ひらつーが運営するコワーキングスペース「ひらば」広報担当のデンチュウ@ひらつーがひらば利用者のみなさんがどんなお仕事をしているのか、どんな風にひらばを使っているのか、インタビュー形式でいろいろとお話を聴いていきます!
今回のインタビューは特別編!!
8月某日、ひらつーが運営するコワーキングスペース「ひらば」会員のニシグチさんが本を出版されたという噂を聞きつけ、急遽!出版インタビューをさせていただきました!
(▷以前のニシグチさんへのインタビュー記事はこちら)
↓気になる本のタイトルは?
「隠れ大阪人の見つけ方」(祥伝社)
2018年8月1日発売です!
ですが・・・!!出版業界は全く未知の世界。
本って一体どうやったら出版できるの!?そもそも、「隠れ大阪人の見つけ方」ってどんな本なの!?教えてくださーい!
ということで。
(左端の男性がニシグチさん)
ニシグチさんと出版に携わった「なにわクリエイターズ」のみなさまにお集まりいただきました!
デンチュウ@ひらつー
この記事を書いている人。主にコワーキングスペースひらばを担当している寝屋川生まれ、枚方育ちの生粋の大阪人。
ニシグチさん(ひらばの会員さん)
普段はグラフィックデザインの会社で働くサラリーマン。会社員でありながら今回「隠れ大阪人の見つけ方」の出版を依頼される。(インタビュー記事はこちら)
高田 久紀(たかだ・ひさき)さん
南大阪育ち、北大阪在住。元中学校の美術の先生という経歴をもつ、大阪暦40年のフリーランスグラフィックデザイナー。なにわクリエイターズのリーダー。
くわた ぽてとさん
もらった人が思わず「それはズルいわ〜」と言ってしまうような名刺を手がける、大阪在住の「ズルイ名刺専門デザイナー」。
セキ リョウスケさん
大阪在住歴10年のフリーランスデザイナー。奥さんはずっと大阪人。他のメンバーからは、「実は、結構アツい男」と言われている。
僕が、今回の制作総指揮をされている原正彦さんと別の仕事で関わったことがあったんです。たまたま仕事で東京に行った時に焼肉をご馳走してもらって。
そこで原さんから『大阪のあるあるネタ』を詰め込んだ本を作りたいと相談されまして。
大阪のあるあるネタ!秘◯の◯ンミンショーとかめっちゃ好きなんですよ!
この本は、原さんが長年に渡って集めてきた『大阪あるあるネタ』を元に、「大阪の人ってこういうところあるよね」っていうのをイラストや漫画と一緒に紹介しています!
(さっそく本を見せていただきました)
はみご・ほかしたって・骨がいがむ・ちりんちりん・・・・!!(あー、全部使ってる)
こんな言葉にピンときたら、デンチュウさんもばっちり大阪人です、多分(笑)
あと、語尾に「多分」多用しがち。
「絶対そうやで、たぶん!」とか(笑)
ちなみに、この本の出版のきっかけとなった原正彦さんってどんな方なんですか?
普段はビジネス書を書いたりと出版業界で有名な方で、とにかく大阪愛がすごいです。原さん自身は関東出身の方なのですが・・・。
生まれかわったら絶対大阪人になりたいと。
(「大阪に憧れて30年。生まれ変わったら大阪人になりたい。」by原正彦さん)
なんと・・・!!すごい大阪愛!
他にも、今回のように本を監修されたりしています。僕にとっては人生の先輩のような存在ですね。
今回、ニシグチさんにお声がかかったのは?
本を出すなら、イラストや挿絵がいるよねという話になって。原さんは僕がTwitterなりSNSで大阪のクリエイターのつながりがある(なにわクリエイターズ)ことをご存知だったので。相談を受けたという感じです。
大阪在住、大阪生まれ、大阪勤務、恋人が大阪人、大阪大好きなどなど、大阪にゆかりのあるデザイナー、イラストレーター、漫画家、ライターによる緩くつながるクリエイター集団。日夜、大阪に関するさまざまな情報を発信している。メインの活動は大阪駅周辺での飲み会。通称なにクリ。
なるほど!
知り合いにたくさんイラストレーターさんがいるので、誰にお願いしようかな〜と思って。
それは心強いですね!今回はどんな方が担当されたんですか?
