\北大阪商工会議所×ひらつー/
地区内における商工業の総合的な改善発展を図り、社会一般の福祉の増進に資することを目的としている商工会議所と、枚方の地域情報を日々発信している枚方つーしんのコラボ企画!
北大阪商工会議所。
一度は聞いたことがある人が多いとは思いますが、「一体何をしているのか?」「どんな企業が参加しているのか?」といったことまで知っている人となると数はぐっと減るのではないでしょうか。
少しでも身近に感じていただけたらと、北大阪商工会議所に入会されている企業を月に1度のペースでご紹介していきます!
■過去のコラボ記事
3回目の主人公は、寝屋川市で企業や商品のブランドプロモーションなどを行うツグ アンド カンパニー株式会社の代表取締役、盛田 清人氏(58歳)だ。
盛田氏は、元三洋電機ラグビー部で活躍したラガーマン。
引退後は、同社の宣伝やブランド戦略などの部署で、テレビやイベントの企画・制作などに携わったPRのスペシャリストだ。
その後、首都圏のスーパーや大阪の靴下総合企業でマーケティングの責任者を歴任し、2015年に独立。地元の寝屋川市で創業した。
現在は、本業である「ブランドプロモーション事業」、義兄から引き継いだヘアーサロンなどを経営する「ビューティー事業」、そして、プロラグビー選手の長男・盛田 志(こころ)氏と、7人制ラグビー日本代表に選出されている次男・盛田 気(ちから)氏のプロモーションなどを行う「ラグビー事業」の3つの事業を多角的に経営している。
一見すると、3つの事業は全く関連性がないようにも思えるが、実は、根底にある思いは同じだという。
盛田氏が目指すものは、「お客様の個性を最大限発揮させる魅力づくりに貢献し、ハッピーを届けること」。
そのためのツールとして、企業や商品のブランドプロモーションがあり、美容サロンがあり、そして、ラグビーのPRを通じた地元の活性化があるという。
大体大→三洋電機ラグビー部で活躍したラガーマン
引退後は、宣伝、ブランド戦略を徹底的に学んだ
まずは、盛田氏の経歴をご紹介したい。
盛田氏は、高校時代にラグビーを始め、大阪代表として出場した「びわこ国体」で優勝。大阪体育大学に進学し、学生日本代表に選出される。
1987年、三洋電機株式会社(当時)に入社。ラグビー部でLOとして活躍し、日本選抜にも選ばれた華麗な経歴の持ち主だ。
当時は、プロ選手ではないので、会社員としての仕事が終わってからラグビーの練習、繁忙期は、練習の後、職場に戻って残業するといった過酷な生活を送っていたそうだ。
1996年に現役を引退、本社宣伝部に配属される。
バリバリの体育会系の盛田氏だが、元々、文章を書くことや表現することが大好きで、コピーライター志望だったのだ。
ミュージカルを原作で読み、NYやラスベガスで実際に舞台を見て、映画も鑑賞し、同じ作品でも表現や演出がどう違うのかを学び、自身の仕事のアイデアにつなげていったそうだ。
本社では、宣伝のほか、ブランド戦略やマーケティングにも携わった。
盛田氏は、「ブランドとは『魅力』。他を圧倒するような企業や商品の魅力づくりをいかにしていくかをずっと考えていた」と当時を振り返る。
この間、所ジョージ氏を起用した「テ・ブ・ラ・コードるす」のテレビCMや、ニッケル水素電池「エネループ」のブランド戦略を担当、数多くの展示会やイベントなどを取り仕切り、プロモーションのスペシャリストとなった。
自ら会社を立ち上げた今、「三洋電機時代に、宣伝やブランド戦略について徹底的に考え、モノの価値とモノの値段を見極めて適正コストをはじき出した経験が今に活きている」と語る。
2011年、盛田氏に転機が訪れる。
三洋電機がパナソニックの完全子会社化になるのをきっかけに退社を決意。
決断の理由について、「当時、三洋電機の本社で部長を務めていたが、会長や社長と直接話せる会社だった。しかし、パナソニックは、非常に大きな組織で縦割りが強い印象。私は、社内調整が苦手だし、むしろ攻撃的に前にどんどん出ていくスタイルで仕事をしたいと思った」と明かしてくれた。
そして、オーナー企業で仕事をしたいと、首都圏のスーパー株式会社Olympic、全国で「靴下屋」を展開するタビオ株式会社でそれぞれマーケティングの責任者を歴任し、2015年に独立。地元の寝屋川市で創業した。
ブランドプロモーションとビューティー事業の二本柱
社名の「ツグ アンドカンパニー」には、盛田氏が尊敬する幕末の人物、越後長岡藩家老・河井継之助(つぐのすけ)のように「高い志と理想をもって、お客様に貢献したい」という強い想いが込められている。
