枚方市立地域活性化支援センター主催、お茶しながら起業についてのリアルな話が聞ける
ひらかたビジネスカフェ
が、2016年7月17日(日)に鍵屋別館の4階のひらばで開催されました。
今回のテーマは…
「フリーランスで仕事をするってどういうこと?
実際どうなんか聞いてみたい!」
今年度、第3回目になる「ひらかたビジネスカフェ」ですが、5月に「
飲食店のことは俺に任せろ!」や6月には「
ビジネスを形にするポイント」をテーマに開催されました。ひらつーでも何度かご紹介させていただいてます。(過去記事は
こちら)
今回は枚方を拠点にフリーランスで活躍されている3名をお迎えしてお話を伺いました。
「フリーランス」って言葉自体は知ってるけど、漠然としたイメージを持たれてる方も多いのではないでしょうか?
今回はそんなフリーランスでお仕事をされている皆さんから、現在までの経緯やフリーランスのお仕事についてお聞かせいただく内容となっています。
それでは、当日の様子を抜粋してご紹介します!
第1部 ゲスト講演
最初にお話頂いたのは先日ひらつーでもご紹介させていただいたWEBデザイナーの岡田大誠さんです。
WEBデザイナー 岡田さん
私は岐阜県出身で、もともとは枚方とは何の関係もなく、関西に来てからは9年ほどバンド活動をしていました。
でもなかなか稼げずちゃんと働かなければとWEBを学ぶ学校へ行き、28歳からWEB業界に入ったんですが退職し、派遣社員やフリーターとして働きつつ3年で独立してフリーランスになりました。
HP制作セミナーや、クリエイターを100人ぐらい集めて話したりとイベント系の仕事もしています。
WEBデザイナー 岡田さん
どうしてフリーランスの活動をしているのかというと、会社の理念と同じように一本自分の軸をきめてます。「自由な選択を表現し、世界を広げる」これが僕の軸です。
僕は今31歳なんですが、30歳前後の人って結構今後の道に迷う人が割と多くいると思うんです。
ただその先の一歩を踏み出すのがものすごく不安って方が多いので、僕のように経歴がちょっと変わった人がフリーランスとして活動していくことで、同様にこの先の将来を悩んでる方に世界観や価値観に影響を与えられたら、と考えています。
今の仕事は単純にホームページが好きっていう事もあり、WEBデザイナーの仕事をしています。
WEBデザイナー 岡田さんフリーランスという働き方は、アメリカでは労働人口の3分の1を占めると言われていて一般的なものとして認知されてきています。日本でもフリーランスというのは増えてきて、アメリカにならってこういう働き方もいいんじゃないかとなってくると思います。
国内の問題として、終身雇用の考え方の崩壊やブラック企業等、いろんな問題があり、会社に自分の人生を100%預けるのが不安って方が増えつつあります。
結果、最近の傾向では自分で自分の人生を作っていきたいと思う方が増加し、独立する方が増えています。
だからと言って、フリーランスは安定するとも言えませんしこの先の不安もありますが、ニュースでもある通り大きい企業にいても、買収の影響を受けたり、人員削減があったりと安心することができません。
WEBデザイナー 岡田さん
フリーランスとして働くメリットは、選択の自由があることです。
どんな人と、どんな仕事をするのか、どういうクオリティ、スケジュールで仕事をするか。時間も場所も収入も全て自分次第です。
目指す人に伝えたい事として、建前でもいいので、なぜフリーランスをやるのか?を説明できるようにしておくのをオススメします。自分のやっていることを体系的に説明できる理由があると、軸ができると思います。
最初はお金や人脈など、ないものだらけです。
だからこそ、この人はこういうビジョンや信念があるんだと感じてもらえるようにすることが大切です。
自分の軸に「なぜ?」をちゃんと深掘りして、人にしっかり説明できるようにしておくと、「この人やったら、この人の活動を応援したいな」って人を巻き込むものをフリーランスをこれから考えている皆さんにも作ってもらえたらと思います。
続いてお話いただいたのは、ゴーストライターの森本ふくみさん。
ゴーストライター 森本さん
フリーライターと言っても色々ありますが、 私はその中でもゴーストライターと言って人の代わりに文章を書く仕事をしています。
ちょっと前に話題になっていた事もあり、もしかしたら良くないイメージをお持ちではない方もいらっしゃるかもしれませんが、怪しいお仕事ではないっていうことを今日知っていただければ幸いです(笑)
ゴーストライター 森本さん
ゴーストライターを選んだ理由としては、お客様との距離がすごく近く、評価が目に見える形で見られ、反応がダイレクトに伝わってくるので面白い、という理由から選びました。
お客様の目線になりきって文章を書くので、自分で生活していたら見られない色んな世界を見られて知的好奇心を刺激されるお仕事です。
もともとはデザイン会社のコピーライターをしていました。
毎日残業を繰り返し、週3日でタクシーで帰ったりと過酷な労働環境でした。仕事にやりがいはありましたが、体がついていけなくなった時に退職を検討したところで結婚することになり、結婚しても子供ができても働き続けられる仕事を考えた時に、フリーランスという道を選択しました。
ゴーストライター 森本さん
独立したのは、29歳の時です。
