ひらつーが運営するコワーキングスペース「ひらば」広報担当のデンチュウ@ひらつーがひらば利用者のみなさんがどんなお仕事をしているのか、どんな風にひらばを使っているのか、インタビュー形式でいろいろとお話を聴いていきます!
cloud9fotoフォトグラファー 寺田 雄一(てらだ ゆういち)さん
1982年広島県生まれ。幼少期より大阪で過ごす。立命館大学法学部を卒業後、凸版印刷株式会社へ入社。約4年の勤務の後に退職。2011年よりフリーランスのフォトグラファーとして活動し始め、現在に至る。
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「出張撮影」とは、自宅付近や撮影場所まで、カメラマンが出張して撮影するスタイル。結婚式場や近くの神社など、希望に応じた場所で写真を撮ってもらうことができます。
(結婚式の前撮りも、2人の思い出の場所で写真を残せたら素敵ですね:寺田さん撮影)
– 今どんなお仕事をされているのか、自己紹介をお願いします。
はじめまして、寺田 雄一(てらだ ゆういち)です。
僕はスタジオを持たず、直接現地に行って写真を撮る「出張撮影」を専門にしているカメラマンです。
例えばお宮参りの場合、その日撮影をするご家族と現地で待ち合わせをして撮影を始めます。
撮影場所を自由に決めることができたり、子どもの
自然な表情を引き出せることが出張撮影ならではの魅力ですね。(スタジオのカチッとした写真とはまたひと味違う魅力が)
カメラを始めたきっかけは、高校2年生の修学旅行で父親の一眼レフを借りて初めてクラスの友達を撮ったこと。
撮った写真を見せたら、予想以上に友達が喜んでくれたことを覚えています。
一番始めに「写真っていいな」と思ったきっかけです。
(インタビュー時のひらば:寺田さん撮影)
気がつけば、今度は自分がカメラマンとして修学旅行についていく立場に。
旅先でカメラを向けると女子は「イェーイ」ってポーズを撮ってくれるんですが、やっぱり男子は照れくさいのか逃げるんですよ(笑)
ただ、やっぱり写真として残っているものはすごくいい思い出として大切にしてあります。
だから修学旅行の引率に行くと、つい「これは将来の宝物になるから騙されたと思ってとりあえず写っとこう!」、「今日の友達との思い出を1枚でもいいから残しておこう」と言ってしまいますね(笑)
– 本格的にカメラを始めたきっかけを教えてください。
高校時代の受験期、「日本カメラ」や「アサヒカメラ」に掲載されていた写真に大きな衝撃を受けたんです。
プロが撮影しているから綺麗なのは当たり前なのですが、本当に凄くて。
そこからカメラを本格的に始めるようになって、気がついたら高校3年生の大事な時期に図書館にあるカメラ雑誌を読みふけっていました。
それでまあ勉強しなくなっちゃって・・・(笑)
その後一浪の末、無事大学に入学しました。
– 大学時代は写真やデザイン関係を専攻されていたんですか?
大学は写真とは全く関係のない法律を学んでいました。
在学中は、京都の河原町付近で道行く人に「写真撮らせてもらえませんか?」と声をかけてスナップ写真を撮り続ける日々を送っていました(笑)
それこそブログやSNSもない時代。
今では当たり前にできることが当時はめずらしく、予想以上に反響があったんですよ。
「100人撮る」という目標を達成するまでに、400~500人近くの人に声をかけたと思います。
最初の一人に声を掛けた時の手の震えは未だに忘れられません(笑)
そうこうしていたら、知り合いの女の子が僕が撮った写真をとあるカメラマンに見せてくれて。「アシスタントしてみる?」という話をもらったんです。
その後ご縁があって、残りの大学生活はその人のアシスタントをさせてもらいました。
当時大学生だった僕にはものすごくキラキラして見えて。
「ああ、こういう世界ってすごいな」って思ったんです。
− 今のお仕事はいつから、どんな段取りで準備をしましたか?
