ひらつーが運営するコワーキングスペース「ひらば」広報担当のデンチュウ@ひらつーがひらば利用者のみなさんがどんなお仕事をしているのか、どんな風にひらばを使っているのか、インタビュー形式でいろいろとお話を聴いていきます!
「Instagramでアイデアを発信する会社員デザイナー」ニシグチ アキノリさん
「@IDEAPOST」の世界を覗いてみましょう。
ポップで可愛いイラストが並ぶ、とあるInstagram。
ひとつひとつを見ていくと
・キャップの部分が口に見える「顔の形をした洗顔フォーム」
などユニークで楽しいアイデアに出会うことができます。
(今回のゲスト、ニシグチさんが運営するInstagram。「@ideapost365」)
今回のインタビューでは、会社員、そして3児のパパでありがながらデザイナーとして活躍するニシグチさんに
・「会社員として働きながら夢を実現させる秘訣」
・「プライベートと仕事の垣根をあえて作らない」これからの働き方
についてお話を伺っていきます。
普段はデザイン会社に勤務する、38歳、3児のパパです。
会社員として働きながら、2017年の元旦から「@IDEAPOST」というアカウントで毎日ひとつ「アイデア」を発信していました。
ニシグチ アキノリさん
1979年大阪府高槻市生まれ。2002年に芸術大学卒業後、大手百貨店に入社。インハウスデザイナーとして1,000点以上の販促物のデザインに携わる。2012年に転職し、現在はデザイン・企画制作会社でペットフード・用品カテゴリーを主としたセールスプロモーションに従事。大手ホームセンターやドラッグストア、ペットメーカーのなど販促物を幅広く手掛ける。
– Instagramをはじめたきっかけを教えてください。
Instagramで「IDEAPOST」をはじめようと思ったきっかけは、2016年の末に佐藤ねじさんの「超ノート術」という本に出会ったことに遡ります。
今や身近になりつつあるSNSですが、継続して何か1つのことを発信し続けると、そこには必ず価値が生まれるんだなあと。
(ニシグチさんがInstagramの発信をはじめるきっかけになった一冊)
2017年の新しい年に向けて僕も何かを発信してみたいと考えるようになりました。
だけど、一体何を発信すれば良いのか・・・。試行錯誤を繰り返していた2016年の年末のある日。
僕が車を運転していると、助手席に座っていた息子が車についている赤い発煙筒を指差して「パパ!スティックのりがあるよ〜!」と僕に言ったんです。
子どものこの発想がおもしろくて、何気なくTwitterに投稿してみたら、予想以上の反応があって。
「こういうことか!」と思って、すぐにノートにメモしました。
今思えば、この出来事が「超ノート術」に書かれていた内容と繋がったのかもしれません。
そこで、普段仕事でやっている「グラフィックデザイン」とユニークな「アイデア」をかけ合わせてみたんです。
2017年の1月1日から、365日アイデアを投稿する日々が本格的にスタートしました。
Instagramの中では、普段一切顔出しをしていないので、こんな風にインタビューを受けるのはなんだか不思議な感じなんです。恥ずかしい・・・(笑)
(イラストのテイストから何故か女性だと思われることが多いんです)
– 「アイデアポスト」には沢山のユニークなアイデアがずらり。ニシグチさんのアイデアはどこから生まれるのでしょうか?
