性能も大丈夫な物件が多いんじゃないかな。
また、中古マンションならお買い得な価格で手に入るし、リノベーションすれば、自分好みに変えられるから、新築マンションとは違った楽しさがあるよね！」

リノベーションならデザイナーズマンションみたいにもできちゃう！

「そうそう。中古マンションならではの良さがある。
新築にこだわることなく、条件があえば中古マンションを視野にいれるのは賢い選択だと思うよ」

「なるほど！私のような個性派には、中古マンションでリノベってアリですねー。
思い通りにできるなんて理想的！妄想膨らむわ〜」

「その妄想、思い通り…にいけばいいねぇ。
でも、諦めなきゃならないことも、あるんだよねぇ…」

（キ、キター！）
「な、何を諦めなきゃならないんでしょうか…」

「まず、水回りの位置はほぼ変えられない。
例えば、壁付きキッチンを部屋のど真ん中に配置したアイランドキッチンにしたい！とか、バスルームの位置をまったく違う場所に移動させたい！とか」

「うっ…水回りにはこだわりたい…
どうしても無理なんですか？」

「技術的には、無理じゃないこともあるけど、配管とかいろいろ変えないといけないから、まぁまぁのお値段になることをお覚悟ください」

「まぁまぁのお値段…
それは、新築マンションを買うのと変わらないくらいになっちゃうってことですかね…」

「また、これは中古に関係なくマンション全体に言えることだけど、どうしても天井高が低くなってしまうから、スカッとした開放的な空間での暮らしというイメージは捨てたほうがいいかも。
そして、やっぱり狭いから、間取り的にも3LDKが限度かな。
よくあるパターンが、子どもが中学生になる頃には、自分の部屋を欲しがって、夫婦の部屋がなくなるという…」

「でもマンションもいいところがあって密閉性がいいから、隙間風が入るような古い一戸建てやハイツより温かい。空調もよく効くしね。
ただし、その分結露しやすいことは覚悟したほうがいい」

「え！結露出るんですか！？築50年の実家では、結露が出まくりでカーテンがカビだらけになってるんですけど！あのカビルンルンとの戦いを永遠にしろと…」

「こればっかりは、利便性の代償として諦めよう。
そして最後に、いちばん大切なことを教えよう。マンションには、共有部分の補修などに充てるための費用がかかる」

「共益費でしょ?
賃貸でも払ってるから、私もそれくらい知ってますよー」

「新築マンションの共益費の平均相場は、2万円。1年間で24万円。
それを、ローン期間の35年間払い続けるとしたら、さて、いくらになるでしょう？」

「ハッ…840万円！」

「正解っ！しかも、ローンを払い終えても住み続ける限りずっと払い続ける！
広い意味ではマンションの資産価値を維持するものだけど、自分の部屋には使われないのに、払い続ける！」

「た…高い…」

「共益費のこと、みんな結構忘れがちなんだよね。
ところでさ、Hちゃんて車大好きだよね？」

「はい！彼も車好きだから2台持ちの予定です！」

「えーっと、駅近マンションの駐車場代っていくらか知ってる？
あと、立体駐車場は出てくるまで時間かかるから雨の日は辛いらしいよー」

「チーン」
（肝心なこと忘れてた…）

「車2台分の車検とかの維持費、駐車場代を35年間払うとして…（計算中） 
う〜ん。まずは車を売却やな！
車は、使いたいときにカーシェアにしよ。
で、売却費と浮いた経費分でコンシュルジュ付き、マシンジム付きの駅近マンションに住んで、子どもは一人にして、二人でバリバリ働いて、老後までのんびり住むか、飽きても資産価値あるから売却できる！」

「いや…そこは、“やっぱり注文住宅がいいね！” じゃないんすか…」

つづく