就職活動を経て、最終的に内定をもらったのは、とある大手の印刷会社。だけど「カメラマンをやりたい」っていう気持ちはどこか捨てきれなくて。
そんな時に、大学時代にお世話になったカメラマンの師匠から、
「その会社は業界では最大手。就職してからカメラマンになることはできても、カメラマンをやった後にその会社に入ることは簡単じゃない」と言われました。
本当に色々な勉強をさせてもらいましたが、やっぱりどこかで「カメラマンになりたい」という思いがあったんでしょうね。
約4年間働いた後、2010年末に会社を辞めて独立。翌年1月からフリーランスのカメラマンになりました。
会社員時代は給与から天引きされていたものを、自分で払うというのはなかなか大変なことです。
だからしっかりお金の管理ができる人が良いんじゃないかな。僕は、お金の管理はできてないですけど(苦笑)
不安がある人はこういう所(ひらばのこと)に来て、その道のプロにお願いするというのも手です。
何事も、はじめの一歩を踏み出すことができるか。
最初に写真を撮らせてもらった日のことは、今でもはっきりと覚えています。当時の手の震えを覚えているくらい。すごく緊張していました。
「100人撮ろう」と決めて、1人目を撮った写真と100人目の写真はやっぱり全然違いますね。
どんな仕事でも、0から1を作り出すことが一番難しいんじゃないでしょうか。
その後は、実際に撮影した写真が作品になる。
作品が、実績になって人を呼ぶ。
フリーランスのカメラマンの場合、撮影したデータをWEBサイトにあげて、それを見てくれた人が次につながるケースもあります。
「お父さん」と「お母さん」が一緒の写真を残してあげたい
− 依頼されるお仕事内容で多いものは?
(こんな素敵なテーブルコーディネートも。(撮影:寺田さん))
子どもさんを撮影するのは、特に大変です。
自己紹介をして、まずは子供に「よろしくね」って声をかけて・・・笑わせる!不思議なことに何回もカメラを向けていたら皆さん慣れてくるんです。
だから、学生時代に道行く人に声をかけて撮影させてもらった経験も無駄じゃなかったなと思うんです。
写真がうまいだけじゃなく「あの人楽しかったな」とか「またお願いしようかな」と思ってもらえたら嬉しい。
撮影が終わった後に、子どもやその子の親御さんから「寺田さんも一緒に撮りましょう」と言ってもらえたら、その日の撮影は家族にとって良い時間になったのかなと思えるんです。
あとは、七五三で撮った子どもたちを人生の節目の成人式や結婚式のタイミングでまた撮れたら嬉しいですね。
実際にそういう家族が何組もいます。
兄弟が生まれて2回目のお宮参りや、ブライダル撮影をした夫婦に子どもが生まれて、2人だった家族写真が今度は3人になる。
節目節目に「あの人にお願いしよう」と思ってもえたら、何より嬉しいです。
(人生の節目ごとに家族写真が残せたら素敵ですね:寺田さん撮影)
− スタジオで人物撮影を行いたい、商品撮影を行いたいという希望にはどう対応されていますか?
スタジオセットとライティング機材を希望の場所に持っていき撮影を行います。会社の会議室で役員さんの写真や商品の写真を撮ることが多いですね。
ひらばのレンタルスペースを使って、プロフィール写真の撮影を行っていたりもしますよ。
誰が撮ってもきれいに撮れるようになったからこそ、家族写真をご両親が撮られることが多い。
だから、家族写真にお父さんとお母さんのどちらか片方が写ってないことが多いんです。
(「お父さんだけ写っていない写真」「お母さんだけ写っていない写真」)
親の気持ちとしては、子どもの成長記録を撮ってあげたい。だけど、子供が将来見たいのは写真に映る若い頃のお父さんとお母さんの姿なんじゃないでしょうか。
それこそ「おとんとおかん若い!」みたいなね(笑)
(子どもがいつか大人になった時、若き日のお父さんとお母さんを見せてあげたい)
いつかやってくるそんな日のために、お父さんとお母さんは一緒に写っていてほしい。
家族みんなの写真が残せる。
そういった意味でも、「出張撮影」は良いなと思いますね。
− 就職活動に対する不安、働くってどういうことだろうとイメージできない学生も多いと思います。学生に向けてメッセージをいただけますか?
