枚方の魅力を再発見!
\枚方トレジャーのお時間です//
突然ですが!
枚方には実はお宝な場所があるって知っていましたか?そんな枚方市の文化財を市役所の方とまちブラしながら巡るというシリーズ企画!
第4弾では「京阪枚方公園駅」・「JR藤阪駅」・「京阪御殿山駅」間をまちブラしてきましたよー!
① 枚方田中邸のむく
② 旧田中家鋳物民俗資料館 〜主屋編〜
③ 旧田中家鋳物民俗資料館 〜鋳物工場編〜
④ 渚の院跡
今回のまちブラは、前編・後編の2回に分けてお届け。
後編では「③旧田中家鋳物民俗資料館 〜鋳物工場編〜 」と「④ 渚院跡」をご紹介します!
→前編はこちら!
枚方市役所産業文化政策課 川嶋さん
市役所コラボ文化財企画のレギュラー!話し上手で盛り上げ上手。
枚方つーしん デンチュウ@ひらつー
枚方つーしんのライター。
「名字が田中(音読み:デンチュウ)」という理由で今回のまちブラメンバーに選ばれた。
旧田中家鋳物民俗資料館 学芸員 武知さん
今回2人を案内してくれる学芸員さん。丁寧でわかりやすい解説に定評がある。
ー そんな川嶋さんとデンチュウが訪れたのは…?
地図ではここ↓
前編に引き続き、全国でも珍しい鋳物の歴史を伝える資料館にお邪魔します!
武知さん、来て早々申し訳ないんですけど、私のような歴史オンチの場合「そもそも鋳物ってなんなん!?」っていうところからのスタートでして…。
ガーンッ!!鋳物ってそんなに知られてないんですか!?
この子、今日まで「鋳物」のこと「ちんぶつ」って読み間違えてたらしいですわ(笑)何とか言うたってください!!
いやいや、デンチュウさんご安心ください!
分かりにくいことを分かりやすく解説するのも学芸員の仕事ってもんです!
旧田中家鋳物民俗資料館に展示されている梵鐘
ズバリ…「金属を高熱で溶かして、専用の型に流し込んで作った製品のこと」です!(ここだけ押さえれば今日はOKですよ〜!)
ちなみに、釣り鐘や昔のお鍋、釜などが鋳物でできています!
ここまではOKですか?
はい!しっかり押さえました!
じゃあ、今日の内容はバッチリなはず!(笑)では、さっそく鋳物工場の中をご案内しますよ〜!
お願いします!
こちらが、1984年に藤阪で開館した「旧田中家鋳物民俗資料館の鋳物工場」です!
田中家の鋳物工場および主屋は枚方市へ寄贈された後、藤阪の地に移築復原。
1984年に「旧田中家鋳物民俗資料館」として開館。
お〜っ!光がいっぱい入っていて明るいですね〜!武知さん、この工場はズバリどんな場所なんですか?
旧田中家住宅鋳物工場は、日本で唯一江戸時代の姿のままで残されている鋳物工場です。1965年頃の廃業後、工場を営んでいた鋳物師(鋳物製品を作る職人)の田中さんから枚方市に寄贈されました。
日本で唯一の江戸時代の鋳物工場ですか!それはすごいですね!
もともと工場はこの場所ではなく、枚方上之町にあったんです。ちなみに、当時の様子はこんな感じ!写真の右側に大きな木があるのが分かりますか?
↓枚方上之町にあった頃のようす。
去年の台風でちょっと被害を受けてしまいましたが、これは鋳物を作る鋳物師の田中家にとって、めちゃくちゃ縁の深い「ムクノキ」なんですよ〜。
あ!この木、ここに来る前に見てきました!樹齢600年の「枚方田中邸のむく」ですよね。
そうそう!ニレ科の落葉樹は葉の裏がザラザラしてるから、当時の鋳物師はムクノキの葉を使って鋳物製品を磨いていたらしいで。
まさに「鋳物師あるところにムクノキあり」と言われるゆえんですね。
所在:枚方市枚方上之町123-4
アクセス:枚方市駅から南西に約600m、徒歩15分
地図ではここ↓
鋳物工場はもちろん昔は全国各地に何軒かあったんですけど、昭和時代には江戸時代の鋳物工場は枚方のここしか残っていませんでした。
今、僕らがいるのが鋳物工場で、同じ敷地には田中家の主屋がありますよね。
はい!工場では鋳物に関する資料を、主屋では枚方の昔の暮らしを展示しています!
