枚方市駅南口の一角に、よく見かける気になるおっちゃんがいます。
赤い帽子が目印。
こちらビッグイシュー販売者の山本新一さん。(通称やましんさん)
見かけたことある!っていう人もいらっしゃるんじゃないでしょうか?
皆さんと同じく、私カトゥー@ひらつーもそう思っていた所にビッグイシュー日本から取材のオファーがきました!せっかくなので、色々と聞いてきました。
その前にビッグイシューってご存知ですか?
聞いたことはあるけど…よく知らないという方、結構多いんじゃないでしょうか。
雑誌販売者は、現在ホームレスか、あるいは自分の住まいを持たない人々です。 〜中略〜 最初、販売者は、この雑誌10冊を無料で受けとり、その売り上げ3500円を元手に、以後は170円で仕入れ、350円で販売し、180円を彼らの収入とします。販売者全員が行動規範に同意し、顔写真つきの販売者番号の入った身分証明証を身につけて雑誌を販売しています。
世界の問題や日本の問題…などの深いテーマから、俳優さんや時の人へのインタビュー、連載コラムやホームレス人生相談などなど、幅広いテーマを取り上げている雑誌で、350円で販売しています。
詳しい話を聞く前に、まずはやましんさん流の販売方法を聞いてみました。
カトゥー@ひらつー
今日はよろしくお願いします。
やましん
こちらこそ。
カトゥー@ひらつー
売り方のこだわりってあるんですか?
やましん
ビッグイシューの雑誌を片手に持って、もう片方の手には一緒に売ってる単行本を持ってるね。
ビッグイシューだけではなく自閉症の著者が書いた本「風になる」(税込¥1,600)や、その著者と精神科医の対談の本「社会の中で居場所をつくる」(税込¥1,600)も販売中
カトゥー@ひらつー
雑誌の他に単行本も売ってるんですか?
やましん
うん。単行本は取り分が多いから、たまに売れると嬉しいね(笑)
カトゥー@ひらつー
そうそう。
やましん
せぇへんね。
腕、疲れるし(笑)
カトゥー@ひらつー
で…ですよね(笑)
ちなみにいつもここで販売してるんですか?
やましん
基本的には毎日朝から晩までいてるよ。
カトゥー@ひらつー
なるほど。では、場所を移動して詳しく話を聞かせてもらってもいいですか?
やましん
ええよー。
続いて岡東中央公園に移動。
ここからは今回の取材依頼をいただいたビッグイシュー日本の吉田さん(写真右)、吉田さんにひらつーを紹介してくれた関西外大ボランティア同好会 ひまわりの坂井さん(写真左。ビッグイシューのインターンでもあり、宮之阪中央商店街活性化への取り組みを行っている「みやサポ」のサポーターでもあります)にも加わっていただきました。
― ビッグイシューとの出会いは?
やましん
大阪で、夜にホームレスの支援団体がご飯や衣服を配ってるんやけど、そこで並んでいたらビッグイシューのスタッフが来てビラをもらったのがキッカケやね。
― 売上って一日どれくらいなんですか?
やましん
一日、朝から晩までで15〜20冊くらいやね。(1冊の収益が180円なので一日の売上は2,700円〜3,600円)15時の時点で7〜10冊やといいペースで、多い日は一日25冊くらいかな。
ビッグイシュー 吉田
やましんさんは朝から晩までしっかり立ってはるんで、半月で200冊以上は売り上げてはります。販売者さんの売上は半月で平均170冊くらいなので。
今日はちょっと少ないですけど3冊売ってはりますよね。
― なぜ枚方市駅を選ばれたんですか?
ビッグイシュー 吉田
運よく空いていたんです。
枚方市駅は人通りも多く、屋根もあり雨の日にも立てるので、ビッグイシューにとっていい売場なんです。
京阪樟葉駅にも販売者さんがいるんですが、枚方市駅との距離なら大丈夫かなと。 販売者さんのお客さんが競合しないように、というのは考えています。
やましん
ストリートのライブとかしてはると、あんまり売れへんね。みんなそっち向いてしもて(笑)
― なるほど…(笑)
ちなみに枚方市駅はどうですか?
やましん
人もちょっとずつ増えてきてるね。駅前のビルの完成も楽しみやね。
枚方T-SITEが完成すれば枚方市駅へ来る人も増えるのでは…と期待するやましんさん。
― 枚方の人の人柄はどうでしょう?
