※この記事は、サッカー好き外部ライターひろちゃん@交野タイムズによるFCティアモ枚方応援企画記事です。
ゴーーーーール!!
スタジアムDJの声と観客の笑顔が溢れた11月27日。
FCティアモ枚方は6-1という大差で勝利しました。
入場人数制限50%という中、公式観客数584人と制限目いっぱいに入ったホームスタジアム・枚方陸上競技場で、今シーズンを見事に勝利で締めくくったFCティアモ枚方。
それから1週間後の12月5日、JFL34節の全試合が終わりました。
JFL1年目、FCティアモ枚方今シーズンの成績は14勝12敗6分で17チーム中8位。
第1節がコロナの影響で延期となり、2節目から始まったことが象徴される様に、FCティアモ枚方もコロナに翻弄された1年だったのではないでしょうか。
前半は無観客というサポーターの後押しのない中での試合もありました。
リーグの半分しか消化できなかった昨年2020年と違い、全日程を終えることが出来たのは1つ前進ですが、1年を通して32試合するのはFCティアモ枚方にとって初めての経験だったと思います。
FCティアモ枚方の最高順位は3位。
最終順位は8位。
勝ったり負けたりの中どんな1年だったのか、
今回、小川監督と枚方出身の宮城和也選手に話を聞いてみました。
(取材日:2021年12月9日)
宮城和也選手ってどんな選手?
背番号25の宮城和也選手。枚方生まれ枚方育ち。23歳。
中盤で相手選手からボールを奪取したり、攻撃の起点になっています。
小学生の頃から自転車のカゴにボールと水筒を突っ込んで、TフジタSCという少年団の練習に通う根っからのサッカー大好き少年です。
そのまま地元チームのジュニアユースに進み、大阪府トレセンに選ばれる程の実力をつけていきました。
トレセンコーチの勧めで大阪の強豪校、興國高校に進学。
その後中央大学に進み、2020年にFCティアモ枚方へ加入。
「枚方が好きだー」とTwitterに書くぐらい枚方が好きなので、枚方を他地方の方に紹介するとしたらどう説明しますかと聞いてみたところ、「まずは、『まいかたちゃうで』という話からですね。まず読み方から『ひらかた』を教えてあげるかな」と話してくれました。
枚方T-SITEが好きで、8階にある「AuRA」(アウラ)というバーによく出没しています。
大阪王将とティアモの唐揚げサービス企画は選手何名かと食べに行ったようですが、他にも沢山注文したので全部食べるのに苦労したそうです。
成長できる監督の下で優勝したい
ー今期のJFLのリーグ戦の中でどの試合が一番記憶に残っていますか?
5月30日のヴィアティン三重戦ですね。
ーゴールした試合ですよね。
そうです!サッカー人生の中で一番凄いゴールを決められたんですよ。
お!凄い!と自分でもびっくりするぐらいのミドルシュートを決めて嬉しかったんです。
(5月30日のヴィアティン三重戦は4-3でティアモの勝利。開始1分で先制された後、開始4分に今はセレッソ大阪に期限付き移籍となっている新井晴樹選手からのクロスが相手選手に当たりそのボールを拾って、見事なミドルシュートをゴールに突き刺している。ティアモの先制点となるゴールになる)
もう1つあげていいなら、チーム全体として最終節ですね。
瞬間だけを切り取ればヴィアティン三重戦ですが、一番気持ちの入ったのは最終節のソニー仙台FC戦かもしれません。
やっぱり退団する選手もいて、このメンバーでする最後の試合という感情が入りました。
結果も内容も良くて、ちゃんと今年のシーズンを締めくくる上で自分たちのサッカーを表現出来たなという試合でしたね。
ー小川監督のサッカーはどういうものですか?
