ローカルメディアサミット2017
presented by ライブドアブログ
の様子を遅ればせながらレポートします!(告知記事はこちら)
GW期間を使って、当日の様子を4回に分けてご紹介して行きます
今日はラスト、4本目。
▽1本目をまだご覧になっていない方はぜひこちらからどうぞ。
最近よく聞く「ローカルメディア」って一体何?月間約100万PVのジモコロ編集長 徳谷柿次郎さんが考えるローカルメディアと編集のお話【ひらつーレポ】
▽2本目はこちら。
執筆方針は愛とノリ!宮崎のローカルメディア「テゲツー」と、自慢したくなるポイントをくすぐる情報を発信する「しがトコ」のお話【ひらつーレポ】
▽3本目はこちら。
全国を飛び回り珍スポットを紹介しまくる「東京別視点ガイド」と枚方つーしんを一歩引いて客観的に見てみたらの話【ひらつーレポ】
「ローカルメディアサミット2017 presented by ライブドアブログ」は、去年初めて開催したイベント。
日本各地で注目を集めるローカルメディア運営者の皆さんに集まっていただき、編集の方針やどのように運営しているのか、継続してやっていくために重要な収益のことなどが聞ける、一日限りのスペシャルイベントとして開催しました。
枚方T-SITE4階吹き抜けのイベントスペースで行いました。
▽当日の流れ
・トークセッション
前回までの5メディアの自己紹介が終ったところで、登壇者5人とほんちゃん@ひらつーによるトークセッションが行われました。
(左から、枚方つーしんのほんちゃん(司会)・枚方つーしんの原田・東京別視点ガイドの松澤さん・ジモコロの徳谷さん・しがトコの林さん・テゲツーの長友さん)
広がりの部分で言うと言っても滋賀県民130万人がターゲットになるんで、全国民の中で言った時に知れてる数の部分に対しての訴求になってくるところがあるだけに、それがデメリットかなと。
やっぱり深掘りですよね。僕もそうなんですけど、年に1回でも自分ちの近くのものすごいコアな記事に出会った時はすごいテンション高まるんですよ。それだけであと1年間ひらつー見れるんですよね。離れた所の記事はへぇ〜で終わるんですけど(笑)
移動もあるんですけど、出会った順番にしか記事を作っていけないので、例えばお仕事でこの土地行ってほしいっていうのを入れすぎるとそっちの記事ばっかりになって、本来自分が一番好奇心強くやりたいのができないとか。
だから気が狂いそうですね(笑)
要は全国を対象にローカルメディアをやるって難しいですし、いくら日本に1億人いてもジモコロを1億人が見るわけがないので、どっちがいいのかちょっとよくわかんないです。行ってみないとわからないし3年やっててまだ47都道府県行けてないんですよね。
その点でも松澤さんは1,000ヶ所、1,000ヶ所行くと髪の毛そうなっちゃうんですか?(笑)
自分もそのネタで言うと、ネタ自体っていうよりもそのネタをどう扱うかが最近結構難しくて、自分のああいう扱い方ってハッキリ言って何割かはバカにしてます。
それはもう言い逃れできないと思うんですけど、それを上回るリスペクトがあると思っているので、バカだからおもしろいもんだからバカにしてない、なんてとても言えないんですよ。
1ヶ月福島に住んでるとトラブルがこことここで起こってるとかもっと人を呼びたいとか言ってきてるけど結構なんかあるぞみたいな。
それを自分たちがどこまで踏み込んでここを変えていこうってつもりなのかっていうのが結構問われ続けてて、今までのスタンスを崩さないんだったらそのトラブル込みででもおもしろいよねっていう野次馬根性でいくか、トラブルと思ってるから解決させなきゃいけないのかどうなんだろうなっていうのを1ヶ月ずっと考え続けてるような感じ。
結果、冷徹と共感の間というか一種知らねーよというのと、とはいえやっぱ感情乗ってきちゃいますからそれはそれで好きって気持ちも乗せつつ、いいバランス取ろうかなと思ってるんですけど、そこ難しいなっていうのは、その地方でやってると応援一辺倒でいけるじゃないですか。
どうなんですかそこは。どう取り扱われたらうれしいですか?