それが全然選べなくて。
大阪のイラストレーターさんって言われてビビビって何人も出てきたんですよね。普通は一冊につき1人のイラストレーターさんが担当するのですが。
言われてみれば、そんなイメージがあります。
イラストレーターさんにとって書籍のイラストを担当するってすごい実績になるみたいです。
イラストレーター名鑑みたいな本あるじゃないですか。ああいうのって一般的には、イラストレーターさんがお金を払って載せてもらってるケースが多いんですよ。
知らんかった・・・!
(イラストレーターさんにとってすごい実績になるようですね!)
それはもう、めちゃくちゃ悩みましたね。
伝わります。
そして今回お願いさせてもらったのが・・・こちらの方々です!
高田ゲンキ / ハピネス★ヒジオカ / 吉本ユータヌキ / まついかつのり / かわぐちまさみ / 岸本学 / いしだまさや / 梶房ぬる娘 / うのき / tica ishibashi / Haiji / 加藤豪 / 荻原まお / まみ / エートーラス / まえだみゆき / ナカニシヒカル / てぶくろ星人 / シロシオ / 有柚まさき / さらえみ / 橋本ナオキ / naminamiland
1人、2人、3人、・・・・22人、23人!?
はい、総勢23名のイラストレーターさんに関わっていただきました。
めっちゃ大人数じゃないですか!!
本当に選べなかったんですよ・・・というのは冗談で。
なぜ23人も?
先ほどの話にもありましたが、イラストレーターさんが書籍に載るという実績がすごいっていうのは前から聞いてたので、何かいいアイデアはないかなと・・・・。
いろいろ考えてみて、もうそれだったらいっその事、いつも頑張っているイラストレーターさんを沢山集めて、みんなで一冊の本を作ったらおもしろいんじゃないかと!
確か、もうその場で原正彦さんに提案したんですよね。
そうそう。そうしたら、通っちゃいました。
おおー!!
(無事企画が通り出版が決定!)
すごいですね。当初、監修はニシグチさんがお一人でされる予定だったんですか?
最初は、その予定でした。でも、僕は普段会社員なんで。1人でやるには限界があるなと。
確かに。
イラストだけじゃなく、「本の監修」という実績もみんなで分けて進めていくほうが面白いんじゃないかと思って。監修をこの3人にお願いしました。
(監修もコミュニティで)
びっくりしましたね。ニシグチさんから「出版の話をもらったんだけど、みんなでやらないか?」って急に連絡が来て。
ほんま!?ほんま!?ほんまなんーー!?みたいな(笑)
(書籍の出版に関わるということ)
もちろん、みんなデザイナーではありますけど、当然出版なんてやったことない。
出版社ごとに抱えてらっしゃるデザイナーさんがいるので、一般の人が入り込める隙間がほとんどないんですよ。ごく普通にやろうとしたら自費出版とか。出版社から本を出すって特別な気がします。
(本を出版することはとにかくめっちゃ大変なこと)
あの、ひとつ聞いてもいいですか?
なんでも、どうぞ!
ディレクションの部分ですね。
はい、めっちゃ気になります。関わる人数が増えたら、当然連絡や進捗の確認も増えますよね。
うーん、確かに。正直「これ失敗したらほんまにやばいやつやな」っていうのはありましたね。
僕以外はみんなフリーランスだから、出版に関わって誰かの仕事に影響がでてしまうといけないですから。チームで動いていくには何が最適なのかっていうのは常に考えてました。
本ができるまでの道のりを教えてもらえますか?
この本は大阪人あるあるネタ90連発!となっていますが、もともと原さんが考えていたネタが、全部で350個以上あったんです(笑)当然載せきれないので、まずはネタを選ぶところから始まりました。
まず、350個以上のネタを全部リスト化してアンケートを作りました。使う(2点)・ふつう(1点)・使わない(0点)の3項目でチェックしてもらって、集計して上位90個を採用しました。
どうせなら、ネイティブの大阪人に選んでもらおうということで、ここでも大阪を拠点に活躍しているクリエイターさんたちにお願いして。協力してもらった人にはクレジットとして本に名前を掲載しています。
あ、ほんとだ!いいですね!
絞り込まれた90個のリストをなにクリで共有して、第◯章は高田、第◯章はニシグチさんと担当を分けて、それぞれが親交の深いイラストレーターさんとやりとりするという形です。
担当制でやりつつ、全体の足並みもそろえていきました。
イラストレーターさんたちも、僕たちとだけやり取りして、イラストをあげたら普段の受注発注みたいになっちゃいますから、それはなんか嫌だなって。
ですね。
みんなで作った本っていう感じがありましたよね。「頼まれたから、イラスト書きました」で終わりじゃない。
具体的に「ここを工夫した!」ということがあれば教えてください!