やりたいことがいつも仕事になるとは限らないけれど、今の仕事を始めて自分は1人じゃないんだと改めて気がつくことができたと思います。
だけど、「私これ嫌いやから」「俺これ興味ないから」の一言で可能性を閉じるのはもったいないかな。
できるだけ選択肢を狭めないように。
勉強したことや身につけたことは後で全部返ってくると思います。
− ひらばの利用きっかけを教えてください。
僕はもともと家で仕事をするのが苦手で、以前からコワーキングスペースに興味があったんです。そんな時にちょうどSNSで、おさやが「コワーキングスペースを枚方でつくりたい」と投稿していて。
ひらばが完成したら「ここに行こう」と思っていました。
(ひらばを作った人・おさや@ひらつー。繋がりを感じますね)
− 「ひらばのココが良い!」というポイントがあれば教えてください。
会社員をやっていたからか、人と違うことをしているのが特殊だと思っていたのかもしれません。
ひらばに来ると「違うことをする」が普通で安心するんですよね。
あと、会員限定で土日もオープンになったことは個人的にすごく嬉しいですね。
− 反対に「ココを改善してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
職業柄なのか、WEBサイトを見ていると掲載されている写真に注目してしまいます。
居心地の良さや場所の雰囲気がそのまま映し出されているから、WEBサイトを通して感じるイメージとひらばを訪れた時のギャップがない。
僕は入って半年ぐらいなんですけど、みなさん仲良くしてくれるので楽しい場所だなと思っています。
あとは、仕事をしに来ている感覚を忘れないようにメリハリをつけていきたいですね。
だから集中できる座席があってもいいんじゃないかな〜って思います!
直接現地に行って撮影する「出張撮影」を専門としている寺田さん。
思い出のある場所、馴染みのある場所など、希望に応じた写真を撮ってもらえるのが出張撮影の嬉しいところ。
「馴染みのある場所」ということで、デンチュウも「ひらば」で出張撮影を体験しました。
シャッターを押す前に少し考える様子の寺田さん。
「どうしたんですか?」と尋ねると「右と左、どっちから撮ったらよりその人の魅力が伝わるかなあっていつも考えるんよ〜」と。
・・・一体どんな写真になったのでしょうか。
寺田さんに撮ってもらった写真がコチラ↓
(インタビュー後に撮影してもらいました)
誰かに写真を撮ってもらう時、
「どのあたりを見たらいいんだろう?」
「どんな顔をすればいいんだろう?」
など色々と意識しすぎて、結局硬い表情になってしまうことって多いですよね。
(出来上がった写真を見て「こんな顔してたんかー」とショックを受けることもしばしば)
今回は5分ほどの撮影時間でしたが、馴染みのある場所と寺田さんのトークのお陰でいつの間にか笑顔になっていました。
誰でもきれいな写真が撮れるようになった今だからこそ、思い出を「1枚の写真」として残せたら素敵だなと改めて。
寺田さんのインタビュー後、家に帰って久々に昔のアルバムを広げてみたんです。
・・・ありました、家族写真。
そこには20代の父と母の姿が。
写真の面白さは撮ったその日だけではなく
何年も先に「その日を思い返すこと」にあるのかもしれません。
寺田さん、素敵なお話をありがとうございました!
(後日一眼レフをゲットしたデンチュウ@ひらつー。これからいっぱい写真撮るぞー!)
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