やっぱりそこ入ってしまうと特定の人や特定のところに偏ってしまったりするのでそこはあまり意識しない方がいいのかなって僕も本田(ひらつー元編集長)も思ってましたね。
記事についてはおもしろいっていうところを1つのテーマにしてるので、読んでいる方が不快に感じるっていうのは極力避けてます。
事故のことはニュース記事としてアクセス集められるんですけどそれを見て悲しい気持ちになる方もいらっしゃるので、書くとするならその事故や天災に対してどういう対策があるかとかそういう情報としての加工の仕方をしたり、その辺は気をつけてます。
かといえ今度ローカルに特化していくと人だけじゃなくて出来事とかイベントとかそういったもう少し無形なものに対する記事が多かったりして、そうなると関わり方がまただいぶ変わってくるのかなっていう気はしますね。人やったらその人と信頼関係さえあればある程度おもしろく書いてもいいような気がするんですけど。どうですか?
最初は自分なるべく人と話さないようにしてたんですよ。それはフェアじゃないと思ったからというか、自分の記事を読んで行った人ってたぶん自分ほど店長さんに話しかけるわけないんで、自分が味わったおもしろさが味わえないと思ったんですよ。あまりにも話しかけたり積極的に関与しようとすると。
だから関わらないで向こうから得られるだけのおもしろさで書こうと思ってたんですけど、最近はもういいやと思って結構グイグイ中入るようになってきたら、外面、イベントとか場所とか無形のものに思えるものでも結局誰か1人2人は必ずキーマンがいてその人たちの思いが乗ってきてるんで、そうなってくると何事もすべて人なのではと最近は思っちゃってます。
でも書けないんですよ。行ったはいいものの書けないような場所が結構多くてそういう所って。あまりにも荒れすぎてたり、こういう場で話すのにはふさわしくない感じの所が結構多いです。
で申し訳ないんですけど枚方つーしんのテイストとはちょっと違うっていうのを丁寧に説明してお断りしていくとやってるうちに「これ書いてほしいけどたぶんひらつーやとちょっと無理やな」ってわかってもらえるようになるんですよ。だから最初の段階で断るっていうのはすごい大事かなと思いますね。
借りれそうな人っていうのがまたネックで貸してくれそうな雰囲気を出してくる人って結構いるじゃないですか。でも誰からでも借りていいかって言ったらダメじゃないですか。借りるって恩を受けちゃうから返さなきゃって思っちゃうんですよね。
だから最悪自分にめちゃくちゃなこと要求してきたとしても付き合いきれるって人にしか借りないようにしてます。一生付き合うぞってつもりの人からしか借りないようにしてますし、仕事もそんな感じでやりたいなと思っていて、かなり無茶な要求してきてもこの人だったらずっと一緒にやっていきたいと思う人だけとやりたいと思ってるんですけど、たぶんそううまくはいかなくなるんでしょうね。
広告を出していただいてるところもひらつーのテイスト知ってるんで、うちはよく「営業してない」って言うんですけど、営業できないんですよ。
ひらつーのテイスト知らないとこに営業かけて出してもらったら、向こうの考える広告とこっちの考える広告が全然違ってくるんで、お互いにとって反応出ないんですよ。でもうちのテイストに身を預けていただいたらマッチするんで同じ内容でも効果が出てきますね。
けど、たぶんそこのサービス設計とかサイトの方針とかっていうのはこれから勉強していかなあかんなと思ってます。テゲツーさんはどうやってお金回してらっしゃるんですか?
