※エムスタッフさんは2022年9月で閉店いたしました。
消費税増税…
不況…
安月給…
そしてボーナスカット…
市民生活は困窮するばかり…
彼の名前はクロ@ひらつー。
会社からボーナスカットを宣告され、泣く泣く愛車を売りに来た若者。
そして彼はこの道20年以上の車買取のプロ、車買取専門店 エムスタッフの永沼社長。
キッカケは枚方つーしん社長のはらだ@ひらつーからの無慈悲な一言からはじまった。
はらだ「今年増税もあったし、不況やからボーナス50%OFFな」
「ウソやろ!?
そんな50%OFFなんか全然うれしくないし…
何言っとんねんこのピーーーーー!!(自主規制)」
クロは絶望の淵に立たされた。
この冬をどう乗り切ればいいのか?
ここまで困窮するのにはワケがあった。
そう、ボーナスに期待してすでに散財してしまっていたのである。
クロは悩んだ。
このままでは生活に支障を来してしまう。
そんな悩めるクロに一筋の光が見えた。
車を購入して持っていたものの、あまり乗る機会もなく持て余していたのである。
しかし税金や整備代など、維持費にもお金がかかる。
ならば一層のこと売ってしまえばいい。
それがクロの出した答えであった。
ならば善は急げだ。
さっそくクロが相談にやってきたのは…
車買取専門店 エムスタッフ。
これまでにもひらつー記事で紹介している。
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クロがこのお店を選んだ理由はシンプルだ。
「昔からぱどに載ってるし、高く買い取るって書いてるし」
恐る恐る足を踏み入れるクロ。
果たしてクロの思惑通りに車を高く買い取ってもらえるのだろうか。
ここからクロの熱い攻防が始まる。
クロを出迎えてくれたのは、エムスタッフの永沼社長。
この道20年以上になる車買取のプロである。
「いらっしゃい。
今日はどうされましたか?」
「今乗っている車を売ろうかなぁ〜と思って。」
「そうなんやね。
売るのは乗ってきた車?」
「そうです。」
クロの車は購入してまだ1年ほど。
世間的にはまだまだ新しい車である。
そこがクロの勝算であった。
「この車、まだ買ってから1年ほどしか経っていないんですよ。
走行距離も1,000km以下で大きなキズもありません。
そして無事故無違反でぼくはゴールド免許です。」
「免許の色は関係ないな(笑)」
クロは脱線してしまった。
だが、車の状態は良いハズだ。
クロは畳み掛ける。
「でも!購入から日が浅くて、走行距離も少ないのは良い点だと思います。
高く買ってください!お願いします!」
直球すぎる。
「うんまぁ、一概には言えへんかな。」
衝撃である。
めっちゃ距離走ってるから安いわけじゃないから、まずは持ってきて見せてほしいな。
そう、世の中の車はどれひとつとっても同じものは存在しない。
人によって乗る頻度も違えば距離も用途も違う。
その当たり前の事実を、クロは突きつけられた。
「たしかに…そう言われればそうですね。
でも、ぼくはとっても大事に乗っていたんです!!
毎週洗車して、車内もキレイにして、今日だって手洗い洗車してきたんです!
だから…
高く買ってください!お願いします!」
「そうなんや、そんなに大事に乗ってたんやね。
ありがとう。それで査定が高くなるわけじゃないけど、気持ちは受け取っとくわ。」
衝撃である。
洗車はそれほど重要な要素ではなかったのだ。
「あっ…そうなんや。」
「査定額ってのは、車種や年式、走行距離とかによって細かい相場があるから。
まぁそしたら車査定してみるわ。」
そう言うと永沼社長はオモテに停めてあるクロの愛車へと向かった。
ボンネットを開け、念入りにチェックする永沼社長。
「おぉ、めっちゃ念入りに見てくれてる。
これは30分ぐらいかかるんかな…スマホゲームでもして待っとこかな…」
「終わったよ。」
「えっ!?えっ、ええっ!?」
衝撃である。
査定はものの3分で終わった。
想定の10分の1の時間である。
「も、もう終わったんですか!?」
「うん、もう確認せなあかんポイントってのは決まってるから。」
これが車買取歴20年超のなせるワザなのだ。
すると永沼社長は買取価格の推移を教えてくれた。
「車種とか事故歴によって変わるけど、単純に年数だけで言うと…」
「まず新車の車両価格が150万円とすると、例えば買ってスグの時点で売ると110万円。
これが1年経ったところでおそらく100万〜110万円ぐらい。
2年経ったところで80万〜90万円。
3年で60万〜70万円。
4年で45万〜55万円。
とかそんな感じかな。
もちろん車種によって違いはあるけど、まず最初の下がり方はだいたい平均は新車価格の70%ぐらい。
新車の価格っていうのはあくまでもユーザーさんが新車で買うときの値段っていうだけ。
たとえ未登録の新車やったとしても競りに出したら70%ぐらいの値段になるよね。」
素人のクロには初めて聞く話である。
そう、単純に年式だけでいけばクロの車は購入時の60〜70%ぐらいの価格ということになる。
正直この時点でほぼほぼ価格は決まったようなものだが、クロは最後の悪あがきを見せた。
「わかりました。
査定額を聞く前に僕の話を聞いてもらってもいいですか?」
「え?
いいけど、どうしたん?」
「実はぼくの勤める会社が、折からの不況と増税の影響を受けて…今年のボーナスが50%カットになったんです!!
だから!
だからぼくは泣く泣く愛車を売ることになったんです…!」
「だから〜…だからちょっとでも高く〜…買ってくださいぃ〜…お願いしますぅ〜!」
だが、永沼社長は動じない。
「うん、それは同情するわ。
いい転職先紹介したろか?」
クロは全てを察して諦めた。
ようやく査定額の発表である。
「じゃあ査定額はいくらですか…?」
「売ります。」
即答である。
売ることを決意し、取引が成立したクロと永沼社長は固い握手を交わした。
そして…
「やった!勝った!!
勝ったんで査定額は…??」
「変わらんよ。」
「ですよねー。」
いかがだっただろうか?
車買取をめぐる漢(おとこ)たちの熱い攻防。
車を売るのに水面下の駆け引きは不要。
ただ「売りたいな」と思った時こそが売り時なのである。