最近、ジョギングやサイクリングをしてる人をよく見ます
涼しくなったら運動しようーって思っていたワタクシ…
食欲の秋だからもうちょっと…と思っている間に冬がきそうな気がします
来年こそはがんばります(切り替えがはやい)。
そんなほんちゃん@ひらつーがお送りするシリーズ企画。
「津田サイエンスヒルズ見せて!」
(シリーズ概要はこの記事をチェック!)
(過去の「津田サイエンスヒルズ見せて!」シリーズはこちらから)
20を超える企業・施設が集う場所、「津田サイエンスヒルズ」。
そこには果たしてどんな技術やお仕事があるのか…?
第三回目はここです!
「エムシステム 株式会社」さん!ででーん!
(でかい壁!!)
サイエンスヒルズ内での場所は、この辺りになります。
入り口からちょっと行ったあたりですね。
エムシステムさんのwebサイトには、
「マシニング・NC旋盤加工による部品加工を軸に、各種装置開発・設計をはじめ、KUKA産業ロボットによる自動化ソリューションカンパニーです。」
と書かれてあります。
自動化ソリューションカンパニーとは、いったいどんな会社なのでしょう?
できる範囲内で分かりやすく、お伝えでき…るかなぁ。
では、いってきます!
1:「エムシステム」って、どんな会社?
2:研究開発の一端も担う“ロボット化”
3:未来社会を見据えた仕事を 〜まとめ〜
今回お話を伺ったのは、エムシステムの森さん(社長)です。
森さん、笑顔がすてきです。
ほんだ
エムシステムはいつからサイエンスヒルズに?
(大きな棚の前でお話を伺いました)
森さん
この会社は2014年にできた新しい会社でして、サイエンスヒルズでは2014年7月から創業しています。
ほんだ
では、ここで一からのビジネスということなのでしょうか?
森さん
いや、元々ここには別の会社が操業しておられたんです。僕は別で会社を持っているんですが、事情があってM&A(企業の買収・合併)をしたっていう形ですかね。
工場長はまだ30代ですし、平均年齢は若いですよ。僕が引き上げてますね(笑)
ほんだ
エムシステムの主な仕事はどういったことを?
森さん
元々ここで創業しておられた会社さんが行っていた部品加工や機械加工は引き続いて行っておりますが、エムシステムになってから始めたものもあります。それが、「KUKA」というドイツのロボットを使った“工場自動化”の提案というものです。
(ロビーの机にも小さなロボットアームが)
ほんだ
工場の自動化ですか、ここでロボットを働かせるというわけですね。
森さん
FA(Factory Automation = 生産工程の自動化)ってやつですわ。ここの親会社が取得したサポイン事業のうち、ロボットを使う部分はエムシステムで行ってます。ロボットにつけたカメラで飛行機の胴翼(胴体と翼の部分)の形状を測っていくという作業なんです。将来は人間の手ではなくロボットが測定した形状通りに加工する、ということをする装置のための補助作業をやってます。
ほんだ
へぇー、飛行機を製造する際の作業の自動化ですか。しかし、「サポイン」ってなんですか?
森さん
経済産業省が行っているものづくり基盤技術の開発に対する補助事業でして、採択された事業には補助金が出るんです。
サポイン…「サポーティング インダストリー」の略。「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」によって、経済産業省がものづくり基盤技術を担う中小企業に対していろいろと支援を行っているんですね。ちなみに森さんが昨年度採択された「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)」は、特に中小企業や小規模事業者が大学等の研究機関と連携して行う、製品化につながる可能性の高い研究に向けた取組を支援するというものです。
(サポインについて聞く図)
ほんだ
これって、研究機関がほとんどじゃないですか?
森さん
民間が主体になっているものは、数件しかないんじゃないですかね。いろいろあったんやけど、最終的に僕は元締めにならんと気がすまんタイプなんやね(笑)
ほんだ
そもそもサポインに応募したきっかけって何なんですか?
