枚方市立地域活性化支援センター主催、お茶しながら起業についてのリアルな話が聞ける!
第8回ひらかたビジネスカフェ
が、2018年1月21日(日)に鍵屋別館の4階のひらばで開催されました。
「『枚方』で起業・開業するってどう!?
地域性や傾向など実体験に基づいたぶっちゃけ話を聞いてみたい!」
第8回目のテーマは『枚方』で起業・開業する
(枚方つーしんが運営するコワーキングスペース「ひらば」で開催されました)
同時に「地域でビジネスが成り立つのか不安」だという方も多いのではないでしょうか。
そんな第8回目となるビジネスカフェのテーマは・・・
「『枚方』で起業するってどうってどうなん!?地域性や傾向など実体験に基づいたぶっちゃけ話を聴いてみたい!」です!
(司会はタクワン@ひらつー)
今回は、枚方で起業・開業された(予定も含む)4名のゲストをお迎えし、枚方という地域性や起業・開業の実体験をもとに詳しくお話を伺っていきます。
・松本 文克さん(まつもと社労士事務所)
・渡部 人美さん(ナチュラルスイーツ工房れんげそう )
・宮野 彩香さん (きらら創業実践塾8期生 )
・原田 一博(株式会社morondo代表取締役 )
それでは、当日の様子を抜粋してご紹介します!
松本 文克(まつもとふみかつ)さん
はじめまして、まつもと社労士事務所の松本文克と申します。
現在僕はWEBサイトを作って発信をしていますが、全国をターゲットにしているというよりは、枚方、交野などの地域に密着した活動をしています。
(まつもと社労士事務所・松本 文克さん)
はじめの頃は苦しい時期もありましたが、現在、事業の多くは営業をせずに紹介で成り立っている状況です。現在の取引先は枚方の企業がほとんど。
企業さんのお話を伺っていると「社会保険労務士さんは大阪市内に多い。近くで探したい」という声をよく耳にします。
枚方市は人口も多いですし、地元が好きという方も多いのではないでしょうか。
開業に至るまでの準備としては、枚方市が行っている「きらら創業実践塾」の第一期生になりました。
今日のゲストの1人である枚方つーしんの原田くんと出会ったのも、この創業実践塾がきっかけです。
卒業後も塾生とは繋がりがありますし、今振り返ると開業に向けての大きな一歩でしたね。
枚方市が主催する起業を目指す方を対象にした創業塾。
↓詳しくはコチラ!
(独立したい!起業したい!お店やりたい!ひらつーも卒業生の枚方市が主催する創業塾の申し込みが今年もはじまる【ひらつー広告】)
しかし、開業すると自分の努力が結果としてそのまま表れますので、やりがいがある分、下手をこいたら全部自分に返ってきます。
これは、開業して私が感じた一番大きな変化です。
(自分の仕事がそのまま成果につながる)
それから、時間の使い方は確実に変わりましたね。
予定がある時なんかは、朝早く起きてガーッと仕事してお昼ちょっと抜けて・・・また仕事をする。
会社員だったら時間に縛られてしまうところを、自分の考えで自由に時間が使えることは、独立後の変化のひとつ。
短時間でも成果を出したら返ってくるものも大きいし、長い時間かけても成果が少なければ返ってくるものも少ない。
ですから、「いかに短い時間の中で大きい成果を出せるか」、「いかに効率的に仕事ができるか」を意識して働いています。
(独立してから「子どもの学校行事に参加できるようになった」と松本さん)