結構クリエイティブで創造性にあふれているイメージが僕の中にはあります。
選手に判断を任せているのが凄い魅力ですね。
ある程度選択肢はくれるけど自分たちで決めていい、僕たちのアイディアをリスペクトしてくれているイメージです。まずそういったマインドの指導者って凄いなと思っています。
ある程度秩序もありますが、攻撃的なサッカーをしたいんだなと僕はヒシヒシと感じます。
僕は正直守備は好きではないんです。お客さんが見ていてワクワクするのは、点が入った瞬間とか美しい崩しがあったときとかそういう時間だと思うんですね。
僕はずみさん(小川監督)のサッカーは「攻撃的なサッカー」で「自分たちの判断とかプレーをリスペクトしてくれるサッカー」かなと感じています。そんなずみさんのサッカーが好きなので、そういった人の下で出来るのはうれしいですね。
「選手に判断を任せる」のは勇気がいると思います。
でも、ずみさんは「こうやる選択肢もある」といいながら、僕たちのやったプレーの意図をちゃんと聞いてくれます。
そんな監督の下ですごく成長できるなと思いますね。
ーでは、最後に来年にむけての意気込みをお願いします。
来年は、「JFLで優勝したい」と思っています。
優勝するためにたくさんの困難、例えば優勝という目標に対するアプローチの仕方であったり、チーム内でのすれ違いも絶対あると思うんですよ。
でも、どんな時も「自分はサッカーが大好きで、サッカーは楽しい」という気持ちを忘れずにいたいんです。
観ているお客さんが楽しいと感じるのは、プレーしている選手たちが楽しいと思えている時だと考えているので、僕は心からサッカーを楽しんで優勝を目指したい。
そういう意味でも僕はずみさんのサッカーが大好きなので、あの人が表現したいプレーを少しでもピッチで表現できるように頑張りたいと思います。
気が付くと関西弁になっている小川佳純監督
ーティアモの監督になるために枚方に来られて丸2年になりますね。枚方はどうですか?
枚方市駅周辺は行きますよ。
ご飯を食べに行ったり髪を切りに行ったりしますね。
大阪と聞くと関西人がいて、日本の台所というガヤガヤしているイメージでした。でも、今住んでいるところは今まで住んできた中で一番静かですね。
ー関西人と話されることはありますか?
スタッフが関西人なので少し関西弁がうつってきたなと思います。
イントネーションが引っ張られているところがありますね。
標準語だと「~だよね」というんですけど「~やんな」とか言ってしまいます。
そんな時「俺、関西弁話してるわ」と思ったりします。
もっとやり方があったのでは…と思えた2年目
ー今年記憶に残った試合はどれですか?
どの試合というよりは、最後の4連敗ですね。ここが俺の中で一番です。
俺のやり方次第ではと思う部分も…ありますね。
良い時と悪い時がほんと激しくて。連敗したのは上位にいるチームですが、順位的に下位のチームとの試合を落としたり引き分けたりしたことが多くて不思議だなと思いますね。
ー昨年はコロナもあって所属していた関西リーグも試合数が半分となり、地域CL・天皇杯予選を入れても16試合でした。それに比べて試合数32試合と倍になりましたが、どう思われましたか?
長かったですね、1年。
勝っても負けても直ぐ次の週末には試合が来るので、切り替えていくという作業の繰り返しで気付いたらあっという間に終わっていた感じなんですけど….難しかったですね。
ーどんな点が難しかったですか?
勝っている時はいいんですけど、負けた後とか。
改善するためにどんなトレーニングをするか、メンバーをどうするか、そういう難しさがありましたね。
長いリーグ戦を闘っていくうちに必ず波があるのですが、下がった時にいかにどう抑えて直ぐ上に向けられるようにするのか調整するのが僕の力によるものだと考えています。
選手のモチベーションを上げたりするところを自分がもっと上手く働きかけをすれば、波が下降せずにさっと上向きに出来るのではないかと思っています。
もっとやり方があったかなという反省点はありますね。
ーJFLに在籍している残り16チームの中でこの監督はすごいなと思った方はいますか?