イラストレーターさんには、普段その方が受けているお仕事のテイストに近いものをお願いしました。たとえば、普段学校教材のイラストを描かれている方には、学校あるあるの章をお願いしたりとか。
こんなイラストレーターさんがいるんだなと知ってもらうきっかけになれば。結果として、イラストレーターさんにお仕事の依頼がきたらいいなと。
まさに、企画から世に出るまですべてデザイン!
本の中から、みなさんの一押し「大阪あるある」を教えていただけますか?
どれも気に入っているので、迷いますねー!頑張って絞ります!
僕はこれかな?
デスクにあった資料などを紛失すると「無くなった」ではなく「どっか行った」と言う。(p18、第1章 職場での大阪人の見つけたより)
あー、これめっちゃ言います!むしろ、これがスタンダードです!
さっきまであった携帯が見当たらない時は?
「携帯、どっか行った!」(笑)
僕もです(笑)
(セキさんのイチオシ)
関東の人は信じられないみたいで(笑)「勝手に逃走したみたいな言い方するな(笑)」って。こちらは言い訳とすら思ってないんですけどね(笑)
僕が選んだネタもセキさんのと近いかな?これです!
お店で頼んだトリ料理が遅いと、「今、店の兄ちゃんがトリ捕まえに行ってんねん」と口走る。(p54、第3章 合コンでの大阪人の見つけ方)
もう一種の優しさですよね、これは。その場の空気が悪くならないように(笑)
これ、鳥だけじゃないですよね!魚釣りに行ってんねんとか(笑)
畑に野菜取りに行ってんねんとか・・・・
何とも言えない「今、まさに育てる感」!
ぽてとさんのいいね!(笑)自分は、これ!
「ホテルニューアワジ」が普通に言えない。(p89、第6章 リアクションでの大阪人の見つけ方)
ああこれは、少なくとも頭の中では歌ってますよね・・・!もう小さい時からの英才教育やと思います。
あとは、「関西電気保安協会♪」とか(笑)もう体にリズムが刻まれているんですよねえ。
(体にリズムが刻まれてます!)
みんな歌えるってとこがすごいですよね〜!
僕はイラスト込みでこれがお気に入り。
食パンは「5枚切り」か「4枚切り」を選ぶ。「8枚切り」って何?と思っている。(p77、第5章 飲食店での大阪人の見つけ方)
大阪って、食パンの5枚切りか4枚切りがメインじゃないですか。関東は8枚切りが普通に売ってるんですよ。
8枚切りとかサンドイッチじゃないですか!!!どんなに薄くても、6枚切りやと!
(食べた気にならへんやんって思うんですが、みなさんいかがですか!)
僕も一緒のこと思ってました。「サンドイッチやろ」って!このイラストのアングルがまたグッとくるんですよね(笑)
めっちゃ衝撃受けました。
8月1日出版された「隠れ大阪人の見つけ方」。どんな人に読んでほしいですか?
内容的に大阪人が見る本っていうより、大阪人以外の人たちから見て大阪人ってこういう特徴があるから、東京とかで大阪人っていうのを隠してる人がおったら、見つけてあげてねっていう本なんですよね、実は。
見つけ方なんですよ。大阪土産みたいな感じになれば。
なるほど!
会議の時に話してたんですけど「いや、俺ら別に隠れてないし!(笑)」って。関東では「大阪人は隠れてることになってるん?」まずそこでカルチャーショックを受けるっていう・・・(笑)
もう、カルチャーショックだらけですよね。僕らにしたら、結構あたりまえのことが書いてあったりするんです。それもまた面白かったりするんですけど(笑)
なんだろう、そういうギャップみたいな・・・。大阪人じゃない人が手にとって、大阪の人に「ほんまにこんなこと言ったりするの?」って聞いて・・・(笑)
「あたりまえやん!」っていう会話とかギャップを含めて楽しんだり。そこから、コミュニケーションが生まれたら面白いですね!
あとは、隠れ大阪人の見つけ方っていうタイトルに合わせて・・・(笑)
・・・?
隠れぽてとがいます!よく見ると隠れニシグチさんや、隠れ高田さん、隠れセキさんもいます(笑)
ほ、ほんとだ!全然気がつきませんでした!
ちなみに名刺はこの中からでてきます!(笑)
めっちゃ斬新!!
