「大黒HCは熱い男なので寂しいですね」クラブ史上初のJFL3位入賞したFCティアモ枚方・二川監督が語る2024シーズンと未来

枚方・寝屋川・交野を中心とした北河内地域からJリーグを目指すサッカークラブ「FC ティアモ枚方」

今シーズンは、3位となりました。
2024シーズンの通算成績は、15勝5分10敗 勝点50。
JFL昇格後、最高順位となります。

振り返ってみると、6月2日(日)の第10節、勝てば首位を掴める1戦となり、JFL昇格後ホーム最高入場者数1,795名をたたき出した高知ユナイテッドSC戦や、6月7日(金)の第11節、JFL史上最多入場者16,480人を更新した国立競技場でのクリアソン新宿戦など、記憶にも記録にも残る試合が多かったシーズンでした。

第14節から第22節まで9戦、勝星に見放され苦しんだ時期もありましたが、10月に入ってからの残り8節を7勝1敗と怒涛の追い上げを見せ、底力を見せたシーズンでした。

試合前やハーフタイムにチアダンスチームの演技が行われた

また、今シーズンは、成績だけでなく、ホーム戦では毎試合チアダンスやダンスチームのショーを取り入れ華やかさを演出。

選手と一緒に入場するエスコートキッズ

エスコートキッズも行われたり、キッチンカーが試合会場に登場し、試合観戦時のホスピタリティー面でも格段に向上した年です。

スイーツにお弁当に毎回美味しそうなグルメが並んだ

ガンバ大阪のアカデミー時代からの盟友大黒将志ヘッドコーチと共に阿吽の呼吸でチームを引っ張ってきた二川孝広監督に、監督2年目となる2024年シーズンについて、2021年からひらつーティアモ担当としてFC ティアモ枚方を見てきたサッカー好き外部ライター今村が話を聞いてきました。

取材日:2024年12月9日@ホテルアゴーラ大阪守口

たまゆら陸上競技場(枚方陸上競技場)に掲げられたチームスローガン「反撃」

——二川監督、本日はよろしくお願いします。
さっそくですが、2024年シーズンは、どんなシーズンだったかを教えていただけますか?

そうですね。

まあ序盤、首位に立てるかといういい時期があって、なかなか勝てない時期が続いて、順位を落としていった中盤があって、最後また巻き返していったシーズンやったなというふうに感じています。

第10節 高知ユナイテッドSC戦 この試合に勝てば首位になっていた

——そうですね。一番の山場は私の中では6月にあった第10節の高知ユナイテッドSC戦だったかなと思っているのですが、二川監督はどのように感じていますか?

確かに、ここで勝てば首位に立つというのもありました。
まあ、そこでまた違った景色になっていたという部分はあります。

勝っていたらどうなっていたんやろう」というのはあるかもしれないですね。

東京都新宿区にある国立陸上競技場

——今シーズンの試合の中で記憶に残ってるというか二川監督の中で「この試合は、よう覚えてるわ」という試合はどの試合ですか?

もちろん、勝ったら首位に立つかもっていう首位高知とホームでやれた、勝ちたかったという試合でもあったので、まあ記憶に残ってますけど。

そうですね、クリアソン新宿戦で国立競技場でやった試合もよく覚えています。

なんていうんですかね。
「FC ティアモ枚方が国立で試合する」そういうところまで来たんだと。
昔から考えたらすごいことなんじゃないかと思っていました。

——そうですね。二川監督は、FC ティアモ枚方が関西リーグの頃から在籍されていますものね。その頃から考えると、国立で試合ができるようにまでなったなと感慨深いですね。二川監督は、選手として何度も国立のピッチに立っていますしね。

まあ、昔の国立は、ありますけど。新しい国立は初めてでした。

国立競技場の電光掲示板に上がった当日の入場者数

——新しい国立は、綺麗でしたね。この試合、JFLで一番多い観客数で16,480人でした。
4-1で勝ち星を上げたのですが、国立競技場で試合ができるということも特別感がありますし、たくさんの観客が入った中での試合ということで、チームの雰囲気はどんな感じだったのでしょうか?

