枚方の知られているような知られていないような新たな魅力を発掘していくべく、枚方市役所と枚方つーしんがタッグを組んで作る、コラボ企画!
2017年の夏から、ラーメン・ランチ・焼肉・スイーツとグルメ座談会を主にお送りしてきました。
1月からグルメシリーズと並行して始まった企画が、
(どどーーーん!)
「文化財?はい、もう無理〜難しい情報いらんねん。開店閉店情報とかグルメとか、ひらつーのゆるーい記事でええねん」
と思ったアナタ。正直言って私くらもそのタイプですよ。
おさやに「文化財の取材行くで〜」と言われた時も
と心の中で思っていたことは今でも秘密です
だがしかし!!
取材をしてみたら意外と(笑)面白くって、難しい事がわからなくても
昔枚方でこんなことがあったんや、しかもこの場所で!?
とか思いを馳せる事が楽しかったです。
というわけで、興味ないとか言わずに!騙されたと思ってちょいと覗いてみてくださいな
第一弾はひらつーの新人ハッチがくずは周辺を巡りました。
枚方市役所×枚方つーしんで、枚方市内の知られざる文化財の魅力をお届け。
歴史にまつわる場所に、文字がずらずらずら〜〜〜っと書かれていて、くらはいつも1行読んだだけで読んだ気になっているやつなんですが(皆さんちゃんと読んでるんですかね〜)
これって、つまり一言で言えばなんなん!?
っていうのを枚方市教育委員会の文化財課の方に教えてもらうという企画です。
今回の登場人物 ↓
川嶋さん
奥様がもともとひらつー読者。
そんな奥様とケンカした翌朝は、ご飯を食べずにスルリと家を抜け出すことも…。
そんな訳で通勤途中のモーニングについてアンテナを張り巡らせています。
ちなみに、元文化財担当。 枚方市教育委員会事務局文化財課
井ノ上さん
柔らかな雰囲気が魅力的。
丁寧でわかりやすい解説に定評がある。
井ノ上さんが社会科の先生だったらもっと成績良かったかも!
と思わせてくれます(笑)
枚方つーしんイベント担当
くら@ひらつー
枚方生まれ、枚方育ちのアラサー。
約30年枚方にいた割に枚方については詳しくない。
好奇心は旺盛なので、きっかけがあれば楽しめるタイプ。
今回の文化財コラボ企画は、
・百済寺跡
・厳島神社
・東高野街道
・九頭神廃寺公園
・文化財展示会(輝きプラザきらら内)
・埋蔵文化財の発掘現場
以上6箇所を巡ってきました!盛りだくさん!!
たくさんあるので何回かにわけてお届けしますっ。
今回は「百済寺跡」編ですよ〜
という事でさっそくやって来たのは〜・・・
地図ではこちら
京阪交野線宮之阪駅の高架下にあります。
おしゃれな店内で美味しいコーヒーが飲めます。ガッツリご飯も食べられるのも嬉しいポイント。
(くらのオススメは、about a coffeeさんの面白いブログ)
「頼りがいのあるサボテンさんがいるわ…。くらはお腹空いてん。はよご飯持ってきて〜。」
「まさか初っ端からご飯食べるとは思ってなかったけど、まぁええか!」
「腹が減っては戦はできません!」
「お、おぉ、そうか…(妙な一体感やな)」
日替わりランチ
お肉のランチ
デミグラスふわとろオムライス(一番女子っぽい!(笑))
そう、皆思い思いのメニューを注文しました。
…見事にバラバラ!(笑)
「で、今日は百済寺跡に行くんですよね?」
「そうやで、ランチ食べて終了じゃないからな〜(笑)」
「そうです、ランチで終了ではありませんよ!スミマセーン、デザートお願いしますっ(キリッ)」
