これはシュン@ひらつーが体験した『あなたも主人公になり得る』時計を巡る物語である。
それはふとしたキッカケから始まった。
実家に帰ったシュンが押し入れで偶然見つけたのは、かつて愛用していた壊れてしまった祖父の形見の腕時計だった。
中学3年の秋、同居していた祖父はこの世を去った。
かつてあった香里ケ丘Cセンターの文房具屋で、散歩ついでによくガンダムのプラモデルを買ってもらった記憶が蘇る。
シュンにとって、祖父の形見がはじめて身につけた腕時計だった。
少し大人びたシンプルで飽きの来ないデザインは彼のオシャレ心をくすぐった。
使い始めて5年ほどが過ぎたある日、机に時計を引っ掛けてバンドが壊れてしまった。それに呼応するように時計も止まった。
「いつかまた直そう…いつか…」
そう思いながらも新しく時計を買ったこともあり、祖父の時計は物置で眠ることとなった。
市駅東改札前に「時計・宝石のミノル」がリニューアルして時計修理職人のいるプロショップになる。
そのことを知ったのは、枚方の地域情報サイト『枚方つーしん』の記事だった。
枚方市駅東改札を出て真ん前に見えるガラス張りのお店がそれだ。
by ミノル
◆営業時間 10:00〜21:00
◆定休日 年中無休
◆電話番号 072-804-3078
◆住所 枚方市岡東町19-1 京阪ザ・ストア枚方2階(枚方市駅東改札口真ん前)
◆関連リンク
ひらかた時計宝石修理研究所
ガラス越しに国家資格を持った時計修理技能士が修理に勤しんでいるようすが見える。
(なんだか超本格的じゃないか…)
修理をお願いしに来たシュンだったが、その本格的な雰囲気に少しひるんでしまった。
おそるおそる窓際に近づくシュン。
職人はそんな雑音を物ともせず淡々と時計修理を続ける。
やっぱりまた今度にしようか…
いや、ダメだ!このキッカケを逃せば
『いつかまた直そう…いつか…』
の繰り返しじゃないか…!
覚悟を決めて店内に入ったシュンを迎えてくれたのは、ひらかた時計宝石修理研究所の所長であり時計修理技能士の隅田だった。
「どうされました?」
笑顔で迎え入れてくれた隅田に安心したシュンは時計との想い出を語りはじめた。
「実はこの時計、じいちゃんの形見なんですが…ずっと放りっぱなしにしていて…いつか直してもらおう…いつか直してもらおうって思いながらもう10年ほど経ってしまったんです…」
「拝見させていただいてよろしいですか?」
隅田は落ち着いた所作で時計を手にとった。
「なるほど…。状態はさほど悪くありませんので、電池とパッキン交換・バンド調整だけで大丈夫だと思います」
「ホントですか? また使えるようにしてもらっていいですか!」
「かしこまりました」
すぐに作業に入った隅田はさっきまでの柔和な瞳から深く澄んだ職人の目になっていた。
シュンと祖父の止まった時間。
隅田は再び動かすことができるのか…
ここでは職人の仕事が常に視線にさらされる。それは今までクローズにされていた『修理』という工程にスポットを当てる。その技術と精度に自信がなければできないことだ。
修理への期待が高ければ高いほど集中していく隅田にシュンは深い安堵感を覚えた。
そう語る隅田はわずか40mmの中に広がる宇宙の時間を正確に取り戻すため、これらの道具を巧みに操り復元する。
素人目には高すぎるテーブルの前で淡々と作業をこなす隅田。職人にとっての日常はシュンの目にはとても珍しく映った。
「ご心配ですか?」不安げなシュンの様子を見かねてか、気さくに声をかけてくれた男性がいた。
声の主は蝶ネクタイの似合うこの男性。ひらかた時計宝石修理研究所のボスであり、母体となっている『時計・宝石のミノル』代表取締役の松藤だった。
「こんなに身近に修理を見るの初めてで…」
「なかなか職人が作業をするようすを見られる場所はありませんからね。20分ほどご覧になっていかれる方もいらっしゃるんですよ?」
そう言って松藤は笑った。
「店頭で職人さんが作業するのが見えるというスタイルは珍しいですよね?」
「そうですね。お客さまにご覧いただける工房を販売店に併設しているスタイルは日本初なんじゃないでしょうか」
気さくな松藤にシュンも思わずヒートアップしてしまう。松藤からは人を警戒させない温和な人柄がにじみ出ている。
「工房の横にも色々とディスプレイしていますのでご覧になられますか?」
そう言うと松藤は、工房の横に併設された棚へシュンを案内した。
「こちらはメッキを施す機械です」
「はぁ〜」
「実際に現在も使用しているものをディスプレイしているんです」
「そうなんですか?」
まるで博物館のような雰囲気から、てっきり現役を引退したものだと思っていたシュンは驚いた。