チームの雰囲気は、別にそこまで変わらない感じでした。

でも、いざピッチに立ったら浮き足立つのかなという不安はあったりもしたんですけど、そんなこともなく、いつも通りのプレーができたというのもあります。
やっぱり、先制点を取れたことが、心に余裕ができ、より自分たちの良さを出せたんじゃないかなと思います。

10月6日に行われた第23節ソニー仙台FC戦 この試合から快進撃が始まる。

——シーズン中盤で9戦勝ちがなかった中、後半第23節からの8試合ですが、7勝1敗と見事な勝点を重ねることができ、順位をあげることが出来ました。それまでの流れが悪い中、どのようにして勝利を掴めるようになったのですか?

そうですね…。まあ、なんていうかな。
メンバーもちょこちょこと変えたり、フォワードも変えたりもしたりもしましたが。

1番は、ディフェンスからですね。
ディフェンスのところからうまくプレッシャーをかけてというのが、出来てきたからですね。
しっかりとしたディフェンスから戦えたというのもありますし、ゴール前の粘り強さっていうのかな。
そういうギリギリのところで勝ててきたというのが、まあ、本当にギリギリのところなんですけど、粘り強さが出てきたのがあってですね。
それが、勝利につながったのだと思います。

7月21日の第17節栃木シティ戦 途中3-3となったが、後半28分に失点し3-4で敗戦となる

——そうなんですね。今シーズンは栃木シティFCが優勝、そして高知ユナイテッドSCも入替戦に勝利してJリーグに昇格しました。栃木シティFCは、2024年にJFLに昇格したチームでしたが、1年で抜かれました。栃木シティFCや高知ユナイテッドSCは、どんなチームでしたか?

(栃木)シティはやっぱり攻撃力があって。
崩せそうな相手で、隙はあるんですけど、なかなか勝ちきれない強さが(栃木)シティの攻撃力にはあったと思うので、そこで負けたのかなっていうのはありますね。

高知(ユナイテッド)は、本当に守備が堅くてなかなか崩しきれない。
まあそこが一番です。なかなか崩しきれなかったので、点を取れなかった。
もうちょっと崩せるようにならないと厳しいのかなというのはあります

——ちなみに、高知ユナイテッドSCとY .S.C.C.横浜とのJFLとJ3の入替戦はご覧になりましたか?

見ていました。
どっちに転んでもおかしくない展開だったと思いますし、本当に高知の粘り強さが勝ったんじゃないかなと思います。

——そして、Y.S.C.C.横浜と いわてグルージャ盛岡 についてはJ3からJFLにくることになりました。

その2チームについては、どんなチームかというのは、現時点ではわからないですが、間違いなく力はあるチームだと思います。

でもまあ、JFL自体がそこまで力の差があるわけではないので、勝つのは簡単じゃないですし。
しっかりとやらないと勝てない相手だろうなとは思っています。

地域リーグの関西で優勝した飛鳥FC その後も地域チャンピオンズリーグで優勝しJFLへ昇格

——新しく入るといえば、地域リーグから関西リーグ所属の飛鳥FCがきます。監督の美濃部さんとはどこかでご一緒したことはありますか?

いや、ないですね。でも、練習試合で対戦したこともあります。
まあ、関西リーグ時代から対戦したことがあるチームでもあると思います。

——調べたところコロナでリーグの試合が7試合だった時の2020年9月に第6節で対戦しています。このあと、FC ティアモ枚方が昇格したので、1度だけですね。

いや、今はJ3のFC大阪のGK永井建成が飛鳥FC(当時はポルベニル飛鳥)にいる頃にカップ戦(2019年のKSLカップ)でもやってるんですよね。

——そうなんですね。そのころは、まだ現役でしたものね。懐かしいですね。

そうです、そうです。
(小谷)健悟がPKを永井に止められて。
その次の年に永井がティアモにきたんですよね。

(飛鳥FCとは)去年、練習試合で対戦してるので、その時からもういいチームだと思っていました。

大黒将志ヘッドコーチ(左)と二川孝広監督(右)

——大黒さんが1年で退団されましたけど、大黒さんが入ったことで何かチームに影響というか、二川監督自身も勉強になったところがありましたか?