「なるほど、ランチで終了せずにデザートまでいかないと!ですよねっ(キリッ)」
「結局みんなデザート頼んでしまったなぁ(笑)」
「でもabout a coffeeに来たらやっぱりコーヒーとケーキも食べたくなっちゃうんですよ〜 仕方あるまい!です」
「で、百済寺跡ってここからすぐのところですよね。道路から見えているから私も見たことはあります〜!」
「また後で説明しますが、百済寺跡は国指定の特別史跡なんですよ。」
「そうそう、特別史跡。ポイントやから覚えといてや。」
「特別…もうその名前からしてスゴイっていうのがわかりますね。」
「ペロッとご飯もデザートも食べちゃいましたし、そろそろ向かいましょうか〜。」
「いや、にしても・・・みんな食べるん早ない?俺もうちょっとゆっくりしたかったわ〜。」
「ささっ、特別史跡見に行きましょ〜!川嶋さん、置いて行きますよ〜〜〜」
住所
大阪府枚方市宮之阪1丁目9-32
072-898-5117
8:00~22:00
(L.O▶食事21:00 ▶ドリンク21:30)
毎月最終水曜日
(営業時間等は記事作成時点での情報なので、上記リンク先でもご確認ください)
特別史跡「百済寺跡」へいざ。
「さて、川嶋さん…いきなりですがONE PIECEのロビン(考古学者)が読んでいそうなものが出てきました。私には読む気力がおこらないので一言でお願いします。」
「よっしゃ、任せとき〜」
「大阪に2つしかない『特別史跡』!」
「ふむ!井ノ上さん、合ってますかっ?」
「はいっ、今回は珍しく!その通りです〜!(←前回のくずは編ではずいぶん手直しされていました)
ちなみに大阪にあるもう一つの特別史跡は『大坂城跡(大阪城公園)』ですね。」
「おおっ、川嶋さん〜良かったですね〜」
「おいおい、珍しくって何やねん。俺だって元文化財担当やねんぞ〜!」
「…ってもう誰も聞いてへんやん。」
「え?なんか言いました?」
「いや、っていうか何してんねん(笑)はよ、中行くで〜」
「そういえば、松がサッパリなくなりましたよね〜?松があるのも素敵やと思ってたんですが、何でこういうかたちにされたんですか?」
↓かつての百済寺跡
「実は、松やクスノキの根が昔の百済寺の痕跡をどんどん破壊していってしまって、本当に威力がすさまじいんです。塔を建てる時に礎石という石の土台の上に柱を立てるんですが、人が数人集まっても持てないようなその石が木の勢いで動かされまくって本来の位置から少しズレてしまっているんです。」
「そうなんですね〜。松とクスノキの威力恐るべし」
(松と一緒に傾くくら)
「松をはじめとした木々を刈るのは心苦しいですが、もともとここは特別史跡ですから、後から植えられた木々が遺跡を壊してたら本末転倒なんでね。
・・・あ、本マツ転倒!松だけにな!」
「この礎石はめちゃくちゃ大きいですよね。柱の礎石の大きさから、大きな柱を持つ塔が建っていたことがわかります。
もし神社とかお寺に行く機会があればぜひ柱の下を覗いてみてください。石が見えることがあります。」
(またスルーされたかー…。)
「百済寺の礎石を見たあとに近隣のお寺とかに行ったら、いかに百済寺が大きいかがわかると思うで。このクラスはほんとにないねん。」
「ふ〜〜〜む・・・確かに大きいけど何か伝える方法は・・・。あっちょっとちょっと、皆集合して〜」
「大人3人でかかえるくらいの大きさ!想像しやすくなりましたー?」
「ここは・・・ひろ〜いですけど、何なんでしょうか。ハッ!まさかゲートボール場!?