基本のやり方は簡単。
まずは2冊のノートを用意します。
ふと思いついたアイディアをメモする「2軍ノート」とその中からとっておきだけを集めた「1軍ノート」の2冊です。
だけど、ここからが難しくって。
アイデアって、何もないとこから降ってくわけじゃない。
ジェームズ・ウェブ・ヤングさんという方が、「アイデアは既存の要素の組み合わせでしかない」という言葉を残しているんですけれど、本当にそうだなと思います。
アイデアを形作る一番の要素は「知識量」です。
物の数を知っている分だけ掛け合わせる数も増やせますよね。
本を読んだり、何気ない毎日にアンテナを立てておくことが大切なんじゃないでしょうか。
僕の場合は「アイデアを考える」というよりは、朝起きてから眠りにつくまでの出来事を一つ一つ「拾う感覚」に近いのかもしれません。
思いついた時に記憶に定着させるためのメモ、電車の中なら携帯など、記録として残せるような仕組みは常に作っておきたいですね。
(日々アンテナを立てて見方を変え続ける。上のアイデアは、左右差によって生まれるロマンスを表現した人気作)
まずは環境を整えていく
– 「会社員として働きながらやりたいことをする」難しさや、両立させるために日頃から工夫していることがあれば教えてください。
会社員をしながらというのは、基本難しいことだと思います。
やるのであれば、まずはしっかりと「やれる環境」を整えること。
単純に時間が必要なんです。
僕の場合は、インプットのために、本も読むし、Twitterも見るし、ネットも見る。
あ、テレビはほとんど見ないですね。
見る時は2倍速です!(笑)
会社員の場合、早く帰らないと時間捻出できないですよね。
だから、残業しないで帰れるような仕事の仕方に変えていくしかない。
難しいと思われるかもしれませんが、翌日も出勤するわけですから、無理して体調を崩すわけにもいきません。
会社員の難しいところでもあります。
「IDEAPOST」を始めてから、社内全体の仕事の仕方や仕組みを改善できるようにめちゃくちゃ意識して働いてきました。
(作業ができるのは、帰宅から就寝まで。日々の生活を効率化していく)
例えば本を読んだら、それだけでインプットした気になりますよね。
でも、人は忘れる生き物ですから、本を読んだ感動は2,3日経てば消えてしまいます。
多くの人が本を読んで、行動に移すことができない原因はここにあるんじゃないでしょうか。
どうせ忘れてしまうのなら、忘れる前にアウトプットしてしまいましょう。
僕は、読書と並行して、その本の内容から行動できることを3つ書き出すようにしています。
「明日からすぐ行動に移せるもの」を・・・です。
読書は「行動のきっかけ」にならなけらば、意味がない。
アウトプットのための、インプットです。
本や映画をみて感じたことがあれば、Twitterに上げます。
内容によって、FacebookにするのかInstagramにするのかを使い分けるようにしたり。
そういった「出す」を続けていくことが、僕らの仕事なのかなと思います。
昔「自分の強みがわからない」と言ってきた部下にアドバイスした言葉を思い出したのでメモ。当時めっちゃ部下に感謝されたぞー。
自分の強みは下記の3つをクリアしているものである。
①今までお金をかけてきたもの
②今まで費やしてきた時間が長いもの
③没頭した時に時間がかなり経過しているもの— ニシグチアキノリ@OSAKAアート&てづくりバザール3/16-18 (@a_design_link) 2018年2月22日
先月にバズったニシグチさんのツイート(多くのメディアに取り上げられたそうです)
「IDEAPOST」のイメージは「キキララ」の世界
-「IDEAPOST」を365日継続できた秘訣を教えてください。
(2017年毎日投稿をしていたニシグチさん。継続の秘訣を伺います)
「365日続ける」と言ってみたものの、最初はフォロワーも反応もゼロからのスタートです。
Instagramのメインユーザは、20~30代の女性ですから、如何にこのユーザ層にヒットした内容にできるかを考えました。
色合いは、水色とピンクの2色までと決めて、あえてシンプルに。
「IDEAPOST」のイメージは、キキララなんです(笑)
(統一感のあるギャラリーのようなInstagram。確かにキキララカラーです)
1冊の雑誌を作るイメージで、統一感を持たせる。
Instagramに掲載するのはアイデアのみですから、今日の夕食も、僕自身のことも載せません。
(「この世界観に僕の写真が出てくるのは、違いますよね(笑)」とニシグチさん。Instagramはコンセプトづくりが大切!)
後は、続けるためにInstagramのIDに「365」という数字を入れました。
この数字を入れたら、毎日続けないといけない状況になりますから。
会社のメンバーや後輩にも「見てろよ〜(笑)」って宣言したり。
色んなことを改善しながら続けていくと、2~3ヶ月で反応が現れはじめました。
そうすると、「あ、こういうものがウケるんだ」ってなんとなく分かってくるんですよ。
投稿の内容によっては苦情も出るし、批判も出てくる。
自分が思っていることをそのまま相手に伝えるって難しいことです。
これは普段の仕事にも通じるところがあるので、勉強になっていると思いますね。
その後、『イラストを描くと製品化されてヴィレッジヴァンガードで売られる大賞』でクラウドファンディングに挑戦し、こうもりネクタイの商品化が決まりました。
次のステージは、SNSの枠を超えてリアルの場に出ていこうと思っています。
− 就職活動に対する不安、働くってどういうことだろうとイメージできない学生も多いと思います。学生に向けてメッセージをいただけますか?
若い子は特に。
大企業に就職しても、永続的に続くとは限らないということを頭に入れておかないと、そこに行ったら安心だとかいう感覚は僕はちょっと怖いかなって思いますね。
(これからの生き方・働き方)
もちろん、会社員という働き方を否定的に考えているわけではなくて。
どこに行ってもリスクはあるので、そこに就職できたら御の字みたいな感覚で行っちゃうと足元をすくわれてしまう。
会社名じゃなくそこに自分が好きなことができるのかが重要だと思っていたりします、少なくとも僕の今の視点では。
好きなことじゃないと続かないし、結果もでない。
個人的に目指すところは公私混同な感じで、プライベートと仕事の垣根はできるだけなくしていきたい。
− 「プライベートと仕事の垣根をなくしていく」というと?