社会保険労務士という仕事柄、企業の社長さんとお話をする機会が多いのですが、軌道に乗っている企業の社長さんは、やはりみなさん、自分の思いを持って楽しくお仕事をされていますね。
(社会保険労務士の立場からみた起業・開業について)
僕の仕事で言うと、社会保険料や労災保険料に雇用保険料、厚生年金や、介護保険料などだいたいお給料の15%を会社が負担するんですよ。
ですから、お給料を20万円渡してあげたいと思ったら実際会社が負担してるお金は23万円くらい。
起業・開業当初は、なかなかそういったお金は出しにくいものです。
初期費用として、他に使いたい所がいっぱいありますから、どうしても後回しにする企業さんもいらっしゃいます。
私が事務所を開業した2008年はちょうどリーマンショックで、世の中は下向き。
リストラしない代わりにお給料下げるという流れがありました。
でも今は、仕事が沢山溢れる時代です。
有効求人倍率も少なくなっていて仕事が余ってるような状態。
今の大阪府の最低賃金は909円。最低レベルがそこですから、ちょっとスキルを求める仕事の場合、最低賃金では人は集まってくれません。
企業は人材確保に苦労されています。
パートさんが勤め先で責任がある立場になっても、パートさんである場合お給料を大きく引き上げることは簡単ではないそうです。
会社によりますが、上げられたとしても950円とか1,000円。
「一生懸命働いても、そうでなくても、時給がそう変わらないなら、楽な仕事がいいな」と考える人が最近は若い方を中心に増えている印象を受けます。
雇われる側は、自分の手取りが減ったとしても、年金や健康保険に入りたいというニーズは高まっているのかもしれません。
会社を大きくしたり事業を進める上で、誰かの力を借りること・人材確保は必要不可欠です。
個人事業であっても、始めからそのあたりを経費として入れてスタートさせる方がビジネスプランとして成長もしていきますし、人材の確保もうまくいくのではと感じています。
渡部 人美(わたなべ ひとみ)さん
牧野にある洋菓子店「ナチュラルスイーツ工房れんげそう」の渡部人美です。
お店の名前を考える際に、「一度聞いたら忘れない名前」・「子どもでも覚えやすい名前」にしたいと思っていました。
れんげそうには「癒やし」という花言葉があります。私の作るケーキを食べた人が一瞬でも幸せな気分になって癒やされてほしい。
「ナチュラルスイーツ工房 れんげそう」にはそんな願いが込められています。
(ナチュラルスイーツ工房・れんげそうの外観)
季節感を大切にするために、お店で出すケーキには出来る限り、旬のフルーツを使うようにしています。これは私自身の考えでもありますが、私たち人間の体は食べたものからできているんじゃないでしょうか。
(店内のようす)
例えば、夏の火照った熱を冷ますために食べるスイカだったり・・・。
そういった考えから、お店で出すものには、できるだけ添加物を使わずに、原材料からの加工を心がけています。
(枚方T-SITEで4日間限定販売!神宮寺ぶどうと牧野のスイーツ店れんげそうのコラボスイーツ「ぶどう大福」「ぶどうロール」。実食も【ひらつー広告】)
また、お店のこだわりとして、店頭にバースデーケーキを並べていません。
お誕生日は特別な日と考えているので、その人だけのために作られたものであってほしい。
そんな思いから、完全予約制でお作りしています。
あとは、みなさん大好きないちごのショートケーキは旬の季節にしか販売していなかったり!