やましん
人たちはええね。常連さんもついてきたし。
やましん
ビッグイシュー274号で取材してもらって、そこに詳しく載ってるんやけどね。
【最新号274号:今月の人】
今号の今月の人は、大阪の京阪・枚方市駅南口の販売者、山本新一さんです。できあがったばかりの赤い販売者用ベストを着て立つ山本さん。この場所で販売を始めてから約1年。
高校卒業後は大手の製造業の工場で5年ほど勤務し、その後プレス工や清掃業など、いくつかの仕事を転々としました。
てんかんの持病があって、若い頃、職場で倒れてしまったことが何度かあり、医者から処方された薬を指示どおり飲んでいても、年に2,3回は発作が起こってしまう状態だったそうです。「そうすると周りに迷惑をかけてしまうし、職場にもいづらくなって……。いつの間にか組織の中で働くという、しんどくなってしまってねえ。」と山本さん。ビッグイシューとの出合いは去年の9月。炊き出しの列に並んでいた時です。「一般的な仕事は就業規則があるけれど、ビッグイシューは始業時間も終業時間も休憩時間も自分で決められる。僕にはそういう働き方のほうががんばれる気がした。」と話します。続きはぜひ誌面でどうぞ。
今やったら私が載ったバックナンバーも2冊あるから言うてくれたら販売できるよ(笑)
― なるほど…。宣伝も上手ですね!
ビッグイシュー 吉田
バックナンバーが売り切れたら仕入れてもらえるんで、気になった方はぜひやましんさんに予約して購入してください。やましんさんの記事に直筆のサインが欲しいと言うてくれはったら、してくれますよ…ねぇ?
やましん
そうやね(笑)
SNSもはじめたしね。
ビッグイシュー 吉田
SNSはじめてたんですか!ちなみに何を書いてるんですか?
やましん
ゲームのこととか、たまに今日の売上とか、次号の予告とか。色々やね。
― じゃあネットカフェで寝泊まりするときは、ゆっくりするよりはパソコンに向かって…?
やましん
そうそうそう。色々書いとるよ(笑)
明るいやましんさんの周りは笑いが絶えません。
― 毎日ネットカフェに泊まれる訳ではないですよね?
やましん
そうやね。売れた時はネットカフェで、売れへんかったら野宿やね。
― 寒い時期は大変ですよね?
やましん
もしもの時の為にお金は置いてるよ。毎日売る目標は15〜20冊かな?
ビッグイシュー 吉田
もうちょっと多く言っておいた方が…(笑)
やましん
ほな、やっぱり25冊にしときます(笑)
まぁ、20冊でも…本が売れたら取り分多いからええけどね。
― この記事を読んでる人にひとことお願いします。
やましん
う〜ん…ひとこと?
難しいなぁ…メッセージかいな?
― はい。
やましん
せやね…なんかあるかな…
まぁとにかく買ってください、かな(笑)
ここからはサポートされているお二人にもお話を伺いました。
坂井
枚方の人に枚方でもビッグイシュー販売してるっていうのをどうやったら知ってもらえるかな?と考えた時に、そういえば枚方つーしんがあるな…と思って今回の取材依頼の話になったんです。
ビッグイシュー 吉田
ほかには坂井くんがFMひらかたに出演したときにビッグイシューのアピールをしてもらったり、ラポールひらかたの社協さんにサンプルを置かせてもらったりなどしています。
ビッグイシューとしては「販売者さんが地域の人に愛されるように進めていきたい」という思いがあって。なので、やましんさんのこのキャラクターを知ってもらえればと思っています。
坂井
そういうのを伝えられるのは「ひらつー」やと思って。(笑)
ビッグイシュー 吉田
地域が面白かったらみんな楽しいですし、市街からもたくさんの人が来ると思いますし、ホームレスの人も自立しやすい街になると考えています。
枚方はどんどんそういう街になっていくポテンシャルがあると思っています。
坂井
ひらつーならいい感じに伝えてくれるだろうなと期待して連絡させてもらった次第であります(笑)
ビッグイシュー 吉田
坂井くんハードルあげてるよ(笑)
さっき話に出たやましんさんが載ったビッグイシュー274号はちょっとマジメな部分が多かったので(→こちらから少しお読みいただけます)、ひらつーさんにはやましんさんの面白い部分を取材してもらえたらと思いました。
「こんな面白いおっちゃんが駅前に立っている」ことを知ってもらってどんどん話しかけてもらえればと思います。
「販売者さんのキャラクターをいかに伝えるか」が僕らの仕事だと思ってます。
坂井
最初はハードル高いかもしれないですけど、一度話しかけてもらったらやましんさんのキャラクターが伝わると思うんで。ぜひ一冊購入してみてもらえればと思います。
― 最後にやましんさんもひとこと!
やましん
以上です〜(笑)
やましんさんは枚方市駅南口で朝10時くらいから遅い時は夜20時くらいまでビッグイシューを販売されています。(※たまにお休みの時もあります)
現在は2/15に出たばかりの最新の281号も販売されているようなので、気になっていた方はぜひ一度声をかけてみてくださいね!
◆関連リンク
ビッグイシュー日本