ずばり一言で言うとこれってなんなん!?読み方が難しい牧野の古代寺院跡やビッグなレアモノもある展示ルームをご紹介！

コラボ企画第1弾、ラーメン座談会にも登場。
奥様がもともとひらつー読者。
以前文化財担当部署に在籍していたとき、奥様と知り合った。最初のデートは大阪南港ATCで開催された「三内丸山遺跡展」とのこと。奥様はそのことを未だに根に持っているとか…。

枚方市教育委員会事務局文化財課

井ノ上さん
柔らかな雰囲気が魅力的。
丁寧でわかりやすい解説に定評がある。
井ノ上さんが社会科の先生だったらもっと成績良かったかも！
と思わせてくれます(笑)

枚方つーしんイベント担当

くら＠ひらつー
枚方生まれ、枚方育ちのアラサー。
約30年枚方にいた割に枚方については詳しくない。
好奇心は旺盛なので、きっかけがあれば楽しめるタイプ。

まずは九頭神廃寺史跡(くずがみはいじしせき)公園へ〜〜〜
そう、「くずがみはいじ」って読むんです！読めなーい！(笑)

↑地図ではこちら

「到着！・・・え〜？これがスゴイところなん？って思ったやろ〜(笑)」

「はいー、正直なーんもないやんっって(笑)」

とは言いつつ、九頭神廃寺史跡東公園にて！はい、チーズ

「しかも説明板が地べたに(笑) とりあえず読んでみましょう…。」

「・・・。」

「いや、黙ってないで教えて下さいよ〜！全然意味がわかりません」

「あぁ、ごめんごめん、今日のカンペ見てたわ(笑)
えっとね、一言で言うと『名の知れぬ寺の跡』！ってとこかな。」

「名の知れぬ・・・寺？」

「はい、そうなんですが・・・ちょっとだけ書き直しますね。」

枚方最古の古代寺院！！！

「このあたり一帯が九頭神廃寺っていうお寺の跡で、飛鳥時代に建てられたと言われてます。※ちなみに九頭神廃寺は市指定文化財（史跡）です。」

「う〜ん、もはや何もなさすぎて…そう言われてもピンとこない。」

「九頭神廃寺史跡公園の周りって住宅街やろ？公園になる前に、ここにも家を建てようと思って発掘調査したらお寺の跡が出てきたんやな〜。」

「このあたり一帯は昔からお寺があったって言われてたんですけど、名前も場所もよくわかってなくて。明治20年代ぐらいに仏像が発見されました。これは市指定文化財に指定されてる銅造誕生釈迦仏立像（どうぞうたんじょうしゃかぶつりゅうぞう）といって市指定文化財になっています。」

↑右上に写っているのが銅造誕生釈迦仏立像。

「これな、めっちゃ小さいねんで。こんくらい。（※高さ9.2cm）」

「えっ、ちっさ」

「小さいからってバカにしたらあかんで〜。っていう俺もそんなすごいもんやと知らずにいて、先輩に『お前、飛鳥時代のものやぞ！』って怒られてんけどな〜ハハハ。」

「市指定有形文化財ですしねこうした古い仏像の存在から、このあたりにお寺があったんや〜！とより強く考えられるようになりました。」

「小さいのにすごーーーい！」

「説明板にはお寺の配置図を載せてます。」

（井ノ上さんが指さしをしているところが建物の跡を表示しています。）

「お寺の大切な宝物とかを納めた倉垣院(そうえんいん)にあった倉の跡を表示しているんですよ。」

「ふふふ、『くら』が『倉』にIN。」

「復元は正円形ですが、実際の調査では写真のように出てきますよ。」

「あ、この写真ではわかりやすいように白いマーキングがしてありますからね！」

「ちょっとこちらに移動しますね〜。」

「あら、奥にも何かあるんですね。」

（一部復元されています。）

「おっ、築地(ツキジ)跡やって。」

「あ、『ツキジ』じゃなくて、『ツイジ』と読みます。」

「つ、ついじ・・・？」

「簡単に言うと、土を固めてつくった塀ですね。」

「これが復元された築地なんです。こういう塀がお寺の周りをぐるーっと囲っていたんです。」

「せやで！ただの空き地としてぼ〜っとするのもええけど、かつてここに古代寺院があったという事を知った上でぼ〜っとするとまた気持ちが違うもんやねん。オススメやで〜」

「川嶋さんのオススメはともかく、スゴイところやねんでっていう事をもっと沢山の人に知っていただきたいですね。」

九頭神廃寺(くずがみはいじ)史跡公園

「こんなにしっかりした展示ルームやったんや！案内しておきながらびっくりしたわ(笑)」

「実は枚方市には旧石器時代から人が生活していた痕跡があります。」

「旧石器時代！？・・・とにかくめっちゃ昔ですね！(笑)そんな昔の事がわかっちゃうなんてスゴイ」

「そうそう、前回行った百済寺跡から出土した大型多尊塼仏（おおがたたそんせんぶつ）なんかもあるねんで。」

「仏様の姿を彫った型に粘土を押し込めて、その粘土を焼いて作られた仏像です。こういうのを塼仏（せんぶつ）と言います。仏像とはちょっと違ってああいう板状になってるレリーフみたいな形になってるものだと思っていただけたら。」

「でもなんかカケラですね…」

「カケラなんですが、全国的に見てもこれくらいの大きさのものはなかなかないんですよ。そしてたくさんの仏様がのってるんですが、それも非常にめずらしくて。百済寺を語る上ですごく貴重な資料なんです。

「あとは百済寺を語る上で、瓦は切っても切り離せません！全国津々浦々お寺とかでは瓦たくさん出てくるんですけど、この百済寺の瓦って百済寺跡でしか見つからないんです。」

「つまり、オリジナルの瓦や！」

「そう、なのでこの2つは百済寺跡を語る上で外せないですね。余談なんですけど実は先ほど行った九頭神廃寺からは高句麗系の瓦も出土しているんですよ。」

「同じ枚方やのに朝鮮半島のいろんな国のものを使っているっていうのも枚方のおもしろいところやな〜。」

「活発に半島の人と交流してた証拠ですね。」

「同じ大阪府内でもそこまで顕著にわかるとこってなかなかないんですよ。」

「そうそう、この企画◯◯編、◯◯編ってやってるけど結構全部つながってんねんで。」

「遺跡に行ってもらうと説明板が建ってたり、復元していたりするとなんとなく雰囲気がわかるかもしれないんですけど、その場所その場所では展示できないのでね・・・。
なのでここに来てもらうと枚方の歴史が考古学からですけども感じていただけます。」

「確かに、現地に行くのとはまた違う視点で見ることができます！」

「おぉ〜なんかデカイのもある…シャチホコ？」

「ちなみに鴟尾は建物の屋根につけられていたものです。」

「そうなんや〜…(鴟尾よりもイラストの鬼瓦が気になる(笑))」

「ここっていつも同じものが展示されてるん？」

「あ、違いますよ。3月でこの展示は一旦締めなんですけど、1年更新で中身は変えていってます。できるだけ新しい調査成果を出せるようにはしてます。なので今回展示しているものを来年以降も展示しているとは限りません。ご了承ください。あと展示室内での展示品の写真撮影はご遠慮くださいね。」
（※今回は撮影を特別に許可していただきました）

「そうなんですね！1回来たら終わりじゃないですね。定期的に見に来ないと〜(笑)」