できるだけ季節の旬の素材を体に取り入れてほしいですね。
(特別なバースデーケーキは完全予約制。ショーケースには並ばないんだとか)
静岡県に生まれて、パティシエになろうと思ったのは中学生の時。
当時テレビで背の高さほど大きなウエディングケーキに入刀するシーンがよく放送されていて、そんな大きなウエディングケーキを作りたい!と思ったことがきっかけです。
当時放送されていた「料理天国」という番組を毎週見ていて「辻調理師専門学校に行きたい!」と両親にお願いして辻調に行かせていただきました。
そこで調理師免許を取って、豊中にある千里阪急ホテルに就職。
製菓部門でケーキを作ることになったんです。
その時のシェフが何でも挑戦させてくれる方だったので、中学生のころから念願だった「ウエディングケーキを作る」という夢は、なんと1年目にして叶ってしまいました(笑)
その後4年で、結婚や出産を機に退職。
復帰した後は、2つほどまちのケーキ屋さんを回り、ホテルグランヴィア大阪で17年間働かせていただきました。
ここは私のパティシエ人生の中で一番勉強になって一番厳しくて・・・一番泣いた場所なんですけれど、本当に充実したパティシエ生活を送らせてもらいました。
(渡部さんは、シェフから「お菓子作り以外の勉強をしなさい」と言われたそう)
グランヴィアで働く中で、私はケーキの材料そのものを徹底的に学ぶことにしました。
材料の性質を知る中で、この材料は何度で溶けて何度で固まるのか・・・パズルのように組み合わせて、味を想像し作り上げていく。
ここでの経験は自信になりましたし、今もとても感謝しています。
そんな充実していたホテル時代だったのに、なぜ辞めて起業したのか。
15年ぐらい経った頃に、先が見えてくるような、そんな気がしたんです。
定年が60歳ですから、「60になったら私はどうなってるんだろう?」って上司とか周りを見たりして。このままこの会社の中で終わってしまったら、60歳になった時に何をしたら良いのか分からなくなりそうで。
それで、ああ、辞めようと思ったのかもしれません。
「私は何もできないしな、お菓子作ることしかできないな」と悶々としていた時、先程松本さんがおっしゃっていた「きらら創業実践塾」のチラシを見つけたんです。
「開業のノウハウを教えてくれるんじゃないか」とか「枚方市が主催だから怪しくないよな」そんな思いから入塾を決意しました。
創業実践塾で過ごした1年間は、自分の目標や目的をブラッシュアップし、「自分が本当にしたいこと」を考えるきっかけになったと思います。
(起業を目指す方を対象にした創業塾。主催は枚方市)
実は、私は創業塾に行ってる間に開業したんですよ。
創業塾の方には本当にお世話になっていて、まず資金をたくさんは持っていませんでしたので、お金を借りることを手伝ってもらったり、事業計画書を書くお手伝いをしてもらったり。
創業塾に行ってなかったら今私はここにいないかもしれないなって思うぐらい。
凄く感謝しています。
(創業実践塾に通いながら開業した渡部さん)
昔は、京都と大阪の間に挟まれているなんだかパッとしない地域というイメージがあって。今でも特産物で商品を作るには難しい場所かなとは感じています。だけどお店の目玉は、何か地域に関わりのあるものにしたいと思っていました。
そんな時、開業前に出店していた「五六市」で枚方の老舗「北村みそ」さんに出会いました。
(毎月第2日曜日に開催される枚方の手作り市)
ここのお味噌が本当に美味しくて。
「このお味噌を使ってケーキを作ろう!」
そう思い立ち、現在お店で販売している「ひらかたの味噌ロール」が完成しました。
(創業明治16年から続く老舗店「北村みそ」の外観)
この出来事をきっかけに、ひらかたまちゼミや商業連盟など、少しずつ人脈が広がっていきます。
商業連盟に入り、枚方で熱意ある商品を販売するお店と出会う中で「枚方のお店の商品を使ってお菓子を作る」というアイデアが浮かんだんです。
この出来事がきっかけで、生まれた商品のひとつが今日ご用意させていただいた「ひらのは」です。
(「ナチュラルスイーツ工房れんげそう」の『ひらのは』の食べくらべ)
プレーンがれんげそうオリジナル。「北村味噌」の味噌、「薩摩の牛太」の焼肉のタレ、「くらこん」の塩昆布チーズ味、「塩熊商店」のお塩など。
「れんげそう」は駅から15分ほど離れた住宅街の中にあります。
少し不便な場所なので、「駅から遠くて行きにくい」と言われることはめゃくちゃ多いです。
なぜそんな所に物件を決めたのかと言いますと、これは完全に私の勝手な思い込みで(笑)
もう随分昔に、偶然牧野駅で降りたことがあったんです。
その時に穂谷川が流れていて「なんてきれいな川なんやろ、私ここでお店するかもしれへんわ」って直感的に思ったことを何故かずっと覚えていて。