有名な人が作った本というわけではないので、あえて少しローカルというか、周りから話題になるようなちっちゃい仕掛けをしています。
今後の働き方についてなどなど・・・みなさんが「今思うこと」を教えてください。
じゃあまずは、僕から。僕はフリーランスのデザイナーになって今年8年目になります。今回監修ということで、僕たち4人は同じ立場でチームとして企画を進めてきました。
個人(フリーランス)でありながら、一つのチームとして動いていく。その中で助けられたことがたくさんありますし、いい経験になりました。
それはあるかもしれないですね。フリーランスにとって横のつながりは大きい。
そうなんですよ。チームで動くってなった時に、自分1人が指示をしてってなるとどうしても縦のつながりになってしまうというか・・・。個人で働きながらも、チームとして横のつながりで動いていく。今後のフリーランスの働き方のひとつになっていくのかもしれないと感じました。
フリーランスであっても会社員であっても、自分が楽しいと思っている方向に向かって全力で走っている人たちが集まると面白いことが生まれるんだなって。
それは、自分も今回の出版を通して改めて感じたかも。
だからといって、今回のようなことをずっと続けていくかと言われればちょっと違って。今回のようなプロジェクトを何度か重ねていくうちに、やがてそれぞれが「個人」として際立っていくんだと思いますし、僕もそういう風に動いていきたいです。
前回のインタビューで「好きなことをやらなきゃダメ」とおっしゃっていましたが、そのあたりはどうですか?
そのあたりは変わってなくて。やっぱり好きなことをやっていかなきゃダメだと思いますね。
今後はむしろ、自分のやりたいを選択していけるかどうかなのかな。
うん、選択していけるか、なのかも。それが、会社の中でできるのであれば、会社員でも全然構わないと思うんです。フリーランスでも、会社員をしながら自分で仕事をつくっていくでもなんでもいいです。
一番大切なのは働き方じゃなくて自分が好きと思えることを、選択していけるか。
今僕は、会社員として働いているので、あえて会社員ぽい発信の仕方や動き方になっているのかも。予定はないですが、もし僕がフリーランスになったら発信の仕方や動き方もガラッと変えていくと思います。
うんうん、そういう場所を作っていきたいですね。人と会うことで、視野が広がっていったり、行動できたり。
うん、だからこそ・・・。
自分から外に出て行く・・・!(なるほど、そういうことか!)
最後に、ニシグチさんから「隠れ大阪人の見つけ方」を頂戴しました!
「ひらば」にありますのでお越しの際はぜひご覧ください。
インタビューは以上です!みなさん、素敵なお話をありがとうございました!
↓これまでののひらつー記事はこちら!
“プライベートと仕事の垣根をあえてなくす”Instagramでアイデアを発信する会社員デザイナー、ニシグチさんに「これからの働き方」について聞いてみた。
▶︎デザイナー
大阪市が運営する大阪デザインプラザで開催されたイベントをきっかけに出会ったニシグチさんとぽてとさん。その後の飲み会で高田さんに出会い意気投合したものの、特別連絡を取り合うことのないまま、空白の2年間を過ごす。
梅田蔦屋書店で開催された佐藤可士和さんのトークイベントで偶然ニシグチさんと高田さんが再開!もう一度飲み会を開催し、その後3人は月に一度飲みに行く仲に。クリエイターがクリエイターを呼び、現在は運営4人(セキさんは2017年に開催された200人祭り後加入)、会員60名の大阪クリエイター集団に!
ちなみに「なにわクリエイターズ」は今回の出版にあたって急遽、コミュニティぽい名前としてつけられたそう。以前の名前は、最年長の高田さんの名前をとって「ひさきメシ」。
(後日開催された出版記念パーティーのようす)
(ニシグチさんの他にも、ひらば会員の岡田さん、ひらばの学校オープンキャンパスに後登壇いただいたみなさんが出版に携わっています!)
「隠れ大阪人の見つけ方」は2018年8月1日より全国の書店で発売中!!
今後もひらば会員さんの活躍から目が離せません!
9月17日には、出版記念トークイベントが開催予定!こちらも、ぜひチェックしてみてくださいね〜!
【会 期】2018年9月17日(月・祝)
【時 間】14:00~15:00
【場 所】くまざわ書店なんばパークス店内
【参加費】無料
【定 員】先着30名
【出 演】制作総指揮:原マサヒコ、監修チーム:なにわクリエイターズ(上司ニシグチ・高田ヒサキ・セキリョウスケ・くわたぽてと)、イラストレーター(まついかつのり・うのき・ナカニシヒカル・岸本学)ほか
■関連リンク
・コワーキングスペースひらば(公式サイト)