4年ぐらい、会社員時代に副業でライターをしていました。
多少下積みがあったので、独立の際も迷うこともなくスムーズに移行できました。自分で仕事を見つけて、少ないながら自分でお金を稼ぐという経験があったのが独立する時の自信に繋がったと思います。
独立から一番に考えていたことは、実績を増やすことです。
初めの頃は、企業に営業をかけた時に会社員時代でやっていたことを話していたが「会社勤めだからできたんでしょ?」と言われることが多く、独立してからは会社員時代の経歴は活かすことができないと気付かされ、個人での実績を増やすことに集中しました。
ゴーストライター 森本さん今は昔に比べ労働時間も減り、収入が上がったので軌道にのってきたのかと思います。
軌道に乗った理由としてあげられるのは、職種選びが良く、ゴーストライターというニッチな仕事を選んだので、ライバルが少なく大きな案件などにチャレンジする機会を得られたと考えます。
歩合制の世界なので、昔はちょっとでも収入を上げたくて多くの時間を執筆に充てていたのですが、子供が生まれてこのままではいけないと考え、ここ2年ぐらいで自分の時間や子育ての時間をしっかりとるようになりました。
仕事のスケジュールは状況を見ながら、自分の時間を大事にしながら休みを取るようにしていて、7年目にしてようやくフリーランスを楽しめるようになってきたと思います。
最後にお話頂いたのは
ひらつーでもおなじみの科学コミュニケーターの本田隆行さん。
科学コミュニケーター 本田さん
生粋の枚方人です。今の職業は「科学コミュニケーター」です。
もともと大学院まで行き、宇宙が好きだったので研究員を目指していました。星のことを調べていてもお金にならないと24歳で気づき(笑)これはいけないと思ったんです。
そのあと、地元に帰ってきて5年ほど枚方市役所で事務員として働いていました。環境保全でアライグマを追いかけたり、福祉のケースワーカーを2年間ほどやって、広報課で市のHPや広報誌の編集などもしていました。
科学コミュニケーター 本田さん
30歳の時、このままあと30年間役所で働いてもいいのかなぁっと30歳の男にありがちな人生の悩みを持っていました。さっき岡田さんの話でもありましたが(笑)
自分の好きなことを全部ミックスした仕事をしたいと思った時に、東京のとある科学館で「社会と科学をつなげるための人材、科学コミュニケーターを募集します」という記事を見つけたんです。
東京のお台場にある日本科学未来館という前の私の職場です。そこでお客様向けにいろんな科学の話題を解説をしたり、大きなホールでのトークやテレビに出たりと、科学を伝えるプロとしてちゃんと一人前になるために3年間を目処に武者修行をしていきました。
科学館での仕事を終え、昨年夏からフリーランスの科学コミュニケーターを始めました。科学館でやってた仕事をそのまんま独り立ちして自分の腕だけで出来るかということを試してみようかと思って、現在1年ほどフリーランスでやっております。
科学コミュニケーター 本田さん
科学コミュニケーターってなんなの?って思われる方が多いと思いますが、専門家(科学者、技術者)と専門でない人(一般社会)のつなぎ手です。
ですから、専門家が言っている言葉を知らないといけないし、 一般の皆さんが知らないことだったり、欲しいと思っているをニーズを知らないといけないので、その間をどうやって翻訳するかどういう話をするかということを常に仕事にしています。
最初からフリーランスになろうと思ってなったわけではないんです。
自分が持っているスキルややりたいことを、社会が求めているものとちゃんと合致できたら仕事になるのでは?という思いや、自分の手応えをもっと感じることを仕事にして生活ができたらそれほど素晴らしいだろうとの思いで退職に至りました。
役所を辞める際には、ある分野において人よりも貢献できます!ってぐらいのプロフェッショナルになろうという決意のもとやめました。
科学コミュニケーター 本田さん
じゃぁ今この業界で自分の力だけで生きていけるのかと言われると、それにはまだ実績が足りません。
やっぱり実績が大事で、実績を作るにはフリーランスを始めてから最初の一年ぐらいは仕事を選ばずに、相手が困ってることや問題点に対してどれだけ自分が持っているスキルを元に提案できるかが勝負だと思っています。
私はまだ一年ほどしかやってないので、来年の今頃に自分がどれぐらいの仕事を持っているかは正直わかっていないのですが、生計を立てて長いスパンの仕事をもらうというよりも、私はまず実績をつくるフェーズなのかと考えています。
ただ、がむしゃらにやるのではなく、フリーランスになった以上、自分の生活を担保しながらどうやったら次々に仕事をもらえるのかを考えています。
やはり一番でかいのは人です。知ってる人をどんどん増やして人脈を広げて、何かあればあいつが面白い事をしてくれるぞって伝えられるように。まずは知ってもらうことが大事なのかなと思っています。
第2部 フリートーク
続いて第2部では、司会のカトゥー@ひらつーを加えてのフリートーク。
カトゥーや参加者のみなさんからの質問に答える形でお話していただきました。
ー 自分がやりたいことと納得した仕事と納得した対価を得るために説明する力が必要だと思いますが、営業の際に仕事の説明や金額など含めてどう説明しましたか?