穂谷川が好きなんです。
開業するってなった時に、もう牧野しか頭に浮かんでこなくて。
いざ独立すると経営面から見ると、やはり厳しいのは厳しいです。
職人のおごりがあって「おいしいもん作ってたらお客さん来るに決まってる」と思っていた部分がありまして、これまで大した宣伝もしていませんでした。
人脈も広がったことで、自分の幅も少し広がったような気がして、それがなんだか嬉しい。
「決断」することで、初めて世界が変わっていくのではないでしょうか。
それは私自身、実感していることでもあります。
今日は貴重な機会をいただきありがとうございました。
宮野 彩香(みやの あやか)さん
きらら創業実践塾8期生の宮野彩香と申します。
私は現在保育士として働いています。
先輩方のようにまだ起業、創業には至ってないのですが、この度クラウドファンディングに挑戦し、自分たちで企画した「OpeningNote」という商品を販売する一歩手前まで来ています。
(きらら創業実践塾8期生の宮野彩香さん)
私の場合、スタートに立つまでの助走が本当に長くて。
今日はその道のりをお話しして、少しでも来ていただいたみなさんのヒントになればと思っています。
まず、私が伝えられるのはたった3つのことしかありません。
はじめに、ゲストのみなさんがお話していた「きらら創業実践塾」について。
今日は「私の目線から見たきらら創業実践塾ってこんなところ」をお伝えできればと思います。
2番目に「OpeningNote」って一体何?構想から製本にいたるまでの過程を説明させていただきます。
そして3番目。クラウドファンディングに挑戦して、実際やってみてどうだったのかをお伝えさせていただきたいと思います。
まずはじめに、「きらら創業実践塾ってどんなところ?」から。
塾長は真田兼光さん。第一印象としてはロン毛にヒゲなすごいダンディで、今まで出会ったことのないタイプの人だと思いました(笑)
(当日会場に来ていた創業塾塾長の真田兼光さん)
しかし、予想に反して一番はじめの授業では、ビジネス用語は一切出てきませんでした。起業の話というよりは人生をいかに考えるかという話が中心でした。
自分がついていけるのかという不安もありましたが、何より「この人の話をもっと聞きたい」と思ったことを覚えています。
今でもお世話になっていますし、起業を目指す人に対してとても優しい先生です!
怖くないので安心してくださいね(笑)
(真田先生の講義のようす)
創業塾では、今まで知らなかったお金の話やホームページ作成のコツなど多くのことを学ぶことができます。でもすべてその時に習得できるとは思わないでください。
受け身になるのではなく、振り返りながら自分で学んでいく姿勢が大切です。
それから、創業実践塾ではかけがえのない仲間と出会うことができました。私には、7名の同期生がいましたが、農業やファッション、収納など起業したいコンテンツはさまざま。
自分がこれまで出会うことのなかった、新しい世界を知ることができます。もちろん、先生やここにいらっしゃる先輩方との繋がりも大きいですね。
私が思う入塾するにあたっての心得が3つ。
・その1「遅刻、欠席はしないこと」
・その2「わからなくてもまずは課題に取り組むこと」
・その3「新しい知識に対して素直であること」
この3つさえ守ることができれば、創業塾は強い味方になってくれます。
「独立したい!起業したい!」という方はぜひチャレンジしてみてくださいね。
次に、私が創業実践塾を卒塾して今取り組んでいる「OpeningNote」についてお話させていただきます。
生前から終焉までのライフステージにおいて、「いつ何をすべきか」や「最後はどうあるべきか」を考えるエンディングノートはみなさんご存知だと思います。
そんな願いから、制作をスタートさせました。
しかし、私が創業塾に入ったきっかけは「OpeningNote」を作るためではありませんでした。
(宮野さんが手がけた「OpeningNote」)
私が創業塾に入った目的は、「OpeningNote」のイラストを担当してくれている「松山円香」のオリジナルの絵本をつくることでした。ですから、入塾した頃は当然「OpeningNote」はありません。
こうして、今日この会場に来てくれている友人と一緒に、休みを合わせて公民館で育児書を持ち込んで制作する日々が始まります・・・。
(宮野さんはご友人と一緒にOpeningNoteを作成されました)
そして人脈が人脈を呼び、最終的にはクラウドファンディングにつながることに。
クラウドファンディングに挑戦したことで、発売前からたくさんの人にオープニングノートを知ってもらえたのではないかと思います。
そしてスタートから2日目に、毎日新聞社から依頼が来て、夕刊に掲載されたんです!