・・・あっ、なんか書いてある。」
「ここは講堂やね〜。」
「えっ、講堂〜?何もないですよ〜?」
「そうなんですよね…礎石は残っていることもありますが建物の上部分は残らないんです。だから、建物の形がどうであったかわからないんですよね。」
「今は整備途中やから見学しても『何やってるんや?おもしろくないな〜』って思われるところも多々あると思うんやけど、今後の整備に乞うご期待!(笑)」
「でも整備ってめちゃくちゃお金がかかるし、予算が下りなかったらなかなか進まないんですよね〜?」
「そうですね、お金の問題もクリアしないといけないんですが、百済寺跡は特別史跡なので更にハードルが高いんです。
私たちがこうやりたい!って思っても、国の許可がでないと実行できません。早くなんとかしたいんですが…心苦しいんです。」
「特別史跡になったらいいことも沢山あるんやけど、説明書き1つも簡単に立てられへんようになるんやで。」
「そ、そっか…もっと案内の説明板とかあってもいいのにな〜と思ったけどそう簡単には行かないんですね。」
「じゃあ百済寺について少しお話しますね。
百済王氏(くだらのこにきしし)、王って書いてることからも推察できるように、昔百済っていう国が朝鮮半島にあって、その王族の末裔ですね。ちなみに『こにしき』じゃなくて、『こにきし』。」
「昔習いましたよ!朝鮮半島に「百済」と「新羅」と「高句麗」と「加羅」があったって 懐かしい(笑)」
「そのうちどんどん新羅の力が強くなってきて、百済は滅亡しそうになり、日本に救援を求めます。」
「百済は昔から日本と結びつきが強かったからな〜。仏教伝えたり、漢字伝えたりとか。」
「なるほど。」
「しかしながら百済は滅亡しまして・・・そのとき日本に滞在していた百済の王族の末裔が百済王氏っていう一族なんですね。」
「ほ〜、じゃあその百済王氏が枚方に来たんですか?」
「いえ、百済王氏は最初から枚方に住んでたわけではなくて・・・いろんなところに行っていたんです。その中の1人、百済王敬福(くだらのこにきしきょうふく)という人がいます。」
「ふぅ・・・名前が長い・・・。一回空を見上げよう。」
「大丈夫ですか?(笑)えっと、じゃあ敬福さんって呼びますね。
時は奈良時代、聖武天皇が東大寺に大仏を作りたいと言っていた頃に、今でこそ大仏って真っ茶色ですけど当時建てられる時は金色だったので、どこかに金、つまりゴールドを出すとこはないかと探していたら、今の岩手県、宮城県辺りで敬福さんは金を見つけたんです!」
「金見つけたか〜、すごいな〜!」
「そうなんです、その功績を讃えられて、敬福さんは宮内卿(くないきょう)となり、合わせて河内国の国司になったんですね。この頃に氏寺として百済寺を建立したと考えられているんです。百済王氏さんには河内の国をあげましょう、ということでその中の枚方も与えられたわけですね。
なので百済寺っていうのは百済王氏の氏寺なんです。」
「ん?今の枚方がある河内国の国司だから枚方にあるのですね。」
「枚方のこの百済寺ははっきりと向こうの人たちとのつながりがあるっていうことがわかるので、それを称されて特別史跡に認定されたところもあります。
・・・ざっくり言うとそんなところですかね。」
「いや、でも話し方うまいよなー。感心したわ。」
「そうでしょ〜…もっと知りたくなりましたよね〜?(ゴソゴソ)」
「ん?それって・・・」
「え?」
「はいっ、枚方歴史フォーラム『百済王氏とその時代』です!」
(クリックで市役所の該当ページに移動)
*枚方市に所在する百済寺跡は、朝鮮半島にあった百済の王族の末裔・百済王氏が8世紀に建立したと考えられる氏寺の跡です。日韓文化交流の歴史を顕す貴重な古代寺院跡であることから、国の特別史跡に指定されています。
*本フォーラムでは、百済王氏や当時の朝鮮半島と日本の関わりのほか、現在進めている百済寺跡再整備事業についての講演をおこないます。