↓ちなみに主屋はこんな感じ!
鋳物工場の向かいにどーんと佇む主屋。かつては、鋳物師の田中家が生活していたそうです。
季節ごとに企画展も多数開催されています!
主屋の中は、枚方の昔の暮らしが学べる展示やブースがいっぱい!
(→前編で詳しくご紹介しているので合わせてご覧ください♪)
2017年にリニューアルオープン!
それでは、旧田中家鋳物民俗資料館の鋳物工場の中を詳しくご紹介しますね!
お願いします!
まずはこちら!鋳物の歴史が分かりやすく学べる映像コーナーです!
どんな映像が見られるんですか?
鋳物の釣り鐘が完成するまでの一連の流れをご紹介しています。
数ヶ月かかった釣り鐘づくりを、ぎゅっと6分の映像にまとめています!
これは何や?
裏に仏像が彫られていますね。
「魔鏡」といいます。表の鏡面に光をあてて、反射光をスクリーンに当てると…
スクリーンに仏像が映った!
なにこれ!不思議!(笑)
他にも、実際に鋳物製品を触って学べる体験コーナーがありました!
気づいていただけましたか!
実は「旧田中家鋳物民俗資料館」は2017年にリニューアルオープンしたんですよ!
ほら、やっぱり!!
耐震工事をする際に、照明をLEDに取り替えたんです。そうしたらびっくりするぐらい明るくなって。この資料館、昔はちょっと暗いイメージがありませんでしたか?
確かに、子どもの頃は正直ちょっと不気味やなーって思ってたかも(笑)!学芸員さんの前ですみません(笑)
いえいえ、とんでもない(笑)
小学校の遠足や、地元のお子さんが遊びに来てくれるんですけど、リニューアル後は怖がる姿も見なくなりました(笑)
すごく綺麗になったと思いますよ!僕ら世代で昔来たことがある人は、今の資料館を見たらガラッと印象が変わるんじゃないかな!
ありがとうございます!ぜひ来ていただきたいです!
後、今日はもうひとつご紹介したいものがありまして。それが、こちらです!
どどーん!!
あ、これ!枚方市のマンホールじゃないですか!!
はい、マンホールのふたも鋳物製品なんです!今回のリニューアルに当たって枚方にゆかりのある鋳物を色々と集めてみました!
まだまだいきますよー!実は、現在の鋳物業界の一番のお得意様は自動車業界でして。
知らんかった!そうなんですね。
しかも国境を超えています。
この中にはフェラーリに使われているパーツもあります!!
ええー!フェラーリ!?
はい!
一部ですけど、枚方が世界を支えていると言えるかもしれませんね(笑)
枚方から世界的な高級車のパーツが生まれているんですね!
これは誰かに自慢したい(笑)
ー つづいて、武知さんに案内され工場の外へ!
突然ですが、ここでクイズです!
えー、何でやろ?でも、言われてみれば資料館の中に郵便ポストがあるって変ですよね…?
ー 何でなんや!!!!!
もちろん俺は分かるで!ヒントは「この資料館にある理由」や!
…あ!
どや、わかったか?
もしかして、このポストも鋳物でできている!?
すごい、正解です!
よっしゃ!
ちなみにこちらのテーブルセットも鋳物製品なんだとか!
まだまだ知らない枚方がありそうです。武知さん、最後に鋳物をズバリ一言で表していただけますか?