創業時は、ブランドプロモーション事業とビューティー事業の2本柱で始まった。先述したように、いずれの事業にも「お客様の個性を最大限発揮させる魅力づくりに貢献し、ハッピーを届ける」という共通の思いがある。
ブランドプロモーション事業では、三洋電機時代に培った経験や人脈を活かし、大手企業のブランディング戦略の立案・企画・制作や、PR映像や多くのスポーツレジェンドとのネットワークを活かしたスポーツイベントの企画・制作などを数多く手がける。
例えば、「くら寿司」の国産天然魚プロジェクトを紹介する映像、新型コロナ対策で対面や接触の機会をなくした新たな店舗をPRする映像を企画・制作。
株式会社シリウスが販売する世界初の次亜塩素酸空気清浄機「ウイルスウォッシャー」のプロモーションでは、2012年ロンドンオリンピック柔道金メダリスト・松本 薫氏を起用している。
一方、ビューティー事業では、寝屋川市と枚方市で、ヘア・ネイル・アイのサロンを3店舗経営(2022年4月現在)。義兄から引き継いだ事業で、盛田氏にとっては馴染みの薄い業界だ。それに加え、「その数はコンビニより多い」と言われる美容室は、人材の確保が非常に難しい。
このため盛田氏は、改革を進めて経営の効率化を図ると同時に、働きやすい職場づくりに力を入れてきた。盛田氏にとって初めてのサロン経営だが、実は、スーパーでの経験が役立ったという。「答えは本部ではなく、現場からしか生まれない」。
スーパー時代、売り上げに伸び悩む店舗があったら、本部で原因を分析・検討するのではなく、実際の店舗に行って現場で従業員と膝を突き合わせて話す。
現場がモチベーションを持って働いているかどうかが大切だということを学んだという。
そして、「現場の役割分担を決め、チェック、フォローの仕組みを作ることが上に立つ者の仕事だ」と当時の社長から教わったそうだ。
盛田氏は、その教えをサロンでも実践。
毎日の朝礼に、盛田氏が出席し、コミュニケーションを図る。
そして、店内やバックヤードの整理・整頓・清掃、看板や販促POPの制作、ワゴンの管理、雑誌の更新など、現場では様々な細かい業務がある。
こうした日々の業務をお客様目線で、如何に自主的に改善させながら取り組めるかが課題だったが、スタッフ全員が役割を分担しリーダーを務め、ルールを決め、共有し実行していくためのシートを導入し、月に一回、朝礼で発表してもらうような仕組みを作った。
加えて、最新のカラーや縮毛矯正の技術を学ぶための研修や、何よりも「靴下屋」でも学んだお悩みを解決するコーディネート力(提案力)の向上に力を入れている。
現在、正社員や契約社員合わせて18人のスタッフがいるが、子育てをしながら働くママ美容師も多いそうだ。
そして、今の時代に合わせて自由参加制で、スタッフの誕生日会や旅行なども企画し、チームづくりを大切にしているという。
三本目の柱が、
プロラグビー選手のプロモーション
2年前からは、ラグビー事業もスタート。盛田氏の三人のご子息は、全員が現役のラガーマンなのだ。
ラグビー事業部門には、現在、長男の盛田 志選手と、次男の盛田 気選手が社員として所属している。
そしてCTB、WTB、FBの志選手は、清水建設江東ブルーシャークスに、WTB、FBの気選手は、宗像サニックスブルースにそれぞれプロ選手として入団。
気選手は、7人制ラグビー日本代表に選ばれ、2024年のパリオリンピックを目指して挑戦を続けている。
盛田氏は、所属選手として、二人のプロモーションを展開する。二人は、先述の美容室のヘアモデルも務めていて、まずは地元のファンを増やし、ラグビー全体をさらに盛り上げるのが狙いだ
夏にはサロンの新規店舗をオープン
若い世代の顧客獲得狙う
地元・寝屋川で創業してから7年。
この夏には、寝屋川市駅の近くにサロンをもう1店舗オープンする予定だ。
主に若い世代がターゲットで、顧客の新規獲得のため、盛田氏は、商工会議所主催のGoogleマイビジネスやInstagramなどのセミナーに積極的に参加。
その縁で、商工会議所情報センターがホームページのリニューアルを担当している。
盛田氏は、「サロンは、自宅と職場・学校の間のいわば第三の場所。気楽に来ていただける地域の人とのコミュニケーションの場にしたい。ラグビーも地元の代表として頑張っている姿を多くの人に見てもらって地元を盛り上げ、ハッピーを届けたい」と語る。
目指すは、「地域で一番魅力がある店、会社」だ。
ツグ アンド カンパニー株式会社
〒572-0008
大阪府寝屋川市菅相塚町8-23
TEL:072-381-7777
■関連リンク
・北大阪商工会議所