働く時によく「プライベートは遊びたいんです」って言う人いるじゃないですか。
「オフは・・・」だったり。
でも僕は、それを言ったら終わりだと思っています。
休みの日であっても、いつもの道を歩いていても「仕事につなげる何か」を自然に拾っていける人じゃないと、今後は必要とされなくなると思っていて。
つまり、プライベートと仕事の境目がない状態にしていけばいくほど成功できる。
だけど、好きなことじゃないと公私混同なんて・・・とてもできないんですよ。
今後は、いくつかのコミュニティ形成しながら、個人として活躍していく働き方が主流になっていくと思います。
組織がどうのではなく、あくまで個人としてどうしていくかが求められていく。
大企業が悪いとかじゃなくて、大きい組織でしかできないこともあるし、出せない成果もあります。
もちろん会社員として、チームで働く面白さも大きいです。
だけど、その上で。
個人として自分の血肉にできるまでやれることを見つけていくことがやっぱり大事になってくると思いますね。
(2018年1月から土日営業がスタートしたひらば。詳細はコチラの記事をご覧ください)
− 「ひらばのココが良い!」というポイントがあれば教えてください。
市内のコワーキングスペースとかは近代的できれいだけど、ひらばは手作り感があって僕は好きですよ〜(笑)
放課後に部活に来てる感覚です。
(実はインタビュー直前に即席で作られたてづくり座談会スペース)
− 反対に「ココを改善してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
バイクで来てるので、駐輪場に屋根があると嬉しいですね〜!濡れちゃうので!
− これからひらばを利用してみたい!と考えている人にメッセージをお願いします。
集中できる環境っていうのは場所で変わると思います!
仕事終わりにちょっと頭を整理する、自分を見つめる時間に充ててもらったらいいんじゃないでしょうか。
インタビュー後に、ニシグチさんに商品化がきまった「こうもりネクタイ」を見せてもらいました。
ネクタイを巻くとコウモリがぶら下がっているように見えるというアイデア商品。
一見個性的な商品ですが、ジャケットを着るとコウモリ部分が隠れてシンプルなネクタイに変身する優れもの。
ニシグチさんがアイデアの発信を始めてから1年。
実現のスピードに驚かされます。
そのどちらを優先するのか、またどのように両立させていくのか。
多くの人が悩み、考えるテーマであるように思います。
「プライベートと仕事の垣根をあえてなくしていく」とニシグチさんは言います。
(最近では「Work as Life」という考え方も提唱されているそう)
遊びや日常の中に「仕事の種」を発見し、仕事の中に「プライベートの垣根を超えるぐらい夢中になれるもの」を見つけていく。
それは働き方を超えた、仕事や日々の生活に向き合うニシグチさんの「姿勢」であるようにも感じました。
日々の生活の仕方やスケジュール管理、会社の仕組みさえも、自分ごととして捉えて発信するニシグチさん。
365個のアイデアを超えた「新しい生き方」を教えてもらった気がします。
ニシグチさん、素敵なお話をありがとうございました!
↓※最後に、ニシグチさんが出店されるイベントのお知らせです!
「2018年3月16日〜18日までの3日間、大阪南港ATCホール開催される『OSAKA アート&てづくりバザール VOL27』 に出店します。
ブースの壁一面に1年間更新してきた「IDEAPOST」を飾って、冊子的なものもつくろうかと!
インターネットの枠を超えてリアルの場に挑戦します。ご来場お待ちしてます!」
(↑当日販売予定のIDEAPOSTの冊子がこちら。何やらナカミにも仕掛けがあるそうです)
〜OSAKAアート&てづくりバザールVOL.27 概要〜
【日時】:2018年 3月16日(金)・17日(土)・18日(日)10:00~17:00(※金曜日のみ16時閉場)
【場所】:大阪南港ATCホール(大阪市住之江区南港北2-1-10)
【入場料(税込み)】:当日券750円 前売り券650円(※小学生以下は無料)
・公式サイト(A design)
・Instagram(アイデアポスト):@ideapost365
・Twitter(ニシグチアキノリ):@a_design_link
▼ひらば(公式サイト)
・お問い合わせフォーム
・電話 072−396−4400
(営業時間 10:00〜21:00(土日祝休み))