HondaFCの監督はすごかったですね。
HondaFCはチームとしてランクが違うなと感じました。実力的にも選手の意識も。あと監督のやり方も。
HondaFCの監督にはうちが1-7で負けた試合で試合後にお話しをさせて頂いたのですが、「途中から出た選手のパフォーマンスが悪くてロッカールームで雷を落としてきた」と話されたのです。
びっくりしましたね。この点差で勝ったのに雷を落とす監督がいるんだと。結果で満足はしていない、こだわるところをしっかりこだわってやっている。
それを聞けて、なるほどなと思いました。
また、それがいいかどうか分からないですけど、常に選手に外から声をかけ続けて90分間一緒に戦っているという姿を見せていたのはHondaFCの監督だったんです。
(鈴鹿ポイントゲッターズの)三浦やすさんもそうでしたが、外で監督がどういう振る舞いをするかはチームに少なからず影響を与えると感じました。なんも言わずにずっと見ているのと「おい!やれよ!」という感じでモチベーターみたいにやるのとでは違うのかなと思って。
僕は多く言わないのですが、それは選手がピッチの中で自分たちで考えて相手の変化に対応したり、ゲームの中での悪い流れを自分達で解決して良い流れに持っていけるようにするのが一番の理想だと思っているんですね。でも、このカテゴリーで勝つには外から色々と僕が影響を与えたほうが勝てるのかなとHonda FCの監督のやり方をみて思いました。
ーいわきFCは来季からJ3にあがります。対戦成績は1勝1敗でしたが、対戦してみていわきFCはどうでしたか?
いわきFCは、パワーがありましたね。
ただ、ホーム・アウェイの2試合とも僕らがやりたいサッカーは出せたので勝てない相手ではないと感じました。
ホームで初めていわきFCに土を付けることが出来ましたし、(雷で)中断までの25分は本当に素晴らしい内容で4点ぐらい入ってもおかしくないぐらいでした。
もちろん勝ちましたけど、それまで負けなしで首位だったいわきFCとの試合で僕らはどれだけの差を見せられるのかなと思っていました。ですが、太刀打ちできない相手ではないということがこの勝利で分かったので、自分たちのやっていることに自信も持てました。
ただ首位いわきFCには勝てたのに、次の試合でその時の順位でいえば大分下の順位のチームに負けてしまうという一面も見せてしまって、まだまだ未熟なチームだと思います。
ーこれから来年のチーム作りになると思いますが、具体的にどのようなチームにしていこうと考えていますか?
まず、失点数を減らさないといけない。(失点数57。リーグの中で一番多い)
でも、失点数が半分になって得点数も半分になったチームは面白くない。
「もっと点がとれる、もっとチャンスを多く作る」という攻撃的なチームにしたいと思っています。
0-0の試合より3-3の試合の方が面白いじゃないですか。
また、反省点の1つとして「リードした試合でしっかりと勝率を上げる」ですね。
3点差を追いつかれる、2点差をひっくり返される、先制して逆転負け、そういう試合が今年は多かったので、そこの勝率をあげられるようにしていきたいと思います。
ー最後にファン・サポーターへメッセージをお願いします。
JFL1年目は8位という順位で終わりましたが、もっと出来ると期待されていると思います。
僕自身来年も監督をやらせてもらえるので、今年の最終戦の様なゲーム、選手が90分間ハードワークして多くのチャンスが訪れるという試合を毎試合見せることが出来るようにしたいですね。
メンバーも入れ替わると思うのですが、その中でも新しく入った選手がいい活躍を見せることができ、面白いチームになったなと言ってもらえるように、僕は上手くマネージメントしていきたいです。
今年の始めは無観客の試合が多かったですが、来年は開幕戦から有観客で100%入れる予定です。
多くの方に来てもらえるよう魅力あるチームを作っていきたいと思うので、応援していただけたら嬉しいです。
宮城選手、小川監督、ありがとうございました!
JFL2シーズン目となる2022年に向けてのチーム作りを楽しみにしています。
記事:ひろちゃん@交野タイムズ
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