*さらに、ディスカッションでは、百済王氏を介して国内外との交流の輪を広げます。
(クリックで拡大)
日時
平成30年3月3日(土)
午前10時から午後4時45分まで
※開場は午前9時30分から
※途中昼休憩(1時間)あり
場所
枚方市民会館大ホール(自由席)
定員
1,200名
入場料
前売り1,000円(当日1,300円)
前売りチケットについて
下記の場所にて販売中。
【販売場所】
文化財課、市民会館、ひらかた観光ステーション、各生涯学習センター、枚方宿鍵屋資料館、旧田中家鋳物民俗資料館
チケットぴあ Pコード638-055
店舗購入:セブン‐イレブン、サークルK・サンクス
電話予約:0570-02‐9999
プログラム
・「百済王氏と河内国交野郡」𠮷川 真司 氏(京都大学大学院教授)
・「百済王敬福と黄金山産金遺跡」福山 宗志 氏(涌谷町教育委員会 生涯学習課)
・「渡来以前の「百済王氏」」田中 俊明 氏(滋賀県立大学教授)
・「百済寺跡の調査と整備のあゆみ」松野 元宏 氏(枚方市教育委員会 文化財課)
・「瓦からみた百済寺の創建時代」上原 眞人 氏(京都大学大学院名誉教授)
・「扶餘・益山地域の百済寺院と日本の古代寺院」 李炳鎬 (イ・ビョンホ)氏(国立弥勒寺址遺物展示館館長)
・ディスカッション
お問い合わせ
枚方歴史フォーラム実行委員会
(事務局:枚方市教育委員会社会教育部文化財課)
〒573‐1159
枚方市車塚1丁目1-1
輝きプラザきらら4階
電話:050-7105-8058
FAX:072-851-9335
「いや〜、油断してたらめっちゃ宣伝挟まれたな〜。」
「ナチュラルでしたね。」
「なぁなぁ、ところでな、ちょっとこれ見てほしいねん。俺、見つけてしまってん!」
「もう、川嶋さん!そろそろまとめて終わろうと思ってたのになんなんですか」
「ちょいちょいちょーい、待ってーな!『我が国で初めての史跡公園が完成した』って書いてあるねんで!見てーや。ここ。」
「史跡公園・・・他の場所でいうとどこなんですかね?」
「あとで行く九頭神廃寺も史跡公園ですし、楠葉台場跡も史跡公園なんですよ。」
「全国にいっぱいある中で、最初がここってことやんな?」
「そうです!史跡が公園として整備されたのはここが初めてなんです。
「今世界遺産を目指してる百舌鳥・古市古墳群は特別史跡じゃないもんな。」
「そうなんですよ、百舌鳥・古市古墳群は国の指定史跡ではあるんですが、この百済寺跡は国の『特別』史跡なんです。」
「ここは国指定史跡じゃなくて国指定『特別』史跡!すご〜い。他に特別史跡っていうと何があるんですか?」
「特別史跡で有名なのは奈良の石舞台古墳とか、姫路城跡とか名古屋城跡とか・・・」
「まぁそうなると・・・姫路城に行ってみようかな〜ってなっちゃうと思うんですけど(笑)
それはもう仕方ない。勝てないですよね。だから頑張って知恵絞らないと、と思ってます。」
公園化すれば、こうやって思いを馳せる事もできますしね・・・。
「枚方にいながらも百済寺跡ってあんまり来ることないかも。
「あ、ありますよ!百済寺跡を出て…府道139号線を京阪電車『宮之阪駅』のある方に進んでいきます。」
「こちらにバスは停めていただけますのでご安心下さい。」
「門が閉まっているということは予約が必須ですね?」
「事前申込は、ご利用日の1週間前までにお願いします。※詳細は「枚方市役所ホームページ」へ」
大阪府枚方市中宮西之町4340
アクセス
京阪宮之阪駅下車、東へ徒歩7分
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いかがでしたでしょうか、文化財シリーズ「百済寺跡編」でした
今後は牧野にある古代寺院の史跡公園や東高野街道をてくてく歩いたり、枚方の厳島神社に行ったりします。(順次ご紹介予定)
次回予告