3月24日に枚方家具団地に「家具町工房(かぐまちこうぼう)」という工房がオープンします。
それがただの工房じゃなくて、いい家具と永くつきあう取り組みの一環だとのこと。そら一体どういうこっちゃということで今日(3月13日)行われた内覧会に参加してきました。詳しくレポートしちゃいます!
国道1号線の家具団地交差点から家具団地をまっすぐ進んで枚方信用金庫をこえたぐらいのところにあります(→Googleマップ)。
入り口にはデッキが作られています。どうでもいいですがチャリンコで来たのはカズマ@ひらつーだけでした(写真左)。
おおっ、なんかスゴそうな機械が色々ある!と思いつつ説明が始まったので席につきます。
ここから記事が長くなって何の説明をしてるかわからなくなるかもしれませんが、要は「家具をゴミにせず100年以上のスパンで永く使っていく」ための取り組みだと思って見てください。
家具町工房は家具団地で「ハーモニックハウス」を運営する「トキハ産業株式会社」が始めました。そのトキハ産業株式会社の藤川社長が「House of Tree」という理念を説明します。
100年かかって大きくなった木は、その育った以上の年数使用できるのだそうです。
例えば奈良の法隆寺に使われてる木材を調べてみると樹齢600数十年のものだそうなんですが、建物は約1400年と倍以上もっています。それと同じようにちゃんと作られたいい家具は永く持ちます。
そのようなせっかく長寿命で生まれた家具がゴミにならないようにしたいという思いから、家具を人から人へと受け継いで永く使えるような仕組みを作ろうということで「House of Tree」という仕組みを考えたのだとか。あるユーザーがもう使わなくなった「House of Tree」認定の家具を「House of Tree」認定店が引き取り点検補修し再販売、それを繰り返していきます。イメージは上の写真を見てください。
そしてこの事業を「ハウスオブツリー協会」として法人化して、トキハ産業という一企業のものではなく中立的なブランドとするそうです。
House of Treeの家具にはシリアル番号をふった銘板がつけられ、修理などの履歴がカルテで管理されます。
最初から修理・再生することを前提として製造され、自分が使わなくなっても引き取ってもらってまた誰かが永く使える家具。販売店が間に入ることで、「親から子へ、子から孫へ」というルートだけではなく、「どこかの誰か」がまた永く使ってくれるかもしれないというところがまたいいですね。
そしてこの「House of Tree」事業の「工房」の部分を担うのが今回の「家具町工房」。長いスパンでこの事業を続けていくには職人による技術の継承も必要なので、職人を養成するという役割もあります。
家具町工房の取りまとめ役を担うのがこの方。
↓
賀來寿史(かく ひさし)さん。
家具町工房に先立って家具団地に『家具町LAB.(かぐまちラボ)』という家具ギャラリーができたんですが、その縁でこの家具町工房にもかかわることになったのだとか。
現代の家具工場ではかなりの部分が自動で物ができあがってくるものが多いそうなんですが、この工房にある機械はあくまで手作業の延長としての機械。そのほうが「ここをこうしたい」という細かい創意にそった多様な加工ができるのだそうです。
続きましてこれは自動カンナ「板」。手前に木材を置いて押しだすと奥に流れていきます。
軸傾斜といってノコギリを傾けていろんな角度がつけられるんだそうです。
それがこんな感じでつるつるになりました。このようにして「木づくり」をして、ここから家具を作っていくそうです。
子供の頃から大人になっても使えるように作業スペースの拡張なども考慮されたデスク。
すでにいろんな種類の家具があります。現在のところ「House of Tree」認定店は家具団地の「ハーモニックハウス」と「シャルドネ大阪枚方店」。
なんとこの曲がった木材は某ウイスキーメーカーで酒樽として5、60年使われていたものだそうです。それに熱を加えて再加工したものが下。こんなに綺麗にまっすぐになるもんなんですね!木材を置いてるダイニングテーブルはこれを使って作られたもの。
オープン日の3月24日には「木の一輪挿し」手作り無料体験教室が開催されるそうです。
記事作成時点では家具町工房公式サイト(http://kagumachikoubou.jp)はまだ見れなかったので、問い合わせは電話(072-864-2372)がいいかと思います。
家具団地という名前を知ってる人は多くても実際に職人さんと会ったりしたことある人は少ないと思います。家具自体はそんなに頻繁に買うもんじゃないですが、上記のような木工教室に参加してみたり、フラッと立ち寄ったりして家具や木の話を聞いてみてもいいんじゃないでしょうか。