彼は、本当に細かく指示していました。
それも、とてもわかりやすく説明もするので、僕自身、本当にサッカーの勉強にもなりました。
まあ、選手たちも本当に勉強になったと思いますね。もう、成長につながるような。
細かいところでいうと、練習の前にミーティングをするために早く集まるようになったりしました。後に仕事がある分、この時間で終わらないといけないというのがあるのでね。

11月24日第30節の最終節で2得点した鷹啄トラビス選手

——今シーズン、成長したなという選手をあげるとしたら、どなたになりますか?

誰やろうな?
(鷹啄)トラビスとか(石井)大生ですかね。

——センターバックの2人ですね。

ディフェンスラインに関しては、やっぱり結構ビルドアップのところから、大変なところだったと思います。
その基本的な技術も必要ですが、リスクがある中で、やっぱりメンタルも強くないといけないですし、怖がってやっていたら多分できないと思います。

そういった中で、シーズン通してしっかりとやれていたので、まあ序盤戦に比べたらできるようになったと思いますし、成長したんじゃないかなと思います。

背番号36 石井大生選手 湘南ベルマーレU18からトップ昇格している

——センターバックというポジションは難しいところなのですか?

今は、求められていることが多いポジションではありますね。
ただ守っていればいいというわけでもないですし、技術的なところも求められたりもしていますね。

——石井選手は湘南ベルマーレのユースからそのままトップ昇格になっているので、今21歳なのですね。すごく落ち着いていますよね。

そうなんですかね。まあ、落ち着いてる方ですかね。
センターバックというのは、なかなか若い頃から出るというのは難しいポジションでもあると思います。

そういった中では本当にしっかりとやってくれていると思いますね。

2023年、2024年シーズン共に7得点を挙げた山口隆希選手 佐賀県出身の九州男児

——期待の星ですね。あと前や真ん中あたりの選手はどうですか?

そうですね。
まあ、山(山口隆希選手)は昨年に続いて7得点取ったっていうのは、すごいことだと思います。
結構早くに7(得点)を取ったので8(得点)いくかなと思ったんですけど、そこはいけなかったですね。ちょっと期待したんですけど。

——山口選手は、どちらかというと小柄で、普段はすごく寡黙なイメージが二川監督と似ているんですよね。

寡黙ですよ。真面目ですしね。
いや、俺ちゃうで。山(山口選手)がな(笑)

よく選手とコミュニケーションをとっていた大黒ヘッドコーチ

——では、監督2年目が終わっての感想を教えてください。

2年目は、ヘッドコーチが変わってまた勉強することが多くあったので。
指導についてやっぱり違っていて、どうやって選手に伝えるかとか勉強になりました。

自分ではわかっていることでも、選手に伝えていなかったなというのもあります。
そういうのを伝えることができているのが、学ぶべきところだなと思いますね。
まあ、(大黒ヘッドコーチは)熱い男なので、寂しいですね。

内田達也選手と話す二川監督

——監督3年目に向けての抱負をお願いします。

引き続き今年のようなサッカーをしつつ、1年1年が勝負なので、少しずついろいろと変わりながら、今年の上積みをして優勝を目指して頑張りたいと思います。

最終節、J-GREEN堺にて挨拶をする二川監督

——最後にFC ティアモ枚方のファン、サポーターにメッセージをお願いできますか

今シーズン3位という結果を残すことができました。
ですが、優勝という目標には届かなかったので、来シーズンこそできるように、また日々のトレーニングから頑張っていきたいなと思っていますので、今後とも応援よろしくお願いいたします。

——本日は、ありがとうございました。

たまゆら陸上競技場(枚方陸上競技場)

2025年シーズンは、二川監督を支えた大黒ヘッドコーチの退任と新ヘッドコーチのベン・カーン氏の就任が発表されています。

また、JFL上位2チームがJリーグに入会したことによりJFLからの卒業、そして新たにJ3から「いわてグルージャ盛岡」「Y .S.C .C.横浜」の2チーム、地域リーグから同じ関西圏の「飛鳥FC」がJFLに加入となり、アマチュアとプロの入り混じるますます混沌としたリーグにJFLはなります。

FC ティアモ枚方の選手の更新情報は、まだ少ししか出ていませんが、好調だった2024年を積み上げることができるか気になるところです。

2025年のFC ティアモ枚方の全貌は、来シーズンも続投が発表されている二川監督に、新体制発表が落ちついた頃にまたお話をお聞きしたいと思います。

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