人生でまさか新聞に載る日が来るなんて思ってもみませんでした。
新聞ってすごいものだと思っていたので掲載されたら絶対達成できるという甘い考えがあったのですが、取材をされた時に「OpeningNote」の思いを一生懸命語ったら、そっちの方が響いちゃったみたいで。
クラウドファンディングの話は1行も掲載されなかったんです(笑)
クラウドファンディングの難しさは、お金が絡んでくるので知人にお願いをしにくいことでしょうか。
でも、実際に協力してくれているのは、どこかで自分たちと関係がある人。
知ってる人の夢の実現のためだったら3,000円なり6,000円なり払って協力するよという所ではありますが、全然知らない他人の夢にお金を出す人はなかなかいません。
(クラウドファンディングの難しさ)
こういう難しさがある中で、私たちを支援してくれた人がいる。
私たちができることは「OpeningNote」を世の中に広めることだと思っています。
有名になって、「支援したんだよ」って自慢に思ってもらえる物にしたいです。
私たちはやっとスタート地点に立てたところです。
今までの経験から言えることは、とりあえずやってみること。
まずはやってみる。反応が薄くても気にしない。
何が当たるかわからないと思って挑戦してみることが何より大事なんじゃないかと思います。
不思議なことに「こんなことがしたい!」と言ってると手伝ってくれる人が現れます。
原田 一博(はらだ かずひろ)
僕は松本さんと同じ1期生として「きらら創業実践塾」に入塾し、2008年に株式会社morondoを立ち上げました。
それまでの僕の仕事の経歴は、ティッシュ配りのアルバイトのみ。
今ここにいらっしゃるみなさんの何倍も世間知らずのまま会社を立ち上げました。
今10年前の自分に会ったら間違いなくやめろと言いますね(笑)
では、株式会社morondoは何をしている会社か。
「枚方つーしん」を知ってる方がいらっしゃいましたら、挙手をお願いします。
(「枚方つーしん、知ってるよ!」という方がたくさん)
ありがとうございます。
その「枚方つーしん」を運営しているのが株式会社morondoです。
今回のゲストは、「きらら創業実践塾」の卒塾生で集まってるので、今日は「枚方つーしん」ができる前のお話をさせていただきます。
この話は今まであまり話す機会がなかったので、今日来てくださっているみなさんは、ラッキーかアンラッキーなのか・・・(笑)
そんな僕が始めた一番最初の事業は、2008年にスタートさせた「ミテナ」という地域情報サイトです。
今の「枚方つーしん」は、読者さんが面白い、読みたいと思う記事の配信を心がけていますが、「ミテナ」はその真逆。
企業さん側からお金をもらって地域情報サイトを作ろうとしていました。
当然、この事業は全く上手くいきませんでした。
とても、とてもだめでした。
なぜなら・・・全然おもしろくなかったから。
(「ミテナはおもしろくなかったんです」と原田さん)
当然、読者が見ないサイトにお金を出す企業さんはいません。
さらに困ったことに、僕は社会経験がないので営業にも行けません。
「売れない」、「知ってもらえない」、「見てもらえない」という三重苦で売上が出せるわけがありません。
挑戦して初めて気付いた失敗です。
こちらは、パラパラ漫画を単語カードに印刷したものです(笑)
きらら創業実践塾のカリキュラムには「地域の資源を体験する」というものがあり、僕はそこではじめて「五六市」の存在を知ります。
(2008年創業実践塾の頃の原田さん)
ですが販売個数2個・・・。
「オリジナル動画を持ち込んでくれたら作ります!」という企画を出して、受注1個。
総売上600円。
もう、思い出したくもありません・・・(笑)