ゴーストライター 森本さん
最初は会社員時代に副業でやっていた企業さんと繋がりがあったので、そちらに営業をかけてお仕事をしていました。
お金にならなくてもサンプルを無料で作ったりと自分の仕事を知ってもらうことに努めていました。また、副業をし始める際はライターとしても初めてだったので、インターネットで仕事を見つけ格安でも仕事をしていました。
WEBデザイナー 岡田さん
僕も最初は
ランサーズなどを利用してインターネット上で仕事をやっていました。安くてもちゃんと自分のやってることがお金になることに感動していました。
企業も実績がなければ、依頼する側も判断をする材料がないので、最初の頃は安くてもまずは実績を作ることが大切かと思います。実績が出てきたら、自分のやってきたことを元に金額など交渉していく事が必要だと思います。
科学コミュニケーター 本田さん
僕の場合は具体的な例をあげにくい職業なので、まずは前職の科学館というフィールドで活動している元同僚づてに、何か周りで困っている人がいないか?と聞いていました。少なくとも3年間科学館で働いた実績があるので、そのやってきた事を元同僚が知ってくれているという前提の元で何かあれば自分を紹介して欲しいと頼んだり、私のできる事を知ってくれてる人からくる仕事をまずはやっていました。
価格については、知的財産を提供するという部分では共通すると考えて、プログラマーさんの平均的な時間単価などを基準にしながら提示していきました。
ー私も枚方市内でフリーランスをやっています。今後のことを考えて法人への営業を検討しているのですが、その営業の切り口を教えてほしいです。
科学コミュニケーター 本田さん
僕の場合は特殊で前職の科学館のつながりで、人づてで仕事をいただいたりしてました。
ゴーストライター 森本さん
私は話すのが苦手で、思ってることの半分が伝わらないと自覚があるので、メール1本で営業をしていました。
会社のHPの代表アドレスや問い合わせ先に「ライターいりませんか」と送っていました。過去の実績の紹介もそのメールにつけたりと。あとは、出版記念パーティーとかで人との繋がりを作っていきました。
WEBデザイナー 岡田さん
僕は営業経験はないです。ただその代わり自分の仕事のブランドを意識しています。
同業者が結構いらっしゃるので、差別化を意識してやっていくことを考えています。
最初はいろんな人から紹介を受けたり、自身のホームページから依頼を受けていました。
科学コミュニケーター 本田さん
結局、どういう仕事ができるんですか?と聞かれたときに出せるものは用意したほうがいいですね。
ちゃんと今までの仕事をポートフォリオみたいにキレイにまとめておくことが必要だと思います。
ーこれからの夢や希望などがあればお聞かせいただきたいです。
ゴーストライター 森本さん
ゴーストライターなので、人の名前で本が出たり、自分の名前が表に出ないんですが、将来的には自分の名前で小説を出せればいいなと思います。
カトゥー@ひらつー
文章が書くのが好きで、自分の名前は別にいいっていう考えでやってはるのかと思ってたのですが、やっている人が少ないという理由でゴーストライターを選択されたんですか?