そうですね。最初にお話しした通り、鋳物は「金属を熱でとかしたもの」です。溶かした金属は、予め用意していた型(鋳型)に流し込んで形を作っていく…それが鋳物づくり!
例えるなら「手作りチョコレート」みたいなものです(笑)!!
鋳物づくりは「手作りチョコレート」!!(笑)
武知さん、今日はありがとうございました!
またいつでも遊びに来てくださいね!
伝え忘れていましたが渚元町の渚院跡には田中家がつくった梵鐘(ぼんしょう)が今も残っています!ぜひ行ってみてください。
あー!あそこか!
これがまたちょっと変わった場所にあるねんな〜(笑)よし、帰りに寄っていこう!
はい!
電話:072-858-4665
住所:枚方市藤阪天神町5番1号
アクセス:
JR学研都市線「藤阪」下車、徒歩7分
京阪電車枚方市駅南口ターミナル1番乗場から、京阪バス「長尾駅」行き乗車、「藤阪」下車、徒歩5分
休館日:毎週月曜日(祝休日の場合は翌日)・年末年始(12月29日~1月4日)
開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分)
地図ではここ↓
ー というわけで藤阪から渚元町にやってきた2人。
デンチュウ、着いたで!ここが渚院跡や!
藤阪から御殿山は距離がありますよね〜。やっと着いた〜!
渚院跡の鍵は正面の市立渚保育所にあります
枚方市教育委員会
忘れてた!渚院跡は鍵がないと入られへんのやったわ…(笑)
えー!そんなことあるんですか!(笑)でも、せっかくやから鍵借りて入っちゃいましょう!
すぐ横にある渚保育所で鍵を借りることができます。
②日付とサインと電話番号を記入する
※保育所開所中(7時から19時まで)のみ対応。(日曜、祝日はお休みです)
また、土曜の12時から15時にお越しの際は、渚院の門前からお電話(849-3046)してください。
ー ピンポーン♪
あ、こんにちは〜、枚方市役所の川嶋です。渚院跡の鍵をお借りしたいんですけど…
ー 保育士さん:はいはーい!すぐ持っていきますね〜。
ー よっしゃ!鍵ゲット!!
開けるで〜。ガチャガチャ!
ーオープン!!
おお、開いた!川嶋さん、中に入りましょ!
どどん!!梵鐘がお出迎え!!わー大きい!
どや、さっき資料館で見てきたやつやで!
ほんまや!鍵を借りることで、よりプレミアム感を味わえた気がします(笑)!この梵鐘もとても貴重なものなんですよね。
うん、そうやで。
第二次世界大戦の「金属回収令」で、あちこちの梵鐘が持って行かれてしまってん。でも、渚院跡の梵鐘は奇跡的に残った。
入り口の看板
そして今もこうして大切に保管されている。
そうそう。これは、ほんまにすごいことやわ。よっしゃ!最後に、ズバリ一言で今回のまちブラをシメよか!
バシッと決めちゃってください!
まかせとき!渚院跡をズバリ一言で表すと…
「よくぞ残った田中家の鋳物」でどや!
よくぞ残った田中家の鋳物!
渚院跡は桜とのゆかりが深いので、春に見学するのもオススメやで〜。
じゃあ、また春になったらここで鑑賞会しましょうか!
って…!絶対やらんやろ(笑)
あはは!バレましたか…!(笑)
所在地:枚方市渚元町9渚院跡
地図ではここ↓
春の渚院跡のようす
以上、前編と後編の2回に分けて枚方の鋳物をご紹介しましたがいかがでしたか?
20年以上枚方に住んでいますが、まだまだ知らないことばかりやな〜と改めて。
枚方に長年続いた鋳物の伝統を築いたすごい田中さんがいたことが、同じ田中(※デンチュウの名字)として誇らしく感じました(笑)
もうすぐ季節は春!!
お出かけスポットに悩んだら、是非新しくなった「旧田中家鋳物民俗資料館」や「渚院跡」を訪れてみてくださいね!知っているようで知らない枚方の魅力が再発見できるかもしれません♪