基本的には自分たちの行きたい所に行って記事を書くっていう形なので、どこでごはん食べようと取材に行こうとやればやるほど時間とパワーとお金を使ってるっていう状態だったんですね。
それは宮崎の魅力を発信したいっていう仲間でやってるのでそれはそれで良かったんですが、持続可能にしていこうとした時にやっぱりそれでは続かない現状が出てきました。じゃあどうやって持続可能なものにしていくかって言った時に雇用しちゃうと雇用するための仕事を作んなきゃいけなくなるなと思って。
それができてるのがすげーなと思うんですけど、これからは自分の足で立ってる人たちが思いを持ったプロジェクトで緩やかに集まっていくっていう風になっていくといいなと思っています。
例えば自分でお給料も決められるし、上司・部下っていう関係性もなくフラットな組織づくりをやりたいなと思っていて、テゲツーはそれが一番しっくりくるんじゃないかなと思っています。
柿次郎さんの会社が今個人事業主の集まりですごい優秀な人たちがギュッと集まってやってる運営がこれからやってみたいなと思う組織形態なので、そこのおもしろさと難しさなどあれば是非聞いてみたいなと思います。
彼も雇用はしてなくてフリーランスなんですけどアシスタント代を固定で払って僕から発注して書いた分プラス他からの個人の仕事もやっていいよっていう感じ。ここから先はおまえ次第やぞってちょっと追い込みながら。でも現状半年やって全然30万40万みたいな感じで、それはまぁ僕の会社に来てる仕事を一緒にやるっていうところでどんどん上積みしていくと。
ジモコロはライターの名前とか顔が出やすいので結構個人の仕事とか来やすくなるんですよ。
すると彼自身の仕事も増えてっていうところで、プラス他の5人はもともとフリーライターで成り立っていたりしたんですけど、要は仕事の筋をどれだけ増やしてあげるかがたぶん、ある意味僕は親方のポジションですよね。
いかに仕事をつくるかっていうところで僕はジモコロとBAMP2つあるので定量的に仕事はつくります。プラス広告系の相談が来たらその都度彼と彼が今空いてそうで向いてるなと思ったら2〜3人選んで、プラスカメラマンを外から引っ張ってきて回して僕が搾取するっていう(笑)いい搾取ですけどね(笑)
これはメリットとして雇用しなくていいので例えば5〜6人を雇うなんて相当難しいですし、ただ彼らにとってはデメリットがないようにはしてます。
一応福利厚生がチャットワークっていうツールの有料プランと(笑)Dropboxの容量無制限のやつと、あと名刺。名刺がなくなったらタダで送ってあげる。
要はフリーランスの人って結構名刺のデザインがそこそこの感じで使っちゃうんですよ。デザイン性がまず生まれないんですよフリーランスには。
それをうまいこと利用してもらう。というように明確にメリットを渡して、あとはお茶したり飲みに行ったら僕が全部出すとか(笑)親方っぽいこともやりつつ、あとはフリーランスってどうしても孤独感がつきまとうので常にチームでやる。もし風邪ひいて体調を崩したら他に人が請け負う。そういう信頼感を作っていけばまぁもとからフリーでやっていた人であれば。
そこまではできないですけどちょうど12月にそれをもっと拡大しようと思ってパラレル親方っていう僕みたいな親方が今東京でこれからすごい増えるんですね。周りでなんですけど。
親方を4人集めてライター候補の人を集めてそれぞれの親方が2〜3人ずつ声掛けるんですよ。
親方が1対1で与えられる仕事って月に1〜2本、ということは教育の機会も1〜2回じゃないですか。するとなかなか伸びない。それはやっぱり会社内にいないので。
それを親方4人で1人の弟子をシェアしたら4倍にできるんじゃないかなと思って。一緒にやってる親方から来た仕事の例えばアシスタントが受けきれないってなったら孫に仕事とか機会渡して、チームの仕組みをだんだん複雑にしていくと結構やることが増えるんじゃないかなって。まぁまだ構想段階なんですけど。
枚方にもうちょっと違うメディアがあればいろんなスイッチできると思うんですけそこが難しいので雇用するのは大きいかなと。少なくても80%以上枚方つーしんのことを考えてもらえるっていうのも1つですし、イベントとか何かする時にマンパワーっていうのが大きくていろんなことができるのでリアルの場とかそういう展開っていうのは強みになりますね。
こういうリアルの場で読者さんがライターの顔を見ると身近に感じるというかそれによって人のつながりっていうところになるので、媒体とのつながりから人とのつながりになるとより深いものになるっていうのはすごい感じてますね。ローカルメディアにとってライターの顔出しって大きいかなと思います。
誰が書いてるかわからない情報の気持ち悪さってどんどん広がってるんかなって思うので。顔出しNGであれば横顔とかイラストとかそういう工夫があればいいかなと思います。
そういう人たちにどう仕事を振るというか、大学卒業して書く仕事したいんです!って人に来られてもしがトコだけでは食えへんでみたいなとことかもどうしていくかみたいなところが今1つうちのテーマではあります。
たぶん東京のライターのつながり方と地方のライターのつながり方って何かいろんな形があるのかなと今聞いてて思いました。