(10年前の創業時を振り返る原田さん)
それだけではなく、なんとこのパラパラ動画カードは、売れば売るほど赤字になる事業でした。
そういった原価計算もわかっていなかった。
「売れる価格」と「事業が存続できる価格」は違います。
例えばカフェを経営するなら、コーヒーの値段を「この立地だから300円」という付け方をすると非常に危険。
何をするにも、続けていかなきゃダメなんです。
しかし「続けていくためのお金」を払ってもらえるかどうかはその事業の「価値」にかかっている。
創業したての頃は、テンションもモチベーションも高いから、安い価格でも続けていけそうな気がするかもしれません。でも、最初の価格設定を間違えると、あとで必ずとんでもない目に合います。
(「売れる価格」と「継続できる価格」はまた別物)
その次に僕が始めたのが「割感ムービー」。
いわゆる結婚式などで流すような動画制作です。
今では当たり前となった動画制作ですが、僕達が初めた頃はまだ駆け出しで、予想以上の売上を出すことができました。
ここで一番驚いたのはネットからの注文があったこと。
インターネットの可能性を知ったきっかけでもあります。
(インターネットの可能性を知る)
もちろん、この件に関しましても失敗談はありまして(笑)
ある時、ホテルの結婚式で流す動画を注文されたのですが、そのホテルには外部で作った動画を再生できないという決まりがあったんです。
つまり、何かあった時に責任がとれないと。仕方がなく、自腹でプロジェクターを買って、うちのスタッフが再生ボタンを押しに式場まで向かいました(笑)
移動時間や交通費など、あとから見えない所で問題が起こるケースです。
自分で事業をはじめると、想定外のことが必ず起こります。
100%起こると思います。
その中でいかにお金を管理していくかが重要でして。
例えば100万を持って何か事業を考えるのであれば、最初の計画段階で100万円を使うのは絶対にやめた方がいいです。
最初は、僕のように五六市で提供するとか、自宅でお友達を呼んでお茶会をするとか、試験的に経験を積んでおくことをおすすめします。
(まずは試験的にスタートさせる)
その過程を飛ばしてお店をつくった場合、お金がなくなったらほとんどの事業が倒れます。
お金が尽きてしまうと手の打ちようがないんです。
そうすると事業は続いていきません。
僕たちが生き残ったのは、共同経営者である本田一馬と出会ったこと。
(原田さんと本田一馬さん。「枚方つーしん」の誕生です)
2人とも当時は実家暮らしで独身だったので生活の維持費がかからなかったんですよ。
サイトもライブドアブログを使ってたので費用はほとんどかかっていません。
創業前にみなさんにお伝えしたいことは、まず小さいステップを踏むこと、次に固定費をかけないこと、最後に問題は必ず起こりうると想定しておくことの3つです。
その1「小さいステップを踏むこと」
その2「固定費をかけないこと」
その3「問題は必ず起こりうると想定しておくこと」
「何かを始めたい」という思いや夢はすごく大切で、それがないと人は巻き込めません。
熱い思いを持って枚方で事業を立ち上げる方が増えてほしいですし、その際はぜひ枚方つーしんとしてご協力させていただきたいと思っています。
今後ともよろしくお願いいたします。
本日はありがとうございました。
一番は枚方市がやっているから怪しくなさそうだと思ったから。
入塾して良かったことは、創業塾で得た人脈が今でも続いていることですね」
松本:「一番良かったことは、自分のビジネスプランを作れたこと。
自分の強みや弱み、仕事の意義などを明確にできました。
イレギュラーな仕事が来た時にどう対応するかという指針にもなっています」
枚方つーしんが成り立ってるのは、適度な広告市場や人口があるから。
