\北大阪商工会議所×ひらつー/
地区内における商工業の総合的な改善発展を図り、社会一般の福祉の増進に資することを目的としている商工会議所と、枚方の地域情報を日々発信している枚方つーしんのコラボ企画!
北大阪商工会議所。
一度は聞いたことがある人が多いとは思いますが、「一体何をしているのか?」「どんな企業が参加しているのか?」といったことまで知っている人となると数はぐっと減るのではないでしょうか。
少しでも身近に感じていただけたらと、北大阪商工会議所に入会されている企業を月に1度のペースでご紹介していきます!
今回の主人公は、2022年4月26日に茄子作で「ワタスキ珈琲焙煎所」をオープンさせた所長の田本 修氏と、「ワタスキ珈琲焙煎所」をコラボ経営している「いいねいいねドットコム」の代表取締役・衣笠 真佐美氏の2人だ。
衣笠氏は「お母さんが活躍できる場所を作りたい」という思いから、北大阪商工会議所の支援を受けて、主婦のための情報サイト「いいねいいねドットコム」を2010年に開設。
「いいねいいねドットコム」の事業は多岐にわたる。
数多くの母親から母親目線での率直な意見を企業へと伝える事業を主として、セミナーの講師や、子供が参加できるイベントなどを開催するなど、開設から10年以上経ち、母親目線での意見を提供してくれる会員の数は今や3000人を超えている。
今回のもう一人の主人公、田本氏は、「いいねいいねドットコム」の取引相手である食品会社でかつて役員として働きつつ、煙が出るにもかかわらず自宅で珈琲豆を焙煎していたほどの珈琲好きである。
プライベートでも親しかった2人だが、田本氏の定年退職をきっかけに衣笠氏とコラボレーションして、「ワタスキ珈琲焙煎所」が誕生した。
「ワタスキ珈琲焙煎所」は、『購入後に目の前で生豆を焙煎してくれる』枚方では数少ないお店だ。
きっかけはコロナによる在宅勤務
食品会社役員として東京で勤務していた田本氏。自宅で焙煎した珈琲豆を友人にプレゼントするなどして、珈琲を趣味として楽しんでいた。
そんなある日、衣笠氏から突然連絡が。
「自宅で珈琲を飲んでいるものの、珈琲を飲んでいる気がしない」。
それは新型コロナウイルスの影響により、お店での本格的な珈琲を楽しめなくなった衣笠氏の悲痛な声だった。その言葉が田本氏を動かした。
田本氏は焙煎した豆とサイフォンを衣笠氏に送り、さっそく「美味しい」とお礼の言葉が返ってきた。田本氏はそこに喜びを感じたのだった。
そうしてしばらく珈琲豆のやり取りが続いたある日、衣笠氏は田本氏に焙煎した豆を販売しないかと提案。衣笠氏は前述のとおり、コロナ禍で外出しづらくなり、本格的な珈琲に飢えていた。そんな時に田本氏から送られてきた珈琲豆と道具が衣笠氏を変えた。
様々なお店に珈琲豆を買いに行き、飲み比べた結果、田本氏の焙煎した珈琲豆のレベルの高さを改めて思い知った衣笠氏は、田本氏にこう言った。「田本さんお店、やればいいじゃないですか」。
田本氏にとっては思いもしない申し出だった。齢60で定年退職後、再雇用で職場に残った。しかしどうしても感じてしまう物足りなさ。追い打ちをかけるようにコロナ禍で在宅勤務となっていた田本氏はくすぶっていた。
「やるんだったら、早い方がいいな」田本氏の決断は早かった。
コロナ禍ということもあり、実店舗を持つわけではなく、ネット販売を勧めた衣笠氏は、牧野にある「いいねいいねドットコム」の事務所でその豆を使った珈琲を販売できればと構想を膨らませていた。
しかし彼が東京から枚方にやってきた2021年の秋ごろ、2人は事務所とは別に、実店舗を持つことを決断していた。
「本当は沖縄でお店を開こうと思っていたんです」と田本氏は振り返る。
沖縄県でお店を開くことが憧れだった田本氏の前に立ちふさがったのは、沖縄県の不動産価格の高さだった。沖縄を諦めざるを得なかった田本氏の相談に乗ったのも衣笠氏だった。
その衣笠氏の相談に乗ったのが、なんと北大阪商工会議所。オススメの物件はないか相談したりもしたそうだ。
北大阪商工会議所のことは学校だと思っていると衣笠氏は言う。
「いいねいいねドットコム」創業時から、ずっと事業のことを気にかけてくれていて、相談もしやすい空気がある。何よりも本当に役立つアドバイスがもらえる。今回もそうだった。
