2022年度最後の日、2023年3月31日の18時ごろ。
私は高槻の安満遺跡公園に呼び出された。
呼び出してきたこの男によると、今日はなぜか焚き火をするらしい。
焚き火なら枚方でできるんじゃないのか、と聞いたところ、枚方で夜に焚き火をするのは難しいらしく、今回はこの高槻にある安満遺跡公園にやってきたんだそうだ。
なんでも夜の公園で焚き火ができるというサービスをここのカフェが行なっていて、この既に焚き火みたいな派手な服を着ている男はそれに惹かれたらしい。
そういえばこの人、こないだは山田池公園で焚き火をやっていた。
こ枚の方
スーパーフッ軽女子大生もとい、この日が女子大生最終日だった、ひらつーのイメージキャラクターの1人。4月から社会人になった。この記事は彼女の目線から見た焚き火記事。
すどん@ひらつー
焚き火だけ好きな豚。
この安満遺跡公園の焚き火は、前予約が必要で金土日限定。どうやら前もって予約していたようで、お店に行くとスムーズに話がすすんだ。どうやらこの参加同意書にサインをするらしい。
「結構火の粉が散ったりするからね」焚き火男はそんなことを言う。当たり前でしょ。
焚き火は人数分×500円と、薪が1束1000円。結果的にいうと、これは安いと思う。
焚き火男は何やらメニューを見ながら店員さんにいろいろと注文していた。私は3月末ということもあってか、やや肌寒かったのでホットティーを飲むことに。
薪に火をつけるのは、このお店では2パターンから選べるそうだ。バーナーで火をつけるか、火打ち石で火花から引火させるか。
私が店員さんにバーナーと言おうとした瞬間、焚き火男が「火打ち石でしょ!」と言った。焚き火男はあまり、空気を読まない。
そうして私は麻紐をほぐす作業をはじめた。麻紐に着火して、そこから薪に火を移すらしい。
私は火打ち石で着火させることはできなかったが、焚き火男は着火に成功していた。
ドヤ顔をしていたが、実はこの方法で着火できたのは初めてだったらしく
「僕に足らないのは麻紐だったのか」とか言っていた。
そうして着火した薪。どうやればいいのかよくわからないな、と思っていたら、焚き火男……ではなく、店員さんが結構手伝ってくれた。ほとんど手伝ってくれるので、気分は焚き火だけのグランピング感。
そうしてようやく、焚き火男との焚き火タイムが幕を開けた。
するとすぐ、注文したホットティーがやってきた。
イマイチまだ乗り切れていない焚き火でも、冷える身体に温かい飲み物がしみて幸せを感じていたその時、焚き火男は言った。
「いや〜ホットワインめっちゃ効くわ〜。寒い中で飲めるのって格別よね。しかもホットワインってさ。僕は焚き火セットしかもってなくて、テントとかのお泊りグッズは持ってないからさ、あ、いつかはテント買ってテントに泊まりたい気持ちはあるよ?でさ、夜に焚き火しながらお酒飲むのって、運転手が他にいる時以外は基本的に泊まりじゃないデイキャンプじゃ無理なのよ。それがデイキャンプの弱点っていうかさ。これが、高槻までバスで来てここで焚き火のパターンなら解消されるねん。夜に焚き火しながらお酒飲めるねん、これを枚方市民に伝えたくて今日はこうして〜〜……………」
……いい感じの気分は焚き火男の自分語りでちょっと冷めた。
そもそもこの男は、今日は本当に焚き火をする気があったのだろうか。
焚き火に対してこの靴は、防御力0だと思う。
その後も焚き火焚き火と言いながら、ポップコーンを作り始めたり、
スモアをつくったり、
じゃがバターをつくったり、
チキンラーメンをつくったり……。
いやこれ、
BBQやん。
と野暮なツッコミをいれたくなったものの、我慢した。
だって、
「パリパリのところ、おいしそうやろ?」とじゃがいもを見せてくる焚き火男がとにかく楽しそうだったので、余計なことかと思ったから。
ちなみに持ち込みはNGなので、全部お店の商品だ。
ただ、持ち込みは基本はNGだが、
焚き火男は火吹き棒を持ち込んでいた。お店の人的にも、火吹き棒は持ち込みOKのようだった。
これが意外と役に立って、ほぼ消えた火が火吹き棒によって復活した場面が何度もあった。ちょっと見直した。火吹き棒を。
BBQもようやく落ち着いてきて、夜の公園の焚き火の良さがだんだんわかってきた気がする。
火のゆらめきを見ながら肌寒い中で温まる。パチパチと薪の水分が弾ける音。
彼氏が知らない女とインスタライブをしていたせいで荒んだ心が、ちょっとだけ楽になった気がする。
そして何事にも終わりが来る、ということで予備の薪がなくなった。
あとは今燃やしている分だけ。でもこれもまたよくて、線香花火のような儚さもあった。消えるな〜と応援したくなる。
……そうして2時間に渡る私の焚き火体験は終わった。
冒頭で、値段が安いと書いたのはここからだ。グランピングと同じで、片付けは全部お店の人がやってくれる。手ぶらで焚き火体験だったからだ。このままお会計したら、あとは全部おまかせだ。焚き火のやり方から、片付けまでぜ〜んぶ。
焚き火男は「最高やん、お金で手間を解決できるなんて最高やん」と、本当にアウトドアが好きなのかと疑問を呈したくなる発言をしていた。テントじゃなくて、お前はホテルにでも泊まっとけ。
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