反対に、他の地域から枚方に新しいものを持ってくることは難しいですね。
例えば、東京で流行ったものは少しずつ遅れて枚方に入ってくる。
あんまり早すぎると理解してもらえないというか・・・慣れるまでに時間がかかる傾向はあります」
(枚方市の地域性について伺っていきます)
原田:「最近では、枚方T-SITEができましたよね。
今まで枚方で売れなかったものが枚方T-SITEという大きな場所をつくることによって可能性が凄く高まった。そういった意味でも、今後の枚方に注目したいです」
(行く前にチェックしておきたい!枚方T-SITEの全フロアまとめ【保存版】)
枚方の人は、地元愛がある方が多いですし、事業内容にもよりますが、人口の多さから見ても「枚方」を1つのキーワードにするのは良いと思います」
そういえば、京阪百貨店の方が『枚方の人はプチギフト』を贈る習慣があるとおっしゃっていました。
れんげそうでも、1,000円ぐらいまでの手土産を買っていく方が多いです」
(「枚方の人は、手土産を持っていく習慣があるのかな」と渡部さん)
人生って1回しかありませんから、早い遅いはなくて、「やろう」と思った瞬間が一番大事です。
本業で収益がなくても、他のことで収益を得ながら始めることも可能です。
柔軟な考え方や心の持ち方次第で、5年10年スパンで結果はついてくると思います」
(やろうと思った瞬間が一番のタイミング)
先生がやりたいことあるのに、不安だからやらないのはおかしい。
自分にも『失敗してもいいからやってごらん』と言いたいですし、みなさんに対しても同じ気持ちです。
今日は貴重な機会をありがとうございました」
(「失敗してもいいからやってごらん」と言いたい)
以上、ビジネスカフェの様子を抜粋してお送りしました!
枚方市立地域活性化支援センターでは様々なイベントや講演会を開催されています。
最後に今回のゲストスピーカーの皆さまを改めてご紹介して記事を締めくくりたいと思います。
素敵なお話をありがとうございました!
2008年に枚方で「まつもと社労士事務所」を開業。きらら創業実践塾1期生。
累計5,000件以上の相談を受け、さまざまな問題のアドバイスを行ってきました。
労使のボタンの掛け違いが起こらないように橋渡しをするのがまつもと社労士事務所のモットー。創業時には本業の事業計画に加え、求人、面接、労災雇用保険手続き、社会保険加入、雇用契約書等の書類の作成などやらなければいけないことが山積みです。この10年で200件以上の起業の支援をさせていただきました。
専門学校卒業後、府内のホテルや洋菓子店で経験を積む。枚方市の「創業実践塾」を受講後、2014 年3月独立。地域の方に愛され、人と繋がるお菓子作りを目指し、開業。子供パティシエ体験やワークショップ、ライブイベントなどの取り組みや、型にはまらない自由な発想のお菓子を展開。
きらら創業実践塾8期生(プロジェクトはこちら)
きらら創業実践塾8期生。京都女子大学児童学科卒業後、JA北河内に就職。3年後に「やっぱり、保育士になりたい!」と保育の道へ進む。従姉妹の松山円香が絵本作家になったこと&保育中に感じたことから、「松山円香の絵でオリジナル絵本を作りたい!」と思いつく。紆余曲折を経て、「OpeninNote」という商品を思いつく。FAAVO大阪にてクラウドファンディングに挑戦し、資金集めに成功。現在、販売に向けて準備中です。
きらら創業実践塾1期生。2008年に起業し10年より「枚方つーしん」を本田一馬と運営。2015年枚方市総合計画審議会委員。「枚方つーしん」(通称ひらつー)は大阪府枚方市に特化したローカルメディア。月間約280万PVのウェブサイトのみならず、コワーキングスペースの運営やマルシェの開催なども手がけている。