「ワタスキ珈琲焙煎所」ならではの冒険ではないかと衣笠氏も自負する。
2人の物件探しは、店舗兼住居という条件もあって難航したが、1件だけ条件の合う物件が茄子作に見つかった。それが現在の「ワタスキ珈琲焙煎所」である。
「条件に合う店舗は、本当にここしかなかった」と2人は口を揃えて言う。結果的に家賃も沖縄よりもかなり抑えることができた。今では茄子作や枚方の立地などの環境にも満足しているという。
そしてついにワタスキ珈琲焙煎所、オープン
そんなこんなで2022年4月26日にオープンした「ワタスキ珈琲焙煎所」。
店名の由来は「私の好きな珈琲淹れてみました。」の略称だ。
『ワタシのスキな豆を、ワタシのスキな珈琲を淹れるから一緒に飲みましょう』というスタンスからきている。
お店に出す珈琲で特にこだわったのは「新鮮さ」。田本氏の珈琲豆が美味しいのは「新鮮」であるからに違いないと考えた衣笠氏は、目の前で生豆を焙煎して販売することにこだわった。
そのために正確で細やかな焙煎が可能なコンピュータ制御の焙煎機を導入。
焙煎度合を1〜5の間で設定できる優れものだ。
新鮮さを求める代償として焙煎に10分近くの時間を要してしまうが、待ち時間にお店で珈琲を淹れて、1杯無料で提供するというサービスを考案。
コーヒープロフェッショナルの資格をもつ田本氏の珈琲が無料で飲めるということもあってお客様の評判は上々だ。
豆の仕入れにも拘る。生産国はもちろん、味、香り、値段まで、バラエティ豊かな豆を揃えた。店内には様々な国の豆が用意され、値段も400円から2,800円まで(2022年7月時点)と本当にバラエティ豊富だ。
そして豆売りでは珍しい100g単位での販売を行っている。焙煎する手間は、豆の量が100gであろうと1kgであろうとあまり変わらないため、少量で焙煎するお店は少ない。
田本氏の色々な珈琲豆にチャレンジしてほしいという思いと、衣笠氏のかつて少量の珈琲豆を求めた体験から、100g単位での販売は「ワタスキ珈琲焙煎所」の拘りのひとつだ。
販売する豆の中には衣笠氏が苦手なものもあるという。
例えば、ブランデーのような香りがする豆。衣笠氏はあえて「苦手な珈琲豆がある」とお客様に伝え、そこからコミュニケーションが広がり、興味を惹かれ、その珈琲豆を購入していく客もいるという。
100g単位で販売することに拘った「ワタスキ珈琲焙煎所」ならではの冒険ではないかと衣笠氏も自負する。
「ワタスキ珈琲焙煎所」が開店してまだ数ヶ月。常連客をすでに掴んでいる。
「昔飲んだ珈琲が忘れられない」というあるお客様からのリクエストを受けて、お店で試行錯誤の末に納得できる珈琲を一緒に作ったこともあった。
別の常連客からは「ワタスキ珈琲焙煎所の豆を使った珈琲を淹れた瞬間に幸せになれた、そのお礼に」と、お店のロゴをあしらった消しゴムハンコをもらったこともあった。
珈琲が嫌いな人でも好きになれるお店を目指す
お客様各々の嗜好に合わせて、珈琲を提案する、言わば珈琲カウンセラーのようなサービスもいつか挑戦したいと田本氏は語る。
珈琲豆を自販機やキッチンカーで販売することにも興味があるそうだ。
「『あそこの珈琲がおいしいよね』ってたくさんの人が言ってくれて、そういった評判が定着することが一番うれしいです」と田本氏。
衣笠氏は当初の構想通り、牧野駅前にある自身の事務所でサテライト店を開店。毎週木曜限定で事務所前にてサンプル配布と販売を行っている。こちらも好評だ。
「ワタスキ珈琲焙煎所に行くと、珈琲のことが嫌いでも、好きになれるかも、というふうに思ってもらいたいんです」田本氏と衣笠氏の挑戦はまだはじまったばかり。
「枚方でお店を開いてよかった」、紆余曲折あったけど、田本氏は心の中でそう思っているのではないだろうか。
ワタスキ珈琲焙煎所
〒573-0071
大阪府枚方市茄子作4丁目26-37
TEL:072-395-7164
ワタスキ珈琲焙煎所公式サイト
株式会社いいねいいねドットコム
〒573-1146
大阪府枚方市牧野阪2丁目2番18号
TEL:072-866-1300
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