ゴーストライター 森本さん
そうですね、需要に合わせました。本当は小説を書きたいと思っているのですが、小説家になろうとしてもそうそうなれないので、人の名前であれ執筆実績を作るのも必要かと考えました。
WEBデザイナー 岡田さん
年収アップを狙っていきたいです(笑)今考えているのは、枚方でホームページを作る学校を個人向けに開きたいと考えています。ホームページとかITというものがもうちょっと、皆さんにとって身近なものになればと思います。
科学コミュニケーター 本田さん
科学コミュニケーターって「風船割ったりするでんじろうさんみたいな人ですか?」と聞かれたりするのですが、「パフォーマーではなく話の繋ぎ手として、コミュニケーションで人と人を、人と分野をつなぐ仕事を専門にやってます」と言ってもなかなかわかってもらえないのが現状です。
なので、「科学コミュニケーターって言えば、本田さんって人がいるね」って言われるくらいの第一人者になるのが一番の野望です。
みなさん、貴重なお話をありがとうございました!
参加された皆さんの感想
取り組みたい事として人脈の再構築のため、IT使うにせよ足を使うにせよ、外に出る必要があるなと感じました。
とりあえず、まず行動することが大切だと思いました。
枚方のおもしろい人たちをたくさん知っていきたい。
講師の皆さんは、大量に仕入れた物を売っているのではなく、自分の知識や技術を商品にしている。
個人として企業にいかに信頼されるか?と実績の重要性を感じました。
今後、自分は何のプロとしてやっていくのか?どう仕事(人脈)を取れるか?を作っていく必要があると考えています。
時間の使い方と仕事(利益)を取っていく方法。
フリーランスとして軸をしっかり持っておく。時間の使い方。
同じ業種の人と同じ考えではやっていけないという事は漠然と思っていたが、本当にそうなんだなと思いました。
人と「つながる」こと、個人事業主として「経営」の勉強をしないといけないと思いました。
客単価の低いところからスキルを身につけていくことが必要だということ。
以上、ビジネスカフェの様子を抜粋してお送りしました!
枚方市立地域活性化支援センターでは様々なイベントや講演会を開催されています。
最後に今回のゲストスピーカーの皆さまを改めてご紹介して記事を締めくくりたいと思います。
3名のゲスト・スピーカーの皆さま、ありがとうございました!
WEBデザイナー
岡田 大誠さん
【プロフィール】
「枚方 ホームページ制作」で検索1位のクリエイター。
ホームページの制作はもちろん、チラシ、スマホアプリから企業への売上アップのアドバイスまでこなすマルチクリエイター。
岐阜出身の高卒。元バンドマンでギター・ボーカルなどでデビューを目指し、9年ほど活動するも、なかなか稼げずちゃんと働かなければとWebを学ぶ学校へ。
28歳からWeb業界に入るも、最初は使い物にならずクビになったり挫折もしながら地道に努力を続け、業界歴3年という短さで独立を果たす。
〜くわしくはこちらをご覧下さい!
▶︎公式サイト
お次は、
科学コミュニケーター
本田 隆行さん
【プロフィール】
大阪府枚方市出身、昭和57年生。神戸大学大学院 自然科学研究科 地球惑星科学専攻修了(理学修士)。大学院では、探査機「はやぶさ」理学ミッションにも携わった経験があり、このときに「自分は研究者向きでない」と心から悟る。
学業と平行して、地元の教育やまちづくり活動にも積極的に取り組んでおり、この経験を活かして枚方市役所に入庁。環境、福祉、広報部門を経験する。
その後、科学を伝える楽しさを忘れられず、再び方向転換。2012年4月より東京・お台場にある日本科学未来館へ移り、「科学コミュニケーター」としての修行を積む。2015年夏からは、フリーランスに転身、その活動の幅を広げる。
現在は、「サイエンスZERO」「ZIP!」「林修の今でしょ!講座」等のテレビやラジオ
に出演したり、大学の非常勤講師、科学展示監修、コンサルティングなどを行っている。
外部ライターをしても活躍中。
科学コミュニケーターとは ・・・?
私たちはさまざまな科学や技術に囲まれています。そう遠くない将来、エネルギー・医療・ロボットとの共同生活など、科学に関わる多様な課題に直面し、何をどう選ぶのかを判断する時が来るでしょう。科学コミュニケーターは、その時に備え、科学を分かりやすく伝え、その先に何を選択するかを一緒に考えるのが役目です。科学はちょっと苦手・・・と感じる方に興味を持つきっかけを作るのも、私たちの仕事です。
〜くわしくはこちらをご覧下さい!
▶︎公式サイト
最後は、
ゴーストライター
森本 ふくみさん
【プロフィール】
ゴーストライター、ライター、コピーライター。印刷会社、広告制作会社を経て、2010年7月より独立。2012年4月より、「Office W’s Blend」として本格的に事業拡大中。
現在は、主にビジネス書籍のゴーストライティングやインターネットコンテンツなどを執筆している。
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