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産婦人科医の武田先生にそもそもPMSとはどんなものなのか?つらい症状への対処方法はあるのか?などを教えてもらいました。
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「月経前の1~2週間前に症状が出始め、月経が始まってからだんだんと治まってくるような諸症状を指します。
身体的症状には乳房の痛みやお腹の張り、むくみ、この辺りが最も多いですね。
精神的症状では、鬱っぽくなったり、イライラしたり、眠気、だるさ、集中力の低下などが見られるケースが多いです。
それらの症状の度合いは個人差が大きく、症状の組み合わせも人によって様々です。
また、卵巣からでる女性ホルモンは、むしろ正常に出ている場合に起こると考えられています」 ※1
「食事は、なるべく栄養バランスの取れたものを食べて、適度な運動、適度な睡眠を心がけること。
そういった生活のバランスを整える行動は、気分転換にもなりますし良い影響を与えるでしょう。仕事の都合などでどうしても食生活が不規則になりがちな人は、サプリメントで栄養を補うのも方法の一つです。
病院での治療の場合は、薬物療法を行う場合もあります。所感としてよく用いられていると感じるのは、漢方や低用量ピル、SSRI(エスエスアールアイ)といった抗うつ薬の一種などですね」
「コーヒーやチョコレートも、摂りすぎなければ問題ありません。
カフェイン成分を多く含むという観点から関与しているのでは、と思われがちなコーヒーに関しては、2016年ごろの研究でカフェインとPMS症状との関連性を否定する研究結果も出ています。 ※2
飲んでスッキリするのであれば、少しくらいならいいでしょう。チョコレートに関しても、個人的には、ほどほどであれば構わないと思います」
「糖分の摂取により血糖値が急に上がることでしょうか。血糖値が急に上がると気持ちが不安定になりやすいです。
もちろん“ほどほど”であれば問題ないのですが、甘いものが食べたいのであれば、砂糖などの糖類よりも、食物繊維を含んだ炭水化物を食べてもらうほうがいいですね。お餅にきな粉をまぶしたりして。
その中でも、私の知る限りにおいてはカルシウム・ビタミンB6・マグネシウムなどに効果があるのではと裏付けする報告はあります。
PMSが起こる原因の有力な仮説の一つとして、脳の中のセロトニンというホルモンの働きが関係していると考えられており、ビタミンB6やマグネシウムは、このセロトニンを作るのに作用します。
この説に従うと、積極的に摂取してもらうのがいいでしょう。
脂をとるなら肉よりもDHAなどの不飽和脂肪酸を含む魚を食べるほうが望ましいでしょうね」
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このエクオールとはどういうものなのでしょうか?
「もともと『大豆に含まれる大豆イソフラボンが女性特有の不調に良い効果をもたらす』※3という研究は数も多く、疫学研究から世界中の研究者に認識されていました。
エクオールは女性ホルモン(エストロゲン)とよく似た構造をしており、女性のホルモンバランスを整えるような作用も期待されている成分なのです。
また、女性ホルモンと作用部位が異なり、生殖器官には作用せず、副作用が出にくいのも特徴です」
「腸内細菌は、生まれつき持っているものではなく、成長する過程で獲得するもので、その有無には食生活などが関係していると言われています。
エクオールを作り出す腸内細菌を持っている人は、欧米では少なく、大豆を摂取する機会の多い日本や中国の人に多いといわれています。
ですから、少なくとも大豆をたくさん食べていると、エクオールを作り出せる腸内環境を自然と獲得できるのだと推測されています」
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「近年日本では大豆の摂取量が減っているというデータ※4 があるとともに、若年層ではエクオール産生者の割合が低いという調査結果も出ていますので、関連性があるのではと考えています。※5
PMSによる不調でお悩みの方は、以下の内容をご確認の上、臨床試験へのご協力をご検討ください」
臨床試験の詳細はこちら!
※上記遷移先【「月経前症候群(PMS)に対するエクオールの効果」臨床試験被験者募集】より参加方法及び臨床試験詳細をご確認ください。
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「精神的症状が強い場合、精神科にかかるというのもあるのですが、『精神科』というと少しハードルが高いかもしれませんね。
そういった方は、婦人科の中でも、『女性医学学会』に所属する専門医を訪ねてみるとよいかもしれません。
女性のライフステージに応じた健康管理の進歩・発展を図ることを目的とした学会なので、深い理解のもと、診療が受けられると思います」
自宅でできるセルフケアのようなものはあるのでしょうか?
「一番最初にすべきことはPMS症状について理解することです。
心身の不調の原因が本当にPMSなのか見極め、対処することが大切です。
なんとなく『自分はPMSだ』と思い込んでいるだけだと、他の重要な疾患を見逃す場合もあります。
「実際の診療でも、最初は症状日記を書いてもらっています。
まずはノートに書いたり、女性向けの体調管理アプリなどで、自分の症状や度合いを知ったりするだけでも変化があると思います。
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エクオールという成分、とても気になりますね。
大塚製薬では、他にも女性の健康に関わるセミナーを開催中です。
興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか。
(文/浜田みか)