僕はプロ意識が高い記事とアマチュアイズム的なものがそんなに読み手にとったら関係ないと思っていて、逆にアマチュアっぽい方が親しみがあって読みやすいとか絶対あって、東京の広告業界の中でのWEBメディアでプロとしてライターを育てるっていう土壌にいると、どうしても求める水準が高くて背負っちゃうと人を選ぶ基準が高くなってそこのマッチングができないんですよね。
だからパラレル親方みたいなわかりやすいものをつくって20〜30人集めるのもちゃんと書類審査というか、原稿がいいか経歴、キャラクターがいいかっていう。でもまぁ雇用した方が早いとは思います。ただ僕二拠点生活しててオフィスがないんですよ。でも人育てるってなると1つの場所がないとちゃんと面倒みきれないんでそこは悩みというかデメリットですよね。
自分が人生の実験をするのとメディアって発信することでそれをおもしろいって言ってくれる人もいらっしゃるので、自分の人生を実験台にしたい人にはすごいおすすめです。
1日4回ぐらい温泉入ってました。安く泊まってるから暖房付けてくれないんで。温泉入って体があったかいうちに書いて冷えてきたらまた入ってのくり返しで。
いろいろ行きたいですね。海外とかも行きたいんでなんとか台湾とかでスポンサーとれないかなと思ってるんですけど。フィンランド行きたいんですよね、僕サウナ好きなんで。
1つが地域の名産品とかお土産をつくるとか、触れるものとか食べれるものとか。あとは雑誌とか文化的なことを発信して数字の世界から距離を置きたい。
それがもし評価されれば全然違うこともできるはずなので、それはクラウドファンディング使ってもでもいいですし今時のやり方で35歳の僕が今できることをバーって詰め込んでやれたらいいなと思ってます。いろいろ新しいことは来年はやりたいなと思ってます。
私はすごい仕事が大好きな人間で朝から晩まで仕事をするっていうのをずっとやり続けてきたんですけど、妊娠して体的にも時間的にも制約が出てきた時に、この限られた時間でやりたいことって何だろうって思った時に、手触り感のあるものをすごくやりたいって思ったんですね。
それはその場だったりとか人が変容するところを見れるものだったり、テゲツーがあって良かったって言っていただけるようなものに育てていきたいなって思います。1人でできないことがたくさんあると思っていて、今日ここに書きたいって言ってもらえるっていうのはすごくそういうものにできたらいいなって思いましたし、テゲツーに関わると人生がより豊かになったっていう風なものにどんどんしていきたいなと思いました。
今日たくさんのヒントをいただけたことをすごくうれしく思いますし、このあとみなさんとお話しながら持って帰れるものをいっぱい見つけられたらいいなと思います。
そうすると人手が必要なのでうちは社員は増やしていきたいっていう方針でいます。ひらつーさんぐらいの規模感にはしたいですね。
世界的なアーティストが来たらみんな思うことが1つあると思うんですよ。「なんで枚方なん?!」って(笑)だから音楽フェスに限らずその「なんで枚方なん?!」って思わすものをいかにつくっていけるかっていうのがうちの会社の今後の1つの形というか、そこを目指していくことがローカルメディアというところの地域の枠にとらわれないということと、地域の可能性を高めていけるっていうのがあるので、地域にあるものをしっかり取り上げていくのも1つなんですけど、「なんで枚方なん?!」っていうのを思ってもらうっていうのが今後の1つのテーマですね。
以上、午前の部の様子でした!
おまけ。
午後の部では、参加者がA・B・C・D・Eの約10人ずつの5グループに分かれて、各テーブルにゲストが入り、テーマトークを行いました。
テーマはこちらの4つで、時間は約30分ずつ。
▶︎今回は「えんたくん」という丸いダンボールに丸い模造紙を置いて、それぞれが話した内容や思ったこと、考えたことを自由に書き込んで行き、最終的に話した内容が記録されるというツールを使用しました。
えんたくんをみんなのひざに置いて、みんなで円になって実施しました。
そのワークショップの内容はローカルメディアサミットの公式サイトでご紹介しています。
もしよろしければこちらからご覧下さい!
何より人に出会うことが最大の収穫です。
全国からたくさんの方にご参加いただき、本当にありがとうございました!!最後に改めて、たくさんのお話をしていただいたゲストのみなさんの紹介で締めくくりたいと思います!
(1) ジモコロ編集長
松澤 茂信(まつざわ しげのぶ)さん
(3)宮崎てげてげ通信会長
(4)しがトコ 編集長
林 正隆(はやし まさたか)さん
(5)枚方つーしん代表
原田 一博(はらだ かずひろ)
▽枚方つーしん
(クリックでサイトに移動します)
関連リンク
・ローカルメディアサミット presented by ライブドアブログ(公式サイト)
・ジモコロ(公式サイト)
・宮崎てげてげ通信(公式サイト)
・しがトコ(公式サイト)
・東京別視点ガイド(公式サイト)
企業協賛
・株式会社LINE(公式サイト)
・ことりっぷ(公式サイト)
・INCLUSIVE(公式サイト)
・株式会社シカケ(公式サイト)
・コワーキングスペースひらば(公式サイト)