森さん
大阪にOWO(一般社団法人 次世代型航空機部品供給ネットワーク)っていう団体があって、僕はそこの会長もしてたんです。まぁ未来の交通手段として次世代型飛行機を大阪から作っていこうという団体です。そこで飛行機関連の人脈が出来るし仕事も増えるかもしれん、ということを思ったんですね。加えて、ものづくりのマーケットが今後縮んでいく中で、きわめて小規模ながら精度を求められるという分野は成長すると狙いましてね。
ほんだ
なるほど、元々のお仕事でそういったつながりがあったんですね。
(経緯をいろいろと話してくれました)
森さん
それで会長を終えてただの会員に戻るときに「君んとこやったらサポインも通るやろ、一緒にどや?」なんていう話がありまして。で、半年に渡り研究して、申し込み用紙作って、これが大変でして。全部の書類の理屈が繋がってないとあかんし…大学受験よりも大変でしたねぇ(苦笑)
ほんだ
まさにライフワークから始まったことだったんですね。で、ちゃんと本業の方とも関係してくる、と。
森さん
お客さんには飛行機関係の方も出てきますし、なんだかんだ飛行機業界は大手もいますしね。加えて本業が機械販売ですのでこれは、今後は作業自動化の必要性が出てくるはずと考えてました。で、このタイミングでこの場所に会社をスタートさせることができた、と。かっこ良く言えば「うちに頼めば全部できるよ!」と。小さい中でも一環で対応できる状況を創りだしたいという思いがあって、ここを始めました。
(こういった部品加工もできます)
ほんだ
ライフワークから始まったものが、それぞれ森さんの事業に連結して乗っかってくるというのが素敵ですね。
森さん
そうですねぇ、津田サイエンスヒルズ内でも「うちに頼みたい!」となるような、要望を聞ける会社になりたいですね。
ほんだ
まだ始まったばかりということですが、将来に向けて狙っているところなどありますか?
森さん
やっぱり航空機産業ですかね、そこしかないです。もしかしたら、100年後には自動車産業が衰退しているかもしれない。すでに落ち着きを見せつつある産業ですからね。地球上に住む人口が100億人を超えたら…そのときに何が必要とされるのか。どうバランスを保って生きていくのか。限られた資源と環境の中で何がのびるかを考えています。
ほんだ
すごい壮大な話ですが、確かに重要ですよね!そこで、航空機産業はまだまだ変わっていく可能性がある、と?
(壮大な話にテンションがあがった図)
森さん
たとえばスイス連邦なんて、小さい国ですが山岳地帯にあるということもあるので移動手段として航空機がとても身近なんです。比べて、日本なんて飛行場の数を考えれば全然飛行機を使ってないですよ。まぁ使うとなれば安全性はもちろんもっと向上させんとあきませんけどね。
ほんだ
森さんが考えるその時代がくる時に対応できる状態を創りだしたい、ということですね。
森さん
グループ会社があるのが一番の強みですからね。ゆりかごからなんとやら、ではないですが新しい機械を入れるところから古くなった機械をレストア(修繕)する、コンテナを手配して海外で売る、ということまで、すべてグループ内で行うことができる。そしてロボット間をやり取りするシステムの構築にも対応できるし、小回りが利いた対応が可能になっています。
(笑顔で夢を話す森さん)
ほんだ
小さなことから大きなことまで対応できます!と言えるのは強みですね。
森さん
今のサポイン事業にはエムシステムがないとだめですし、徐々に外からもお話をいただいて実績を積み上げつつあるところです。全国のいろいろな工業系展示会にも精力的に出展しようと計画しています。
ほんだ
今は大手しか対応できないような動きですが、だからこそまだまだ入りこむ余地がありますよね。お忙しい中、今日はありがとうございました!!
(森さんとKUKAのロボットパネルの前で記念撮影)
まだ新しい会社ということもあって、森さんにはこれからの展望を中心に話していただきました。冷静にお話される中に、確かな“熱さ”も感じることができました。取材終盤、森さんの経歴を伺ったのですが、元々は理系で図面を書いていたところから営業職へ転職したり起業したり…と実に波瀾万丈。しかし本人は「人と接するのが好き。いろいろ大変かなぁと思ったけど、まぁぼちぼち着ましたわ」とのこと。日本だけでなく、未来の世界社会を予測しながら事業展開をはかる姿を見て、自分の仕事や生活に対する姿勢も正さねば、と強く感じました。
《おまけ》
現在宇宙滞在中の日本人宇宙飛行士 油井さんによって国際宇宙ステーションに先日取り付けられた「簡易曝露実験装置 ExHAM」という実験装置のサンプルホルダーはエムシステム製だそう。帰り間際に興奮しました…。
◆関連リンク
・津田サイエンスヒルズ
・エムシステム株式会社