「これは実際に使ってみましょうか」
そういって松藤はディスプレイされていたスピーカーのような機械を取り出した。
「こうして聴診器の先のような吸盤を時計につけ電源を入れます。そうすると時計の動作音をスピーカーから確認できるので、秒針のない時計が動作しているかどうかも調べることができるんです」
「面白いですね」
ロボットアニメの金字塔、機動戦士ガンダム好きのシュンとしては、メカニックな説明はたまらなく興味をそそる。
「この写真は…創業時のものですか?」
シュンは壁にかけられた一枚の写真を見つけた。
「えぇ。この工房の母体である『時計・宝石のミノル』は昭和39年、東京オリンピックの年に父の松藤ミノルが創業したんです。
『ミノル時計店』の屋号で52年前にスタートしました。父が25歳の時です。
私も海外留学から戻った25歳の時にこのお店に入りました。奇しくも父と同じ年齢でした」
松藤はシュンを椅子に促し話を続けた。
「四半世紀この仕事に携わらせてもらって感じるのは、ジュエリーや時計は『想いがこもっている品物』だということです。
愛している人にプレゼントされたもの、入学祝いに買ってもらったもの、初任給で奮発して購入したもの…。どれも『皆さんの想いが強くこもっている』お品物です。
販売店も併設していますが、この4月にリニューアルして工房を前面に押し出したのは『お客さまの想いを汲みとって長く大切にしていくお手伝いをすること』がこれからの私たちの一番の仕事ではないかと思ったからなんです」
松藤は気さくな話し方ながらも、芯の通った声で話した。
「お客様の想いのこもった大切な品物が、
『どこへ行けば再生してもらえるのか?』
『想いをちゃんと伝えることができ、その意を汲み上げてくれて、期待以上の仕上がりで応えてくれる店はどこなのか?』
その期待に応えられるお店が今求められている…。そう京阪沿線を中心に52年間やってきて感じたことなんです」
「だからこの店を立ち上げた…」
「その通りです。枚方T-SITEのオープンもキッカケになりました。ライフスタイル提案型の百貨店には現役を引退されたプレミアムエイジ(60歳を越えた団塊の世代)の方々もお越しになるだろうと考えました」
夜の枚方T-SITE(ただの枚方No.98より)
「その年代の方にも需要があると」
「はい。4月末にオープンから今まで特に宣伝もしてこなかったんですが『修理してほしかってん』という想いをずっと持っていらっしゃったお客さまが本当にたくさんいらっしゃるんです」
「お待たせいたしました」
松藤の熱のこもった会話に引き込まれていたシュンは隅田の呼びかけで我に返った。
隅田の手の中に復元された時計を見てシュンは言葉につまった。
「バンドも調整いたしましたので、一度はめてみてください」
シュンの腕時計は見事に息を吹き返し、新たな時間を刻み始めた。それは止まっていた祖父との想い出が再び動き出した瞬間でもあった。
今回の修理にかかった費用は…
パッキン交換 ¥500
バンド調整 ¥1,000
ーーーーーー
合計 ¥2,500(+消費税)
修理の詳しい金額については時計修理の項目と価格のページ(→コチラ)をご覧いただければ概ねわかるはずだ。
無料で作れるメンバーズカードを作成すれば、次回から電池交換が500円(+税)の割引を受けられるので、そちらもぜひご検討いただきたい。
「本当にありがとうございます!」
シュンは隅田に心からの御礼を伝えた。
隅田はにっこりと笑ってから穏やかに言った。
「相談だけでも聞いてくれるんですか?という方もいらっしゃいますが、まさにそれが私たちがしたいことです。
当店で購入されたかどうかは関係ありません。
お客さまの想い出がたくさんつまったお品物を責任をもって再生し蘇らせる。それが私たちの使命であり哲学です」
こうして彼の止まっていた想い出と時間は再び流れだしたのである。
アナタの自宅の押し入れに、納戸に、机の奥底にしまったままの『大切な時間』が眠っているのなら、それを目覚めさせるのは今、この瞬間なのかもしれない。
送料無料の見積り・修理用簡単配送キットのお申込みは上記バナーをクリックして、お問い合わせフォーム・またはお電話(072-804-3078)で問い合わせていただきたい。
なぜなら…
この物語はあなたへと続くのだから…
by ミノル
◆営業時間 10:00〜21:00
◆定休日 年中無休
◆電話番号 072-804-3078
◆住所 枚方市岡東町19-1 京阪ザ・ストア枚方2階(枚方市駅東改札口真ん前)
◆関連リンク
ひらかた時計宝石修理研究所
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